三鷹市議会 令和2年第3回定例会 令和元年度決算について | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第3回定例会 令和元年度決算について

来週火曜から決算審査特別委員会です。

まず、議案上程です。市長が平成30年度決算 提案説明を読み上げます。
これを受けて、各交渉会派からの代表質疑があり、その後決算審査特別委員会が設置されます。

そもそもどんな予算だったのか?予算時点での私のまとめはこちらになります。
三鷹市議会議員半田伸明による三鷹市31年度予算の解説
※年度途中で元号が変わりました。

以下、資料を分析する順番に紹介します。
まず歳入歳出決算書です。これがいわば決算の議案です。
当初予算があり、年度途中で補正予算があり、それでも足りない場合は他から流用ないし予備費取り崩しなどで対応するわけですが、これらが一目瞭然にわかる資料です。
予算は大くくりにいくつか枠があります。大きく総務費、民生費というような分け方がありますが、これを「款」といいます。
次に総務費の「中で」総務管理費や徴税費など、いくつか大きな幹に分かれます。これを「項」と呼びます。
さらに項の「中で」、例えば総務管理費の中で広報広聴費や情報推進費といったようなかなり細かな分類が始まります。これを「目」と呼びます。
このような大きな幹から小さな幹への流れであることを理解する必要があります。
次に、流用の概念です。あちらが足りないからこちらで出すという話ですが、目レベル間での流用は認められます。
わかりやすい事例を挙げておきます。108Pの企画費は329万流用でマイナスとなっています。これは企画費が余ったから他に回しましたということになります。
そこで、110Pの三鷹中央防災公園・元気創造プラザ費を見ると、329万流用で回してもらったというのがわかります。
このようにみると、結構大きなレベルで流用が認められているのがよくわかると思います。

さて、当初予算と年度途中の補正予算を合わせたものから、実際にいくら支出したのかが「支出済額」です。これが予算より下なら特段問題ありません。要はあまりが出ましたというだけです(事故繰越を除く)。
逆に予算より上なら、では足りない分どこから回したの?となります。先の例で言いますと、三鷹中央防災公園・元気創造プラザ費の工事請負費で329万よそから使わせてもらったとなります(111P)。

もちろん流用だけでは限界があります。そこで予備費取り崩しとなっていくのです。

これらの流れを追っていき、疑問点をまとめておきます。まとまったら218P以下をご覧ください。きちんと流用一覧や予備費取り崩し内容がまとまっているわけです。先の例でいうと、218Pの元気創造プラザ関連を見ると、企画費から回ったのだなとわかるわけです。

これらを見ていくわけですが、一通り見た結果問題ないことがわかりました。そら、そうですね。監査を通過しているわけですから。とはいえ、こういう作業は大切なことなのです。なぜならこの歳入歳出決算書が議案そのものだからです。

次のステップは、決算概要です。
決算概要1
決算概要2
これは、こういう事業があったんですねーというレベルのものです。簡潔によくまとまっているので、どれかひとつというなら、この決算概要だけでよいと思います。

さて、議案には審査参考資料が付きますが、それが予算執行実績報告書というものです。
これは細かな事項ごとに執行の内容が載っているものです。

決算は議案上程の前に、監査委員によるチェックが入ります。決算監査と呼ばれているものです。監査委員はこれら作業の後、意見書をまとめます。
決算等審査意見書
健全化判断比率等に関する審査意見書
目を通しましたが、特段の問題はないことがわかります。

なお、財産に関する調書というのもあります。
この調書は数年まとめて比べるとなかなかおもしろいです。前年のこの時期に書きましたが、清原市政は2003年度からですが、その直前の2002年時点と比べ、ハコの面積がどれだけ増えたかに興味があったからです。
実は43000平米以上増えています。その分比例して維持管理費が膨らんでいることになります。
過去最高の税収など特殊要因に支えられて何とか切り抜けてきましたが、今後はもう無理でしょう。長い目で考えて、ハコの面積を何割削減するかは考えておかなければならないことだろうと思います。

決算の議案は決算審査特別委員会というところで具体的な審議をします。この委員会のための参考資料がこちらです。
令和元年度決算審査参考資料

決算審査の基本を書いておきます。
予算審査は政策判断を伴いますので、政治的に市長を応援とか反対とかがモロに出ますが、決算は「可決された」予算がどう執行されたか?という次元の問題です。
決算は、「可決された予算が適正に執行なされたと認定するか否か」が問われるわけですから、政治的姿勢云々は全く関係ありません。予算以上に決算が多いならなぜそうなったのか、予算があまり使われていないならなぜそうなったのかを考える場面なのです。
予算より多い場合は補正予算で追加されるケースがあります。また一定のルールで流用が認められています。ですので、大きな枠でどうなったのかを見る必要があります。

要は、「適正に執行なされたか否か」を判断するわけです。各特別会計も特に問題はないようですね。

以上より、各決算議案は賛成の方向で臨む予定です。

次は行政報告資料のエントリーになります。特別委員会がすべて終了したらまとめてアップする予定です。