三鷹市議会 平成30年第4回定例会 本会議5日目 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成30年第4回定例会 本会議5日目

まず、今日の紹介に入る前に、前回の議会運営委員会で示された審査参考資料の紹介です。

委員会ネット中継に関する資料です。こんなにかかるとは正直驚きました。

さて、今日の紹介です。今日は定例会最終日でした。流れを書きます。

9時半開会、まず請願者申し出による一部修正が認められ、その後休憩。各常任委員会開催、審査報告書案の確認がありました。

13時から議案の採決。各常任委員会の審査報告書が読み上げられた後に採決。審査報告書はこちらをどうぞ。

各議案についての私の考え方は、以前のブログ(議案上程、議案審査部分)をご参照ください。市長提出議案第58号(1社入札の案件)と第65号(市民住宅指定管理者再指定)につき、以下のように賛成討論を述べました。

<58号 賛成討論>
総合評価方式の簡易型で臨み、結果として1社入札落札率100%という事態が発生してしまった案件です。
総務委員会の質疑の中で、都内単体でJVを結成しない方式だと123社を想定していたが、このうち市内実績があるのが4社のみということが判明しました。審査参考資料の4ページに施工能力評価項目及び基準があり、これを見ると市内実績で最高得点10点とあり、この時点で業者側が札を入れるのを躊躇するのは容易に想像できます。
しかも、総合評価方式の簡易型というのは、その実際は技術力や信頼性・社会性を点数で評価するものであり、しかも地域貢献や環境配慮、社会貢献などの信頼性・社会性の部分は、1つの項目につき多くても2点加算されているだけです。
つまり、総合評価方式とは名ばかりで、簡易型の名の下に制限付一般競争入札がより制限的になるという結果を生んでしまっているわけです。
もっとも、国土交通省のホームページで調べたところ、この簡易型は指名競争入札を前提としたものとなっているようですので、この結果はその側面では「より指名競争っぽい」という次元ではなるほどという結果かもしれません。
総合評価方式とは市の政策を反映させることに意味があると考えますが、その反映が僅かな点数にとどまり、結局は市内実績を有するところをより優遇するという結果になってしまっているわけですから、結果として競争性が減退したことは否めません。
もっとも入札実務として6月に学校案件が議案として上がりこれらは制限付一般競争入札です。なぜなら総合評価方式は多大な事務を発生させるために実質的には6月議会に間に合わないからです。その意味では今回時間的余裕があることから、総合評価方式になったという点は理解できるところです。
一方、先に述べた実質的なより制限的な制限付一般競争入札の実態になってしまっている現実があります。先に4社と述べましたが、国土交通省の建設総合統計を見ますと冬の時期が出来高が一番多く、ここから先は推測になりますが、4社のうち3社は手持ち案件で手いっぱいだった可能性もあります。
だったら先に延ばせばいいじゃないかと考えたくなりますが、立体駐車場の工事が延びてしまい、今回の案件は同一敷地内の案件であることを考えると、この案件も伸びざるを得ないのが実態だったのではないかと推察するところです。
さらに和洋弓場は現在は第二体育館の暫定利用となっており、入札実務が遅れているのをさらに遅らせることは早期オープンを考えると、それは厳しい話です。
また、落札率100%についてですが、現状は国や都から様々な基準が公表されており、それを業者も知っている以上、落札率の差は人件費のさじ加減で出てくるのが現状ですが、これがたまたま一致したという見方はありうると思います。
以上のように、
1)総合評価方式でかつ都内要件にしてはいるものの、簡易型の加点方式により市内実績が優遇される以上、現実としてはより制限的な制限付一般競争入札になってしまっていること。
2)市内実績業者のうち、冬の出来高が多い時期にたまたま重なり、応じられる業者数がそもそも少なかった可能性があること。
3)しかも、立体駐車場の工事延期に伴い、かつ早期オープンを考えるとこの時期に入札するしかなかったということ。
4)落札率の差は人件費のさじ加減であり、極めてオーソドックスな算出をたまたま市も業者も一緒にした可能性が否定できないこと。

などを総合勘案し、事案の特殊性がさらに別の特殊性を呼び、結果として偶然の産物として1社100%になったとの結論に至りました。以上より、1社100%の現実に強烈な違和感がありますが、個別事情を勘案し総合的に考慮して、今回は賛成することにします。
ただし、総合評価方式の簡易型が、実質的なより制限的な制限付一般競争入札に近い実態となっていることを問題視して、改めて総合評価方式のあり方の見直し、そして類似事案につき今後はごく普通の競争入札に切り替えるべきだろうと指摘しておきたいと思います。
議会側も総合評価方式の導入に積極論が出ていた時期があり、市側もそれに応じ今回の事案となったわけですが、行政も我々市議会も総合評価方式の簡易型の問題点に気づく機会となったわけです。さらなる研究をして頂きたい旨申し上げまして、賛成の討論とします。

<65号 賛成討論>
借り上げ型の方は空きが多かったなどの事情もあり廃止となる一方で、建設型の本件については現状満室であり廃止する理由はすぐにはなく、その意味で引き続き公の施設として維持することには一定の理解を示したいと思います。現状は指定管理料の4倍にもなる使用料を頂いており、これはこれで意味がある話だと思います。
しかし、そもそも住宅政策の根幹を考えてみると、住宅困窮者に住まいを提供するという意味を重視するなら借り上げ型はむしろ維持した方が良いのではないか?との議論は成り立ちます。このように政策の意図と収益性がいわば相反した状態が今の住宅政策の顛末ではないかと考えます。
質疑の過程で、住宅セーフティネット法の話もありました。ただし、当初意図した政策理由付けが時間の経過とともに変わることはよくある話です。住宅に困窮という場合、わが市の福祉の窓口は一生懸命やってくださっていらっしゃいますし、もはや施設の存在意義が薄れかけているのかという気がしてなりません。
現状満室であることを考えると今回はなるほどと理解しますが、将来的には公共施設の述べ床総面積を減らすことが維持管理費削減に繋がる実態をあわせ考慮し、民間に売却し本事業は廃止の方向で考えるべきではないかと問題提起しておきます。
その上で再指定の合理性についてですが、このビル全体としてまちづくり三鷹にというのがあり、一体性がもたらす合理性は理解できますし、特に本議案の場合管理組合の決定という特殊要因もあります。以上より今回の再指定には賛成としますが、住宅政策のあり方は根本的な見直しを開始すべきである旨指摘しておきます。

以上になります。

各委員会に付託された請願についてですが、太陽光発電のものは賛成しましたが、消費税増税反対のものと種子法関連のものは反対しました。両者ともに内容は賛成なのですが、意見書として提出するには地方自治法99条の関連があるので、残念ながら賛成はできなかったのです。
また、陳情の全件審議についても反対としました。
以下、反対討論を紹介します。

<30請願第8号 反対討論>
地方自治法99条は意見書の提出につき「当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき」と要件を定めています。
本請願は軽減税率のことなど国政全般に関することがあり、意見書として取り扱うことは地方自治法99条の範疇を超えてしまいます。
私自身は増税反対派ですので内容には賛同しておりますが、地方自治法の規定に反する意見書を三鷹市議会として取り扱うことには一貫して反対の姿勢を表明してきております。決議案であれば賛成だったのですが、残念ながら本請願には中身に賛同できても形式面で看過できない部分があり、反対とします。

<30請願第7号 反対討論>
7号と10号はほぼ同一の内容であり、ここで一括して討論します。
先に30請願第8号の討論で述べたように、地方自治法99条の関係が問題になります。両請願ともに「新たな法整備を求める」ことを主眼としており、地方自治法99条の範疇を超えてしまっています。内容には賛成であり決議案だと良かったのですが、意見書とある以上は残念ながら反対せざるを得ません。以上より反対します。

<30請願第4号 陳情の全件審議 反対討論>
そもそも陳情とは「申し述べる」ことであり、申し述べた後についての法的効果まで求めているものではありません。また、陳情を「事実行為である」とする判例もあります。
議会運営委員会は、陳情につき必ず議場配付で良いかを諮ります。陳情だと自動的に議場配付というわけではないのです。この誤解が発生してしまっていることが残念でなりません。
さらに、例年のように出される陳情のようなものもあります。我が議会事務局は受理の際、請願と陳情の差をきちんと説明しご納得いただいた上での現状の処理なのです。請願であろうが陳情であろうが一律に採決されます、となると、ちょっと待ってくれと陳情を出すのを控える動きが続発するでしょう。なぜなら、賛否を表明されてしまった場合、三鷹市側としては市議会が否決したものをきちんと考慮することは考えにくいからです。
こう考えると、陳情者側の「選択の自由」を拘束してしまうことにもなります。以上より、制度面の問題と内容面の問題、双方ともこの請願に賛成できないとの結論に至りましたので、反対とします。

その後追加議案上程。損害賠償2件と人事案件4件です。
追加議案
人事案件は特に問題なしとして全て賛成しました。
一方、損害賠償の方は気になるものがありました。
内容をご覧いただければと思いますが、要するに台風24号関連なのです。別途、「指定議決による市長の専決処分の報告」がありましたが(内容割愛)、これも台風24号関連です。
つまり、台風24号による想定外の被害が発生し、その損害賠償ということになるわけです。
保険適用なので実際には持ち出しはないようですが、指定議決の方の金額の上限をもう少し上げても良いのでは?という疑問を感じました。

市長提出議案に対する私の態度のまとめになりますが、今回は市長や市議会議員のボーナスアップ案件の2議案で反対、それら以外は賛成という結論になりました。

次に議員提出議案です。今回共産から国保に関するものが出ましたが、議会運営委員会で厚生委員会付託とされたようで、今後の議論となります。

そして、意見書案・決議案です。
前定例会は全会派一致案件がありましたが今回はなく、前回と異なりいつもの対応に戻りました。最初の26号で次のように述べて退席しました。

<意見書案26号 退席討論>
29年第3回定例会における意見書(案)第12号で述べたことと同様のことを指摘して、全ての意見書(案)につき、退席します。
特に本案につき、事前に調整し全会派一致で副議長提案とならなかったことを、大変残念に思う旨、申し添えます。

以上になります。
退席扱いの原点は、29年第3回定例会です。この時に次のように述べました。

地方自治法99条から内容の判断以前に形式面で話にならないものが今定例会でも多数出てきています。議会運営委員会で最低限形式面につききちんと議論すべきであるとの抗議の意味から、内容に賛成できるもの反対であるもの関わりなく全ての意見書案につき退席で応じることにします。

26号については今まさに大切な節目を迎えているものでもあり、全会派一致ならば賛成の余地があったのですが、通常の意見書案と同じく賛否をとることになったので、幼児教育・保育の無償化につき一般質問した立場もあり、特に遺憾の意を強調した次第です。とにかく残念でなりません。

決議案1件については賛成しました。

お気づきかもしれませんが、消費税増税につき異なる態度を示したことになります。請願反対、(請願を受けての)意見書退席、決議賛成という結論です。
一見不思議に思うかもしれませんが、私はもともと増税反対派です。また先に書いたように地方自治法99条の問題があります。ですので、このような結論に至ったわけです。

以上になります。市側の発言場面はないので、動画紹介は割愛します。賛否一覧は後日市議会HPに載りますので、そちらをどうぞ。

なお、現時点で判明している、次の各委員会の日程です。
厚生 2/1 13:30~
まちづくり環境 2/6 9:30~
文教 2/7 9:30~
総務 2/12 13:30~
議運 2/19 9:30~

今定例会もお付き合いいただき、ありがとうございました。