三鷹市議会 令和元年第3回定例会 平成30年度決算について | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 令和元年第3回定例会 平成30年度決算について

まず、議案上程です。市長が平成30年度決算 提案説明を読み上げます。
これを受けて、各交渉会派からの代表質疑があり、その後決算審査特別委員会を設置されます。この委員会は明日から始まります。

そもそもどんな予算だったのか?予算時点での私のまとめはこちらになります。
三鷹市議会議員半田伸明による三鷹市30年度予算の解説

資料はいくつかあります。まず入り口は決算概要です。
決算概要1
決算概要2
特に1の入り口が大切です。8億4000万円台の余りが発生したことがわかります。
さらに、予定していた基金取り崩しが一部しなくて済んでいます。その分貯金は維持されているというわけです。
さらに、基金自体が過去最高額にまで積みあがりました。

次に監査委員の意見書です。
決算等審査意見書
監査委員がまとめたものです。
特に問題提起する部分はないようですね。比率ですが、将来負担比率が一番大切です。基金上積みが功を奏し、かなり下がっていることがよくわかります。

この後各論に入ります。
平成30年度予算執行実績報告書
いわゆる決算書そのものです。

平成30年度財産に関する調書

個人的には今回の決算はここを一番注目していました。清原市政は2003年度からですが、その直前の2002年時点と比べ、ハコの面積がどれだけ増えたかに興味があったからです。
実は43000平米以上増えています。その分比例して維持管理費が膨らむことになりますね。

平成30年度事務報告書
平成30年度決算審査参考資料

決算審査参考資料からは、214Pの市債償還計画表を紹介しましょう。
文字通り今後の借金返済の予定をまとめているものです。
令和3年度をご覧ください。井口特設グラウンドを売ることを想定した数字になっています。

もともと、防災公園・元気創造プラザ事業の際に発生した多額の債務に、井口グラウンドを53億で売り、いわば借金の一部内入れをする予定でした。
この時点の副市長が河村さんでした。私は今回の一般質問で(後日別エントリーします)、「やりたいことをやる前に、まずはやるべきことをやれ」という観点の質問をしました。駅前再開発だの北野の里だの、大きな夢を描くのはいかにも公務員出身らしい市長だと思いますが、まずはその前に約束を果たすのは当然のことですね。そりゃそうでしょう、返すといった借金を返さずに新たな事業に突入するのを市議会が無条件に認めたら、何のために市議会が存在するのか意味がなくなりますもんね。

今回の計画表にはきちんと載ってきたので、これは歓迎要因です。もっとも、今年度末に第4次基本計画の改定が予定されています。財政フレームといいまして、要は長期にわたる借金の推移みたいなものなのですが、ここにもきちんと井口グラウンド売却を見込んだ数字を反映するべきでしょう。これを反映しないのなら、では決算審査参考資料の市債償還計画表の数字は何だったのか?となりますからね。
まあ井口グラウンドは売却しても予定の53億になるかはわからない部分がありますので、その意味で売却しなくてもよいのかなとは思い始めていますが、だからと言って借金をそのままにしてよいというわけではありません。この53億借金圧縮にメドをつけないまま大型開発となると、私は態度を硬化させ、徹底抗戦の立場になるでしょう。

さて、決算審査とは何か?過去この時期に何年も書いてきていますので、よろしければ過去の9月のエントリーをどうぞ。
要は、「適正に執行なされたか否か」を判断するわけです。

過去最高の余りが発生し、過去最高の基金を積み上げた今回の決算です。いわば、清原市政有終の美なわけです。リーマンショックがあったにもかかわらず、よくここまで持ち直したもんだと思いますが、これもひとえに市税収入増のおかげです。

個人的にはこの市税収入増は次年度までだろうとみています。令和3年度からは怒涛の苦しみに襲われるだろうと推測しています。

各特別会計も特に問題はないようですね。それぞれ単体として収支がよく、その分一般会計からの繰出金も抑制できたというのが本質です。

予算執行実績報告書と当初の予算書及び数回の補正予算を見比べましたが、なかなかよくできた決算です。いくつか政策課題の論点が見られますが、だからといってこれは今後のあり方の問題であり、決算議案の賛否には影響しません。

以上のようにすべての決算議案に賛成の方向で臨む予定です。