三鷹市議会 2020年10月 まちづくり環境委員会 行政報告資料 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 2020年10月 まちづくり環境委員会 行政報告資料

大混乱となった共通商品券事業、緊急にまちづくり環境委員会が開かれ、行政報告を受けることになりました。
資料はこちらを。

この事業については、明確に反対していたのは私1人という状況でした。プレミアム率の高さに納得いかず反対したわけですが、この大混乱に思いを馳せると、いろいろ考えさせられるものがあります。

行政報告の後、各委員からの質疑がありました。以下は私のやり取りにつき、抜粋してまとめておきます。

(質問)
府中市はプレミアム4割とのことである。申込みはインターネットとはがきとのことだ。
なぜうちが先着制にしたのかが、どうもよくわからない。ここから先は推測だが、以前全市民10万円の定額給付金の話があった。ひょっとしたら、定額給付金の事務で職員に多大な負担が発生しているのを市長が見て、これは避けないといけない、だから先着制と決断なされたのかなあと。

(市長答弁)
考える前提にはなっていた。

(半田、賛成会派に対して)
私はこの補正予算を反対した立場だ。賛成した立場に対してどうのこうのいう権限はないが、今考えれば、議会の責任もやっぱりあると思う。
賛成した会派は、ここは抽選制にしなさいねとか、やっぱり附帯決議をつけるべきだった。附帯決議をつけて議決をしたのであれば、行政は拘束されるから。
ところが、それはなかった。そこに思いを馳せると、行政を責めるということが我々の仕事ではない。議会側もきちんと反省をせんといかん、私はそう思う。

(質問)
以上を前提にして質問を続ける。
デジタル商品券について。令和三桜会の指摘があり、在住市民の購入を促進するべく当初2日間在住市民のみと変更になり、これが8月の行政報告で報告があった。事業開始は10月1日、つまり行政報告してから1か月半以上時間があった。しかも、その間にシステムの変更を加えてない問いう答弁が先ほどあった。
最大会派の指摘に対して、はい、分かりましたと言って、実際に何らやってないわけである。ここはきちんと反省してもらいたい。

(担当部長答弁)
システム上の変更はできないままという形で、事業の実施に至った。今回の混乱の1つの要因と認識している。

(質問)
だったら、9月の行政報告でシステム変更はできませんということをやらなきゃ駄目。

(担当部長答弁)
システムの方の手が入れられなかったと、述べた記憶はある。しかし、書面でお出しできていなかった。これは反省点だ。

(質問)
デジタル商品券について。在住要件を厳格にしたほうがいいという指摘が各方面から来ている。市外の郵便番号で、初日から登録できたというのは致命的に駄目。例えば免許証の画像をアップロードするなどやっても良かったのかなと考えていた。
しかし、考えが変わった。画像は幾らでもコラができる。となると、冷静に考えたら、デジタルの場合、本人確認はもう無理なんじゃないか。
あと、もう1つは、それでもやっぱり市内在住要件を厳格にするということでやるならば、例えばマイナンバーカードを使った何らかのシステムとか、そういった方策しかないのかなと。

(市長答弁)
マイナンバー制度の方に行かざるを得ないのではないかということは、将来課題としてあると思っているが、現状のマイナンバー制度がいいのかどうかということはまだ議論があるところで、そこまで踏み込むのは難しいということが、当時の認識としてある。
そういう中で、厳格化を追い求めていくと、偽造の問題といつも紙一重の問題が出てくるわけで、そういうものを誘発するような形がいいのかどうかという話が出てくる。冒頭の挨拶で性善説と言ったが、分かりやすく言うと、きれいな畑があると、秋だから、例えばナスがなっている、例えば勝手にとるなって看板あったとしても、その看板の有無にかかわらず、とっちゃいけないということは当然のこととしてある。そういうのを前提としていた。
畑にあるから、柵があればいいのか、1メートルがいいのか、3メートルのほうがいいのか、防犯カメラを置くか、有刺鉄線をひくかみたいな、そういう話に行くと、どんどんエスカレートする傾向があると思うので、そういう意味で性善説だったのである。
最初の制度の組立てとして、性善説に立って、そこに余りに時間をかけたり、手間をかけると、売れ行きに響くと考えていた。
いろいろな問題があるということも認識した上で、でも時間的に間に合わせなければいけない。システム開発など時間がかかるということもあった。この仕組みは、全部完備して1年後にやっても意味がない。スピードとの戦いであった。いろいろな選択の中で、このようになった。

(担当部長答弁)
初日から他市の郵便番号で入るという点は、何とかならなかったのかなというふうに考えている。動作確認等に時間がかかるという点もあり、今回はこの形で実施をした。

(市長答弁に対する半田感想)
初日から市外の郵便番号で登録できたというのは、行政の信用が失墜したに等しい。だけど、市長の今の言い分もよく分かる。スピードの問題もある。さっき、きれいな畑の例えがあった、性悪説に立った場合にとことん行っちゃうと、一体何のためだというのは確かにあると思う。
議案に反対した側であっても、両方のバランスを考えた場合に、なるほどなという思いはある。だから、私は一概に責める気はない。免許証の写しの話をしたが、コラのことを考えるとデジタルで本人確認を厳格にするという概念自体が、実はもう難しいのかもしれない。

(質問)
1つのクレジットカードで、複数メールアドレスで、今回買えてしまっている。ここから先は、不正があったかどうかの議論になっていく。問題なのは、不正という定義である。
私の個人的な感触を述べる。4口、5口、同一クレジットカードで買った。これは、私は不正とは言わないと思う。なぜなら、1家族、4.5人っているから。旦那さんのクレジットカードで、お子さんの分も含めてまとめてというのは、それはあり得るだろうなと。これはが、10口、15口と2桁になったらどうだろう。これは、不正の蓋然性が高まるだろう。この辺りをどう捉えているのか。

(市長答弁)
指摘はもっともだ。不正と感じる一般的な次元と、違法という次元か別次元である。そこは相当慎重にしなければいけない。複数の場合、幾つから不正になるとか、違法になるとかいう話ではなくて、かなり個別のケースを調査した上で返還を求めるなどの話になってくるだろう。時間のかかる話であるし、様々な検討を慎重にした上で、問題を認識していきたい。

(質問)
みずほ銀行は民間だ。みずほ銀行に同一クレジットカードで何口購入という調査を依頼できるのかどうか、私は厳しいのかなという考えだ。
当初はそれをさせるべきだと考えていた。ただ、みずほ銀行が民間だという当たり前のことに気がついたときに、クレジットカード番号の調査をすること自体が個人情報保護の観点で問題になるだろうし、あと上位法の関連で、銀行法とかあるだろうから、現実にはみずほ銀行にその調査を依頼することは厳しいかなと思う。
ところが、市長は、個別の事例を調査をして、返還を求める場合がありや、なしやという話をした。ということは、みずほ銀行に一定の調査を依頼するという理解でよいのか。

(市長答弁)
そういうことを含めて、今後の課題と認識している。指摘のように個人情報の問題があるから、どこまでお願いできるかということも含めて、実務的にいろいろ詰めていく。

(市長答弁に対する半田感想)
なかなか厳しい調査になるだろうが、市側としてみずほ銀行にこの調査をお願いできますかという依頼をすることは必要だと思う。依頼した結果どうなったかは行政報告に入れてもらいたい。
逆に言うと、どういう顛末になったかの報告があるまで、我々は動きようがないのである。だから、ここはきちんと報告をしてもらいたい。

(質問)
仮にその調査が厳しいとなった場合に、要するに入り口段階で重複購入が追い切れないということになる。
では出口でどういう精査をすべきかというふうに議論が移っていく。そこで、実際に不正云々という話になっていった場合、気になるのが、高額な電化製品とかを買われて、それが転売をされてしまうケースである。
先ほど5人家族の話を出した。(全員上限まで買ったとして)15万円の出費で、実際は22万5,000円使えることになる。その購入した方が22万5,000円という定価のパソコンを買ったとする。それが20万円で転売されたとする。その方は5万円、利益を手にすることになる。これは、税金の使われ方としては、やっぱり問題だと思う。
ところが、先ほど話をしたように、1人の名義のクレジットカードで5口ということも、例えば旦那さん名義で買った。その家庭で、例えばテレビが小さかった、大きいテレビを家族全員分まとめて買おうねと、これも否定はできない。
こう考えると、大型店舗など幾つか家電量販店、よくよく考えたら、出口の調査も実は厳しいのかなという気がしている。私はこの点はまだ考え中だ。

(市長答弁)
以前、ジブリ美術館のチケット1,000円を1万円以上で転売される事態があり、警察が摘発することがあった。
全て違法性があるケースではなかったりする、または額が低い場合はそういうのに当らないとかにもなりかねない、そんな状況で幾つかいろいろ追っている中で出た事案だった。
(個々の事案ごとに)それが本当に問題がある案件なのかということを調べていくのは大変難しい側面があるのは事実である。
入口の精査、出口の精査という話があったが、そういう意味で高額な製品を買って転売するという目的で、そのことが明らかになれば、それは一定の調査の対象になるとは思う。ただ、それが本当に違法性があるのか。つまり、法律の問題としてどうなのかというふうに言ったときに、さらに厳密な調査、あるいは検討が必要になると思う。しないというわけではない。非常に難しい課題であると思っているところだ。
さらに、規則としてどういうところまで追いかけるつもりで、一定の条件を出していたかということは非常に大きな問題になる。
つまり、不正だとしても違法かどうか分からないという問題と、不正だけれども本当にこれは我々の規約からいっても不正になるんじゃないかという話と、この規約からは不正とは言い切れないという問題もある。そのあたりは法的な措置をどうするかは、慎重に対応していきたい。
ケース・バイ・ケースの場合がある。1件ずつしっかり精査できる環境に整えば、しっかりやっていきたい。

(質問)
私は、出口の調査は難しいと思う。やっぱり出口は無理でしたとなった場合に、じゃ、どういう結末をこの事業で評価を加えるべきかなと、自分なりに考えてみた。
最後は、個人店舗と大型店舗の比較だろう。仮に大口の不正が数十人、数百人あった場合に、結果として、大型店舗の比率が増えていくんじゃないか。個人店舗で大型家電というのは、なかなかあるようでない。実際に高額な家電を売っている業者というのは、今回は数が限られている。
例えば個人店舗対大型店舗が5対5とよく言っていらっしゃるのを、ひょっとしたら4対6になるのかもしれない、3対7になるのかもしれない。2月28日、最終使用期限の後に、個人対大型の比率を出して、要は蓋を開けてみたら4対6でした、3対7でしたとなった場合に、その数字を見て初めて不正の何十口というのは蓋然性は高まると思う。
だから、我々委員会としては、ある意味、一時休戦というか、2月末の結果を待つしかないのかなと思う。

(市長答弁)
大型店舗に偏るのか否かは大変興味があり、関心が強いところだ。できる範囲でしっかり調査して、その報告をしていきたい。

(質問)
わかった。
もともと自治基本条例上の市民の定義で、在学、在勤云々含まれている。私の感想を言わせてもらうと、市外の人は買って別におかしくはないと考えている。最初から自治基本条例上、市民とはそういう定義だからである。かつ市長主張の性善説がある。一方、不平、不満、不公平と言っている方々は、市民とは在住である、かつ性悪説に立っている。決定的に価値観が違う。どっちがいい、悪いの問題は、私は言わない。
市長がそのような価値判断に立たれたということに対しては、自治基本条例を議決した議会側からすると、一定の敬意を払うべきと考える。
実際に市報を確認している方が市外でいらっしゃるか。私はいないと思う。一々、駅のところで市報をとって、ああ、ちゃんと間違いなく買えるんだねということまで確認して、市外の人が買っているかといったら、そんなことはあり得ない。だから、市外の方が善意、無過失で、初日から買うことは、否定できないと思う。
実際、私のところに問い合わせが来た。買ってしまいました、大変申し訳ございません。詐欺だ、立件だというのがネット上にどんどん出てくる。私は訴えられてしまうんでしょうかと。私は、胸を痛めた。だから、そういう人たちがプレミアムを返還すべきだというのは、これは簡単だが私はそれは違うと思う。善意、無過失で買ってもらった方々には堂々と使ってもらいたい。

(市長答弁)
前提になっている規則がどういうふうになっているかが、一番大きな問題になる。返還していただけるなら、返還していただくような方法を、傷つかずにうまく着地する方法を検討したい。
お買い求めになる方が市外の方であって、その方が広報をたまたま見ていなかった、あるいは認識が薄かったということは、特に悪意を持って買ったんじゃないんだということは、あり得る。制度上そういうふうになっていなかったという意味で、広い意味での不正になるのかもしれませんが、そこをどういうふうに追及するのかということは、今後の課題になるだろう。
ただ、在住だけではなくて、在勤、在学、在活動も含めて三鷹市民であるという自治基本条例の精神が最初にあった。地域振興を考えると、市外の人でもたくさん買ってもらうからこそ振興が成立するわけである。将来的にはそういうものも1つの視野に入れた制度も必要じゃないかと思う。
本人確認を厳密にしないとすれば、商品券に関しては、逆にそういうふうに開いていく方向もあり得るかなというふうには思うが、性急にその結論を出す気はない。ただ、ふるさと納税は市内の人が市外のところに税金を持って行く話だが、市外の人が市内に税金を持ってくる形に限定して考えても様々な形態が具体的にはあるので、余りそこを厳格化することは大変難しいと考える。
再開発で、例えば現場を歩いて、いろいろ説明会に出ると、マンションに住んでいる方が三鷹の市民だがマンションを所有する方は市外や都外の方ということがある。つまり、税金はもちろんその在住の方が払っている場合もあるが、それ以外に、そのオーナーの方が市外から払っているという場合もある。税金だけに着目しても、かなり複雑な感じになっている。
そういう意味で、厳格化は確かに一定程度必要だろうが、それだけではないなという視点を持ちながら考えていかないと、うまい回答にならないと思っているのは事実だ。そういう点も含めて、今後の検討課題としたい。

(半田締めくくり)
よくわかった。
先ほど言ったように、議会側は議会側で反省をしなきゃいけない。だから、一方的に行政を責めるのはちょっと違うんじゃないかと述べたが、この点は再度確認しておく。もうひとつ。デジタルはやっぱりちょっとむちゃだったと思う。というのは、アップルペイ、ラインペイなど民間のキャッシュレスの先行事例があるのに、独自にシステムをつくること自体がむちゃだったのではないか、ここは指摘しておく。
しかし、独自システムをつくっていきたいんだというんだったら、それはそれで止めない。価値判断の問題だから。ただ、板橋区だったか忘れたが、そういった既存のキャッシュレスサービスに上乗せをするやり方で、実質的に地域振興を図っている事例もある。これは研究してもらいたい。それができるのだったら、私はどっちかというと、そっちのほうがいいのかなという気がしている。
個人的には、個人対大型店舗の比率を一番重視したいと思う。ですから、2月末の使用期限の終了を待った後に、集計に1か月ぐらいかかるとして、その後、そういう数字が出てくるのは閉会中審査の5月の委員会になるのだろうか。その数字が出てきた後に、ほら、やっぱり大型店舗に集中したじゃないかみたいなやり取りになっていくのか、それとも、5対5でしたね、じゃあ、よかったとなっていくのか。
私個人としては、補正に反対した立場だが、一時休戦というか、その数字が分からないことには、もう責めようがないと思う。まずは2月末の数字を待ちたい。

以上になります。

補正予算案に反対した立場だから、賛成した会派は強くは出ないだろうと思いきや、賛成会派もかなりきつい質問をしていたのにはびっくりしました。

反対した立場だから、ほらいわんこっちゃないと言っておしまいにするのは簡単ですが、いわば決算審査みたいな感じで執行のあり方を問う感じで質問しました。

まずは、2月末の事業終了を待って、正式な結果を待ちたいと思います。私の中ではひとまず休戦といったところですね。