三鷹市議会 令和2年第2回定例会 本会議5日目 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和2年第2回定例会 本会議5日目

今日は定例会最終日でした。流れを書きます。

まず机上配布資料が数点。繰越明許費に関するものと、債権放棄実績報告、指定議決による市長の専決処分の報告についてです(これらは割愛)。

13時から議案の採決でした。各委員会の審査報告書はこちらをどうぞ。

議案第21号の2号補正につき、以下のように討論をしました。
<議案第21号 賛成討論>
コロナ禍対策につき、他市の専決処分状況を調べてみました。
商業振興や感染症対策など実に様々で、一概には価値観を示すのは難しいのですが、近隣の武蔵野市、小金井市、調布市、府中市はきちんと臨時会を開いており、三鷹市のように専決処分をしている事例はありません。
特に府中市に注目しました。いわゆるばら撒きにつき府中市はいち早く意思表明をしていたわけですが、実はきちんと臨時会を開いており、しかも臨時会の日程が5/14です。
意思決定の速さがきちんとした臨時会日程確保につながっているわけです。一方、三鷹市の場合ばら撒き意思決定がゴールデンウイーク明けと遅かったわけです。
個人的には、できるだけ基金を崩さないという悩みがあり、それが意思決定の遅さにつながったと理解していますので、この点は了解したいと思います。ただし、専決処分で行くと意思決定する前に、せめて先発組だった府中市が臨時会で行くのか、専決処分で行くのか、ここはもう少し他市の状況を調べておくべきだったのではないか、この点は指摘をしておきます。

さて、今後国の二次補正を受けて、三鷹市として緊急対応方針第3弾作成の流れになっていくと考えますが、それらの各事業につき専決処分とするのかどうかについては、一定の基準を示しておきたいと思います。

まず、9月補正で間に合うものについては9月補正で対応すべきでしょう。仮に臨時会となるとしても、そもそも現時点で緊急対応方針第3弾ができていませんからその作成の日程を考えると7月末あたりになるんでしょうが、これは8月に執行しなければならないほどの緊急性があるかどうかを基準とすべきです。

さらに臨時会を開くか専決処分にするのかについては、義務的経費と言えるものなのか、裁量的経費と言えるものなのかの区別を考慮していただきたいと思います。

今回のこの補正で子どもばら撒きは、明らかに裁量的経費と言えます。この側面からも臨時会開催が筋だったかもしれません。

一方、義務的経費は専決処分の余地は否定できませんが、そこで考えなければならないのが地方自治法で規定されている、いわゆる緊急性の要件です。議会を開く暇がないといえるほどの緊急性があるかどうかはここで問われてくるのです。

こう考えると、実は専決処分の余地はほとんどないことになります。今回の子どもばら撒きについては、いわば走りながらの意思決定でありこれはこれで理解を示したいと思いますが、裁量的な部分を専決処分にしてしまった、しかも先行する府中市はきちんと臨時会を開いているということを重く受け止めるべきだと思います。

今後、専決処分をどうしてもしたくなった場合は、今述べたような裁量的経費と言える分野か否か、定例会で済ませられるものか否か、どうしても8月中に執行しなければならないものと言い切れるかどうか、このあたりはきちんと理論武装をしていただきたいと思います。

以上問題提起して、本議案に賛成します。

以上が討論の内容です。
要は、行き過ぎていないか否かを事前に確認しましょうという指摘です。

その後追加議案上程。中仙川雨水貯留施設整備工事請負契約の締結についての金額変更の件(既に補正予算可決済)、農業委員会委員の任命、固定資産評価審査委員会委員の選任についてです。
議案概要はこちらをどうぞ。
議案本体はこちらを。

さらに、補正5号です。ひとり親に対する特別給付です。国の二次補正を受けてのものです。
議案概要はこちら
予算書はこちらを。

それぞれ特段の問題なしと判断し賛成しました。補正5号については速やかな給付が求められますが、やはり一定の期間はかかってしまうようです。8月上旬の給付を目指しているとのことでした。

そして、意見書案・決議案です。
最初の意見書案は事前に全会派一致方針が伝えられ、内容的にも地方自治法99条に合致するものであることから賛成しましたが、2つ目からはいつものように、次のように述べて、全ての意見書案につき退席で応じました。

<退席討論>
平成29年第3回定例会における意見書(案)第12号で述べたことと同様のことを指摘して、全ての意見書(案)につき、退席します。

注)
この12号で述べたこととはこちらになります。

地方自治法99条から内容の判断以前に形式面で話にならないものが今定例会でも多数出てきています。議会運営委員会で最低限形式面につききちんと議論すべきであるとの抗議の意味から、内容に賛成できるもの反対であるもの関わりなく全ての意見書案につき退席で応じることにします。

なお、決議案については以下のように討論しておきました。
<決議案2号 反対討論>
いわゆる公立病院独法化の議論は、「都の財政負担削減」とか「セーフティーネット」とかそういう話になっていきがちですが、そもそも論を含めおさらいをしておきたいと思います。
そもそも独法化は、独立経営が出来そうな収入がある組織が経理を明確にして「合理的」な経営を進めることが主眼です。

今回のコロナ禍においても、受け入れ態勢を整えるという事でベッドを空床にしていたこともあり、通常なら入る収入が入らず1病院で数億円の「赤字」になってしまう事案があったようです。
本決議案は公立病院の大切さがはっきりしたとありますが、実は医療崩壊の前に病院崩壊が起きそうな事態が今なのです。
低所得者対策や診療所のような機能しか担えないとしたら、魅力のある病院は作れません。
ここに経営の自由を一定程度設けたらどうなるでしょうか。
例えば病室を差別化しホテルのような病室を作って高所得者から高い差額ベッド代を徴収する、また制限のかからない周産期医療では病院食を改善してレストランのような内容で差額徴収しようとするとか工夫はいくらでもできます。
このように経営の自由を認めつつも、一方で、例えば低所得者対策や診療所のような機能を果たすと応分な負担を一般会計がするという「ルール化」が設定されるとどうなるでしょうか。本決議案が求めているような内容は果たされるでしょう。
大事なことは、医療収入で賄うべき部分と補填を受けるべき部分の「区別と関連」をつけることにあるのです。
補填する、もっとも経営の自由を認める、これが現実的な解答策だと思います。

以上より、本決議案に反対します。

以上になります。
今回の意見書案・決議案については、部長職は退席できることになりました。一歩前進です。発言の機会がないのに座らされるのはおかしいと思います。以前、議長に要望書を出しましたが、一部実現となりました。

なお、名前は伏せますが、特定の議員が意見書案・決議案につき、誰々が賛成とか反対とかをよく宣伝しているようですね。
気持ちはわかりますし、お好きにどうぞですが、交渉会派は会派名を出すのに、諸派の一部は会派名ではなく名前を出されるのは、かなり不快ですね。諸派といえども、きちんとした会派名があるのです。

そもそも地方自治法99条の要件に抵触する状態で意見書案が審議されること自体おかしな話なのです。しかも会派名省略で、名前のみというやり方です。諸派と言えども会派名に誇りを持っているわけです。普段私はにこにこしていますが、我慢の限度を超えると、それなりの対応をするしかないでしょうね。

市側の発言場面はないので、動画紹介は割愛します。
賛否一覧は後日市議会HPに載りますので、そちらをどうぞ。

なお外郭団体や土地開発公社の、前年度の決算や今年度の予算が配布されました。これらは各団体のリンクを貼っておきます。まだ更新されていないところもあるようですが、じきにアップされるでしょう。

まちづくり三鷹については、決算だけアップされていて、なぜか予算がアップされていない状態で数年経ちます。これは担当部長に問題提起をしておきました。これは後に改善の見込みです。
さらに、土地開発公社は情報公開されていない状態のままです。
そもそも地方三公社が情報公開されていなくて、外郭団体はきちんと情報公開されていること自体、連結決算の意義を考えたらおかしな話なのです。本会議終了後、担当課長とやり取りし、問題提起しておきました。

<土地開発公社>
2年度予算
元年度決算

国際交流協会
スポーツと文化財団
社会福祉事業団
まちづくり三鷹
勤労者福祉サービスセンター

最後に、オンブズマン活動状況報告書です。
これも情報公開されていないので担当課長とやり取りしましたが、結論から先に書くと個人が特定されてしまいかねないかなりナイーブな案件があったとのことで、実情は理解しました。今後は削除することにします。

なお、現時点で判明している、次の各委員会の日程です。
総務 8/3 9時半~
まちづくり環境 8/5 9時半~
文教 8/6 9時半~
厚生 8/7 9時半~

以上になります。
もっとも、これら委員会の前に、国の二次補正を受けて臨時会が開かれるかもしれません。これらは判明したらまたブログ更新します。

今定例会もお付き合いいただき、ありがとうございました。