三鷹市議会 令和2年第1回臨時会 補正予算案に対する反対討論 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第1回臨時会 補正予算案に対する反対討論

7/31は臨時会でした。補正予算案1件の審議でした。コロナ禍での補正予算案です。ここに至るまでの流れを書いておきます。

三鷹市は緊急対応方針と題し、数々の対策を打ってきました。
7月に入りその第3弾が確定し、その中で9月の定例会まで待てない緊急性あるものにつき臨時会と、こういうわけです。

新型コロナウイルス感染症 三鷹市緊急対応方針(第3弾)を策定
補正予算概要
補正予算説明書

補正予算概要がわかりやすいので、そちらをご覧ください。
数々の項目があります。その中のひとつに「プレミアム付商品券事業」があります。概要の16-17Pです。

簡単に書くと、1万の商品券につき1万5千使えるというわけです。プレミアムの率は5割になります。これを除くと他の事業は理解できるのですが、この商品券事業だけは行き過ぎであると考えました。

そこで都内の事例を調べてみましたが、市部では調布市が3割でこれが高い水準の例ということがわかりました。また23区に視線を転じますと、目黒区のみ5割という状況です。

仮に調布市と同レベルにするなら2億浮くことになります。ここで、同じ概要の1P繰入金をご覧ください。1億8000万余の財政調整基金取り崩しとなっていることがわかります。

コロナ禍で商業活性化を図りたい市長の意向は理解できるのですが、それにしてもこのプレミアムの率は行き過ぎであると判断し、反対しました。以下、討論を紹介します。

<反対討論>
前定例会の補正予算案審議の場面において、子供バラマキで2億8000万の損失が発生する一方で、財政調整基金に2億2000万の積み立てをしたことである程度損失をカバーできたことを評価しましたが、その積立の大半を今回使う補正予算案になっています。
問題はプレミアム付商品券事業です。5割のプレミアムとなっています。この5割という数字は明らかに行き過ぎです。東京の市部では例がありません。23区を見ても目黒区のみとなっている状況です。
新たな施策を求める質問で23区を引き合いに出す質問は過去何度かありました。その度に市長は「23区とは財源構造が違う」と力説されていました。ところが今回の商品券事業につき23区のトップクラスのプレミアムを付けることになっているわけです。これは過去の答弁を自身で否定していることになり、答弁の信用性の棄損につながる重大な問題です。
また、前定例会で市長は「バラマキ合戦はしない」と答弁されていましたが、プレミアム商品券事業は要は個人に対する現金バラマキと全く同じなのです。これも過去の答弁を自身で否定していることになり、同じく答弁の信用性の棄損につながる重大な問題です。
この5割プレミアムが大きく影響し、財政調整基金取り崩し1億8000万につながっている点も見逃すことはできません。ちなみに近隣では調布市の3割が最高のようですが、仮に同じように3割に抑えていれば、5億を3億に抑えられたわけですから、差額の2億につき財政調整基金を温存することができたわけです。
今は災害時だからという発想は、それはそれで理解できますが、ならば消費者サイドに立ち、商工会に加入している店舗に限定する必要はないわけです。災害時だがこの店にしてねというのは、それは災害時対応とは言えません。
前定例会でも述べましたが、しつこくしつこく何度も申し上げます。大事なのは次年度当初予算編成を確実にすること、ただこの1点なのです。もちろん目の前の生活保障も大事ですが、だとしても今回の5割プレミアムは明らかに行き過ぎです。これを3割にとどめ、財政調整基金をできるだけ温存することこそが、今一番大事なことなのです。いざ予算編成という時期になり、税収減の数字がはっきりし、これではとてもではないが予算編成ができないとなったら、誰が責任を取るのでしょうか。
これは我々議会側ではありません。なぜなら我々は予算編成の権利はないからです。我々に認められているのは、予算の承認ないし不承認というだけなのです。秋になって予算編成が本格化し始めた時期に、やっぱり3割にしとけばよかったと、その時に反省してももう遅いのです。
前定例会で子供バラマキがあり、今回は子供に限定することなく実質上の現金バラマキをする、しかもせっかく積み上げた財政調整基金の大半を取り崩す、こういう事態は賛成することは到底できません。
危機発生時には様々な方面から歳出圧力が強まります。そういう時だからこそ、「できることとできないことがある」ときちんと表明し、念頭に次年度当初予算編成を確実にすることを考えている、為政者はこうでなければなりません。次年度当初予算編成がおぼつかないなら、医療も介護も教育も何もかも崩壊してしまうからです。
前定例会で答弁なされた内容を覆すような補正予算案であることに失望しています。今一度補正予算案を今後組む前に自身がどういう答弁をしてきたのか、きちんと精査をしていただきたいと思います。
行き過ぎ現象にはきちんとストップをかける、これこそが市議会の最大の責務であり、そのことに思いをはせると今回の補正予算案に賛成することはできません。以上より、反対とします。

以上になります。
実際は読み上げの時、ついついしゃべりすぎてしまいました(汗)。一応動画を紹介しておきますね。冒頭から約10分間です。

令和2年第1回臨時会  7月31日 議案審議