三鷹市議会 平成30年第4回定例会 議案上程 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成30年第4回定例会 議案上程

上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。
議案概要等は前回のエントリーをご参照ください。

まずは一般議案です。
1)自転車の安全利用につき新たに条例制定。
2)東京都人事委員会勧告に準じた給与や手当の増。ただし、課長補佐職の扶養手当は減額。
3)2)にあわせ市長など特別職及び議員の期末手当の支給増。
4)都市計画税の税率引下げ特例を続行。
5)生涯学習センター及び総合スポーツセンターの新たな料金区分の設定等。1時間料金の新設等。
6)市役所敷地内の駐輪場・和洋弓場整備工事請負契約の締結。8億4780万。
7)公共施設の指定管理者の再指定等
※7)は細かく分かれます。
a)芸術文化施設関連(山本有三記念館、美術ギャラリー、芸術文化センター、公会堂、井心亭)→三鷹市スポーツと文化財団
b)国際交流センター・女性交流室→三鷹国際交流協会
c)福祉施設関連。
・高齢者関係→高齢者センターけやき苑→社会福祉法人 東京弘済園。牟礼老人保健施設→三鷹市社会福祉事業団
・母子生活支援関係→三鷹市社会福祉事業団
・学童の一部→社会福祉協議会
d)都市整備関連。下連雀市民住宅、南口駐輪場、南口サイクルシェア駐輪場→まちづくり三鷹
8)牟礼6丁目で新たに市道路線認定。

次に補正予算案です。
9)都からの市町村総合交付金の政策連携枠が導入され電気自動車購入分として387万、これにクリーンエネルギーの補助金30万を合わせ、電気自動車を2台購入。市の負担はなし。
10)同じく市町村総合交付金。消防団活動充実として592万、これに都の消防団用防火衣整備費補助金60万をあわせ、消防団用の防火衣購入。市の負担はなし。
11)介護保険事業特別会計に繰り出ししていた1191万の戻り、前年度決算確定による余り(前年度繰越金)のうち3億166万を活用し、
a)生活保護費負担金等の前年度超過交付額の返還(2億2553万)
b)借金の繰上償還(8649万)
c)新たに整備予定の下連雀5丁目学童の設計委託(205万。480万のうち約半分を前払いで今年度、残りは次年度に繰り越し)
d)市庁舎の計画延期に伴い基本計画策定関連を0にする一方、基本構想段階の充実のために増額(500万の減と451万の増。451万は次年度に繰り越しなど、あわせて債務負担行為補正)
12)国保。前年度決算確定による余りのうち2億5092万を、前年度超過交付額返還に充てる。
13)介護保険。精算関連。支払基金交付金の精算で純増142万及び前年度決算確定に伴う余り1億4244万を、国保と同じく前年度超過分の返還(1億775万)、一般会計からの立替分の戻し(1191万)、基金積立(2419万)に充てる。

以上になります。今回は量が多いですね。順に見ていきましょう。

1)は要するにサイクルシェア事業を新たに始めるのに既存の複数の条例を一緒にして、新たに条例制定するというもので、特に問題はありません。あわせて7)のd)の駐輪場関連は、まちづくり三鷹に一斉管理させるものであり、前回その合理性を理解したので、これも良しと考えます。

2)3)ですが、2)については一般職職員の給与関連の上げ下げを従来から都人勧にあわせて来た歴史があり、ましてや給与表が都のものに準じている今では、むしろ連動させて当たり前です。もっとも、課長補佐職の扶養手当改定は三鷹独自のもののようですので、これは経緯を質問する必要があるでしょう。
一方3)は、一般職職員と市長や議員の特別職職員とはあくまで別というのが私の考えです。私たちは政治的な産物であり、自分たちのボーナスのアップを自分たちで決めてしまうのはおかしいと思います。今までどおり反対ですね。

4)は例年通りの対応というわけで問題ありません。

5)は住民要望が多かった1時間枠の新設などです。これも問題ありません。8)も問題ありません。

さて7)です。
昔と異なり、公共施設は公が管理しなければならないという時代ではありません。民間でも施設の管理ができます。
どの民間にさせようか?と選ぶのが、指定管理者の指定ということになります。
ほとんどが再指定です。つまり以前から管理していたところに引き続きお願いしましょうというわけです。

問題なのは相手方の属性です。見てのとおり外郭団体がほとんどですね。そうじゃないのはけやき苑くらいです。
実は、この外郭団体の代表が副市長のケースが多いのです。市の予算を編成する立場にある人間が、相手方の偉いさんにいるというわけです。

この状態は、「代打、俺」なわけです。このような双方代理状態を見過ごしてよいわけがなく、同様の問題が発生した5年前はほとんどの議案に反対した記憶があります。
今回も同じ理屈で反対というのは楽でよいのですが、双方代理状態で可決され、それから予算や決算などあったが、なにか大きな問題が起きたか?(数字面で)、これがもっとも重要なポイントなのです。

改めて決算(予算執行実績報告書)などを確認しましたが、双方代理状態で大きな弊害が発生している事案は実はないのです。これは双方代理状態といえども、きちんと立場をわきまえた状態を維持していたということになります。
となると、双方代理状態の指摘「だけで」続けて反対というのがむしろ厳しくなってくるわけです。

正直迷っています。これは付託先の委員会審査資料を確認するなどして、自分なりに判断しなければなりませんね。
特に個人的に疑問を感じているのが芸術文化関連です。私は芸術文化関連は施設の規模を縮小すべきという考えを持っています。いずれ景気悪化局面がきたら芸術どころではないという事態が容易に想定され、今のうちから整理を考えるべきだろうという考えを持っているのです。
とはいえ、公共施設の述べ床「総」面積で考えなければならないことであることを以降勉強してきましたし、一律廃止を主張というのも違うのかなぁ?と考えています。
もうひとつは市民住宅です。
これは要するに高級アパートです。そもそも指定管理者云々以前に、その施設自体「公が所有しなければならないのか?」という根本問題があるからです。
これも委員会資料を見ないとなんともいえませんが、数ある再指定の議案の中で、一番疑問を持ち否定的に見ている案件であることは言えるでしょう。

指定管理者関連はとにかく論点が多いのです。
1)その施設を公が所有する必要性があるか?
2)その施設を民に管理させる場合と、引き続き公が管理する場合との違いは何か?
3)民が管理するとした場合、どのようなプロセスで選定するのか?(公募か非公募かはこの次元で初めて問題となる)
4)(特に今回ですが)再指定の場合、指定期間の最中に事故があったかなかったか(優秀な管理でしたというのを重視して、この時点で非公募というのは論理的に可能)
5)業者が変更になる場合、それは適正な過程で選択されたのか?
などなど。

今回は再指定がほとんどですので、指定期間の最中のあり様をどのように資料として提出してくるかによるでしょうね。ひょっとしたら、資料次第で賛否が分かれるかもしれません。
現時点でいえることは、芸術系と市民住宅につき疑問を感じているという点です。

補正予算も特に問題はなさそうですね。要するに精算がほとんどです。
超過交付ってなんで?と思うでしょうが、要はこの手の話は見切り発車であり、後に確定したら戻しましょうねというだけの話であり、いわば機械的な処理です。
借金の繰上償還は歓迎ですね。土地開発公社の繰上償還もがんばっています。こういうことの積み重ねが大変重要なことなのです。

さて、残るは6)です。これは大変な事態が発生してしまったんだなぁというのが、正直な感想です。
入札の経過調書はこちらを。

落札比率をご覧ください。なんとぴったり100%です。しかもなんと1社しか札を入れていないわけです。
なぜこういう事態が発生したか?いろいろ考えてみましたが、「こういうことなのかな?」という邪推レベルを一応書いておきます。

これは総合評価方式です。このやり方は要は数字だけの判断「以外の」要素が入ってくるので、業者側からすると札を入れるのに及び腰になるのはあるでしょうね。
いくら安く入れても、ひっくり返されることは十分に想定でき、要件を市内要件ではなく都内要件に広げてみても、結果は変わらないことが判明したといえるでしょう。

さらに以前書きましたが、入札というものは国土交通省や都によって細かな基準が決まっており、しかもそれらが公表されており、それに準じている以上三鷹市の恣意性が入る余地は少ないのです。
業者もその基準を当然分析します。積算して札を入れるわけです。一方設計というクッションが入りますが、設計金額がそのまま自動的に予定価格になるというのではなく、きちんと行政でもう一度積み重ねるのが当たり前です。

業者も積み重ねます。
行政も積み重ねます。
しかも基準は同じです。

こうなってくると、人件費のさじ加減でわずかな差が生じ、それが落札の成否に繋がってくるわけです。高落札率という現象はここから説明できます。

しかし、今回は100%です。
ひょっとして、業者側も市側も極めてごく普通な人件費関連の数字を出し、「たまたま」一致したのではないか?と考えているのです。これくらいしか理屈が思いつきません。

仮にその理屈が正しかったとしても、議会側として1社100%の議決責任を負えるか?となりますが、私には負えません。ですので、いろいろと事情はあるのでしょうが、1社100%という現象「そのものを」反対の根拠にしようかと思っています。
総合評価方式はやり方次第によってはすばらしいものなのですが、今回はその負の部分が出てしまったのかもしれないですね。


さて、今日、議会運営委員会があり、即決付託については以下のように決まりました。番号順で紹介します。
<即決→12/7で採決>
2)、3)、4)

<総務→12/10>
6)、7-b)、補正予算案部分

<文教→12/12>
5)、7-a)

<厚生→12/12>
7-c)

<まちづくり環境→12/11>
1)、7-d)、8)

あと請願です。一気に6本増え合計9本となりました。新たに委員会ネット中継や、請願の迅速な審議と採決など議会運営に関することが2本、あと農作物種子法廃止関連が2本、太陽光発電関連が1本、消費税増税反対関連が1本です。

請願9本って過去にあったかなぁ?と考えましたが、ちょっと思いつかないですね。これらの請願も各所管の委員会に分けて審議される予定です。

とにかくボリュームたっぷりの定例会になりました。長文になってしまい申し訳ありませんでした。