三鷹市議会 令和2年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart7 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第4回定例会 半田伸明の一般質問 今後の財政運営のあり方についてpart7

改選後ずっと財政運営の質問を続けています。今回の一般質問で7回目になります。
駅前再開発と市庁舎0円建設につき、もう無理なのではないかという角度から、市庁舎建て替えと三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業の事業実施時期と財政への影響について質問しました。

動画はこちらになります。

以下、流れを紹介します。

(冒頭の主張部分)
投資的経費につき、長期的見通しを今のうちから考えておくべきである。

(質問)
<市庁舎部分>
1)建築から55年経過した。コア抜きの結果、早急な対応は必要ないものの、70年以上の使用には適さないとなっており、あと15年以内に建て替えをしなければならない。いつごろ建て替えをしなければならないかの判断を、いつごろにするのか。

2)民間部分をどの程度入れるのかにつき、事業手法の方向性をそろそろ煮詰めていかなければならない。新都市再生ビジョンの中でどの程度盛り込むつもりなのか。また、事業手法の方向性の確定時期をいつごろとするつもりなのか。

3)事業手法の方向性が固まったら、都市計画の変更の手続きがある。また、市庁舎建て替えの基本計画を作らなければならない。これらにつき個々に何年の作業期間が必要になってくるのか。

<再開発部分>
4)新都市再生ビジョンの策定時期が令和4年12月に延期された。一方、再開発基本計画の策定時期につき、三鷹駅前再開発及び市庁舎等調査検討特別委員会では、令和3年度を目途との答弁があった。新都市再生ビジョンは三鷹市全体の問題である。一方、再開発の基本計画は再開発についてでしかない。新都市再生ビジョンより先に再開発基本計画ができてしまうのは整合性に欠ける。新都市再生ビジョン策定の後に再開発基本計画という順番でなければならないと考えるが、所見を伺う。また、再開発基本計画の策定時期をいつごろと想定しているのか。

5)新都市再生ビジョンと都市計画決定とは連動性はない。しかし、再開発基本計画の方が都市計画決定より先なので、当然都市計画決定がもっと後の話になる。いつごろ都市計画決定をするつもりなのか。

6)第一種市街地再開発を考えているようだが、新都市再生ビジョンと再開発基本計画の後に、多くの手続きがある。都市計画決定に始まり、基本設計、実施設計、権利変換計画作成、権利変換処分、管理運営計画などが考えられる。それぞれにつき何年ずつかかるのか、個別に伺う。

(答弁要旨)
(質問1部分)
防災都市づくりの考え方や劣化診断の結果等を踏まえ、新都市再生ビジョン(仮称)を策定していく中で、公共施設全体としての建て替え・改修の基本方針や、優先順位を定めながら総合的に判断していくので、現段階ではいついつということを確定的に明示することはできない。
庁舎等の建て替え時期は、公共施設全体の中で検討し、判断していくことが重要であると考えている。

(質問2部分)
事業手法については、新都市再生ビジョン(仮称)の策定とは別に検討を進める。確定時期は現在未定である。

(質問3部分)
平成29年度に策定した三鷹市庁舎等整備基本構想策定に向けた基本的な考え方、これと仮に同じ条件と考えた場合は、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計に5.6年程度の期間を要するスケジュールが想定される。事業手法によっては都市計画の変更手続などによる期間も必要になるため、その場合はさらに1年以上の期間が必要になる可能性もある。

(質問4部分)
再開発基本計画は、新都市再生ビジョン(仮称)で示される、三鷹市全体を視野に入れた、防災や公共施設の考え方を踏まえて、並行して取り組んでいきたい。現時点では新都市再生ビジョン(仮称)と同時期である令和4年度をめどに策定したいと考えている。

(質問5部分)
都市計画決定の時期を明確に示すことはできない。

(質問6部分)
1つの例として、一般的な市街地再開発事業の流れについて説明する。
まず、都市計画決定してから、事業計画等の認可、それから権利変換計画の認可、そういった手続で約2.3年かかる。基本設計、実施設計などは、これに並行して行われることになる。
その後、4~6年の除却工事や建設工事期間などを経て工事完了と、そういう流れになっている。

(再質問)
結局、市庁舎は何年かかるの、再開発何年かかるの、個別について聞いている。

(市長答弁)
1つのことをやろうとすると、全部に関わってくる問題が大き過ぎる。今の段階は、全体についての各論をまとめるのが、多岐にわたった大変な作業になるなと実感している。
例えば、駅前の再開発をしようとすると、交通路線をどうするかという議論を、同じようにしなければいけない。

個別の問題に対してどう答えていくかも大事だ。駅前再開発を成功させるには、市民が三鷹駅前の再開発は自分たちのシンボルだと思ってもらわないと動かない。
個別の地域には個別の地域の課題があって、それらも整理して一遍に見せていかないと、自分たちの地域も見てもらえている、それがこういうふうにつながっているのだなという意識になる。私はそういう意味で、全般的に引っかかってきていると考えている。

市庁舎について。これからの時代は市役所の機能全体をどういうふうに分散化していくかを考えなければならない。どう縮小するか、あるいは全市的なコミュニティ行政も含めて、大きな転換点になっている。少子高齢化がボディブローとなり、今までのコミュニティ行政だけではやっていけなくなってきている。コミュニティ行政も大きく転換していかなきゃいけない。そこに市役所の分散ネットワーク化ということを真剣に考えていくとすると、今の大きさの市役所が本当に必要なのか。逆に小さくなる可能性もあるのではないか。
近隣の生活圏で実現するのが一方で正しいと思いながらも、一遍にはできない。でも、ひょっとしたら駅前の再開発の中で分庁舎の一部はそっちに行く構想もあり得るかもしれない。だとしたら、再開発の中で、これまで課題になっていた市役所の建て替えの一部については実現するかもしれない。そういう形で小さくなった市役所だったらどうなるのかということは、また別な議論になってくるわけである。

このように、総合的な問題を新都市再生ビジョンの中で示したいと考えている。もうしばらく待っていただきたい。そういう答弁で、現段階では御容赦いただきたい。

(再質問)
分かりやすいチャートといえばいいのか、再開発の場合はこうなる、市庁舎の場合はこうなるという流れの説明のようなものが、今はない。HPでこんな感じに今後なっていきそうですよというものを、出していくべきではないか。

(都市再生部長答弁)
指摘のように、再開発と市庁舎の建て替えについて横に並べて、スケジュールをチャートのように、フローを並べて考えることが大切だと考える。両方見据えながら、スケジュールを立てていく必要がある。フローはある程度手続で決まっているところもあるので、今後それらを並べていきながら、いつまでにどういったことが必要なのか、そういうことを検討していきたい。

(再質問)
かつて、市長の言い分で、投資機会の増大という話があった。以前の私の一般質問で駅前再開発の他に東八道路のブランド化の話があった。駅前だけに特化するよりも、市全体のブランドの価値を高めるという意味で、東八の価値も高め、そのことも含めて市庁舎ゼロ円の投資機会を呼び込むという話があったと記憶している。この点を再度説明してほしい。

(市長答弁)
東八道路について。店舗の面積の割合は駅前と匹敵するぐらいの大規模店舗が集まっている。とはいえ、今の用途地域の中でやっていくには非常に窮屈な状況になっている。地区計画とかその他の手法を使って、企業等を呼び込む必要があると考えている。全市的な展開でまちづくりを考えるときに、単にお店がいっぱいあってごちゃごちゃしているという状況ではなくて、一定の緑が多くて秩序がある、そういう誘導の中でまちが整備されてくる。その大きな集積場所として東八道路も考えられるということを追求していきたい。
東八道路沿道の企業や大規模店舗の中で、そういう動きに呼応するような動きも、目が幾つかあるようだ。様々なところで動きが出てきている。それをしっかりとつなげていく、そういう新都市再生ビジョンにしたい。

(再質問)
コロナで駅前再開発が延びる。で、東八があるから、まだ市庁舎ゼロ円可能性があるのかなと。ところが外環の陥没の事象が発生した。あれで当然延びる。インターチェンジも当然延びる。インターチェンジができることもきっかけとして、北野の里の構想だとかいろいろあったわけだが、私は投資価値のダブルの損失が今、発生していると思う。1つはコロナ、1つは外環。そういう状況で、なお投資機会の増大と言い切れるのか。

(市長答弁)
再開発にしても何にしても、数十年後に誇るべきまちとして三鷹が存在しているかどうかが大きな問題だ。それを見据えた投資の構造をつくらなければ都市経営にはならない。だから、都市経営を目指すためには、一定のリスクはあるが、それを見越してやっていくしかない。

(再質問)
言わんとしていることは分かる。市長選時に市庁舎ゼロ円、駅前再開発の話があって、選挙公報に書かれていた。駅前再開発はコロナで延びる、東八は外環の事象で延びる。

この状況で失礼を承知で言わせてもらう。もう公約は修正して良いのではないか。失礼ながら、あなたは悲劇の市長だ。この状況で公約修正をすることは恥でも何でもないと思う。

(市長答弁)
例えば、高さ制限が問題だったら高さ制限を撤廃すればいいだけの話だ。用途地域の改正もそうだ。200億もかかるような大きな市役所を造る必要はなく、小さくて簡素なもので良いのだ。それは分散型ネットワークでできるかもしれない。
問題があるなら、それは解消していけばいいわけであって、私はできると思っている。諦めることはない。
私が言っている方法は、どこでもやっていることである。豊島区が消滅可能都市になるかもしれないと言われていたが、それで火がついた豊島区が区役所の建て替えを含めて民活を活用して、今まであった負債も全部返済して、今、そのときの庁舎の建て替えで193億円の収益が上がったという事例がある。
残念ながら現段階では諦めるわけにはいかない。まだ始まったばかりである。

(再質問)
考えはわかった。一方、市庁舎について報告では70年以上の使用には適さないという話がある。となると、あと最短で15年以内に建て替えなきゃいけない。
駅前再開発を先にやり、その後に価値が高まって市庁舎建て替えで投資資金を呼び込むという理屈は分かる。
しかし、その間にこの15年過ぎたらどうなるのか。明らかに間に合わないのである。私が心配しているのはそこなのである。現実を見据えたら、市庁舎の方を先行すべきではないか。

(市長答弁)
分散型ネットワークの行政を目指す観点から、どっちが先とかいう話ではなくて、例えば駅前のところに役所の一部を持っていくとか、先行的に取れる可能性もある。結論づけてはいないが、そういう方向も含めて検討している。

(再質問)
なぜ私がここでしつこく何度も聞いてるかというと、駅前再開発で起債が発生する時期と、結局ゼロ円がやっぱり無理で、市庁舎にも一定の起債をしなきゃいけないともしなった場合、同時期に過大な投資的経費が2つの事業でどーんと来ることになる。そうなると、単年度公債費がギブアップだ。これを避けたいのである。だから市庁舎を先にしろって言っている。

(市長答弁)
一時に全部お金が発生するとか、そういうことにはならないというふうに、現状では考えている。

(再質問)
一度にはできない、実際には。同時期に駅前と市庁舎をやらざるを得ないという事態になることだけは絶対に避けてもらいたい。
それを避けられないと仮定する。単年度公債費が一気に増大する年度が数年続くわけだから、今のうちに借金は、返せるものは返していかなきゃいけない。つまり、枠を空けなきゃいけない。体力というのは、借金の枠が減れば減るほどできてくる。同時期になる危険性を考えた場合に、今のうちに借金全額についてもう少し力を入れて、中途返済を含め、考えるべきじゃないか。

(企画部調整担当部長答弁)
重要な視点だが、一方で基金残高も重要な視点である。繰上償還には財源が必要になる。繰越金が出たときには極力繰上償還の財源にするなど取り組んでいきたい。

(再質問)
いいやり取りができたと思う。二重投資が同時期になることを絶対に避けてもらいたい。いま一度ここを明言してもらいたい。

(企画部調整担当部長答弁)
従来型の事業スキームでやった場合には、基本計画の財政フレームにおいても、収支均衡は図れないと考える。優先順位をどう見定めていくのか、きちんと組み立てながら計画行政を進めていきたい。

(半田締めくくり)
何を心配しているかわかっていただけたかと思う。
市庁舎建て替え資金、駅前の資金、同時期に起債は避けてほしいという問題提起、及び外環の陥没があったから、東八のブランド化というのも実質厳しい。ですから今後、市庁舎ゼロ円ということについては、一定の修正を図らざるを得ないということである。
今後についての議論は、別の機会に。

以上になります。
駅前再開発、市庁舎建て替えにつき、現時点での総合的なやり取りができたと考えています。
市長は何度か「分散型ネットワーク」という表現をなさっていました。現実的には外環事故があった以上、投資価値の増大はほとんど無理と私は見ています。となると、駅前を先行させる場合、庁舎機能の一部を移すしかないでしょうね。

なお、何度か新都市再生ビジョンの話が出てきました。要するに、様々な公共施設の優先順位をここでまとめるわけですから、一番重要な書物になっていくわけです。これは確定がまだまだ先の話ですので、しばらくは休戦といったところでしょうか。

質問時間と答弁時間の比率ですが、1:3となりました。それだけ市長の答弁が長かったわけです。彼は彼なりの思いがあり多くを語りました、一方、私は私なりのリスク管理の発想があり、特に財政面からの質問をしました。なかなか良いやり取りができたと思います。