三鷹市議会 平成29年第3回定例会 議案上程 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成29年第3回定例会 議案上程

上程理由説明の動画はこちらをどうぞ。
上程理由説明

以下順次議案を説明します。議案、議案概要、補正予算総括表(案)のリンクを貼っておきます。

一般議案
補正予算議案
議案概要
補正予算総括表(案)

前回と同様、議案の号数で紹介するのではなく、箇条書きのような感じで紹介します。なお、決算議案も上程されていますが、これは後日別エントリーでまとめます。

1)三鷹市大沢総合グラウンドの夜間照明設備の整備と多目的スポーツ広場の新設に伴い、その使用料を定めるとともに、休場日の設定、開場時間の改正関連規定を整備する。

2)日本無線(株)三鷹製作所跡地等の三鷹都市計画下連雀五丁目第二地区について、既に定めているB地区の他、A地区とC地区にかかる地区整備計画区域の追加を行う。条例化により、建築基準法関係規定としての実効性の確保を図るもの。また、緑化率の最低限度も追加。
・建築物の用途の制限
・建築物の敷地面積の最低限度設定
・壁面の位置の制限
・緑化率の最低限度につき、A地区とC地区も、B地区と同様とする。

3)三鷹市教育センター耐震補強等工事請負契約の締結
※入札及び契約の過程並びに契約内容

4)市HP内のふるさと納税に関する特設サイトをリニューアル。また民間のふるさと納税総合サイトへ登録。クラウドファンディングを活用し、平成30年度に予定している大宰治記念文学館(仮称)及び吉村昭書斎(仮称)の整備事業、平成29年度に実施する山本有三記念館の改修事業について、12月から寄附の募集を開始する。HP作成委託、クレジットカード決済手数料の増など。180万8千円。

5)市庁舎建替え検討準備のため、市民センター内の建物の配置や地下埋設物の状況など敷地に関する現況調査を実施する。972万円。

6)大沢コミュニティセンターのために、とした寄附があり、その寄附を活用し同センターの料理講習室の収納棚の改修を行う。100万円。

7)振り込め詐欺対策のため、自動通話録音機を購入し希望者等へ貸与する。財源につき半分は都の補助金。134万円。

8)平成28年度末に収入した商工費等の寄附金につき積立をする。これを含め前年度繰越金3535万1千円の増。
このうち、商工費寄附金は、使途が創業支援施策等とされており平成30年度から寄付者の意向を踏まえた事業実施を予定していることから、財政調整基金への積み立てを行う。

9)平成20年1月に学校内であった事故について、災害共済給付制度を実施している日本スポーツ振興センターに対して、当時の被災生徒本人が制度の手続きに沿って市を経由して申請し、同センターから給付の決定があった。この給付は市の会計を通じて行うこととなるため、障害見舞金を計上する。2720万円。

以上になります。以下、議案上程時の感想です。

1)→新たにできる施設の使用料等を定めるだけであり問題なしと見ています。
2)→要するに乱開発を防ぐという趣旨ですので、問題なしと見ています。
3)→相変わらず高い落札比率ですが、これは事前にわかるものなどのシステム的な問題であり、前定例会でも指摘しました。同様の指摘を再度繰り返すかどうかを考えます。
5-9)→これらも問題ありません。特に8)の商工費に関する寄附金ですが、まちづくり三鷹からのものであることが判明しています。既に同社では決算確定しており、その意味でまちづくり三鷹がどうなのか?を問うよりは、三鷹市として寄附を受けるしかないという結論で良いでしょう。
もっとも、まちづくり三鷹「として」どうなのか?については大きな問題だなと思いますが、少なくともこの補正予算案で問われていることは「寄附を受けるか否か?既に先方は決算確定している」という点であり、大きく一般質問で聞くのはまだしも補正予算案で聞くことではないと考えます。

問題は4)です。
既に市長は記者会見で太宰治記念文学館関連につき、総額2億5000万から3億と表明し、それが新聞記事にもなっています。
今回のクラウドファンディングですが、目標は2500万となっています。寄附を募るんだからその分三鷹市の負担が減って、一見良いことのように思います。

もちろん良いことなんですが、問題なのは、議会手続きです。
工事費本体の予算はまだ上程されていません。上程されていない以上、市議会は審議しようがありません。
しかし、総額の1割と具体的な数字となっています。ならば、今回の定例会で工事費予算が出てこないと本来はおかしいのです。

工事費本体の予算につき議決した「後に」、では一部を寄付で集めますか、というのなら筋は通っていますが、それが出てこないのに先に寄附で集めるかどうかを審議してくれというのは、見方を変えれば工事費本体の予算につき議案上程していないが認めてくれ、というのと実際は変わらないのです。

議案がないのに承認しろというようなものであり、これは無理筋と言わざるをえません。事業の良し悪しではないのです。手続き論の問題です。

もっとも、補正予算案自体は5-9)のように問題なし案件が大半ですので、賛否の表明としては太宰関連で厳しく問題点を指摘した上で議案には賛成という形になるのかなと考えています。これが例えば重大な違法性を帯びるといったような瑕疵があるというのなら、この1点だけで反対が筋ですが、半田が調べたところ、そこまでの瑕疵があるとは言い切れない状況ですね。

実務的に見ても、寄附の部分につき可決されて実際に寄附が始まったが、その後工事費予算が否決されたとした場合、どうなるかなどの問題が発生します。もちろん三鷹市議会は市長与党が多いのでそこの心配はないでしょうが、それとこれと話は別です。否決された場合の対応はどうなるのか?は「市議会として」きちんと指摘しておかなければなりません。

私はひとり会派ですので、最終日の本会議で発言するシステムですが、ざっと見たところ、補正予算の太宰関連以外は特に問題ないかなと思うので、太宰関連で議会として手続き論をどう考えるかにつき述べることになりそうですね。

なお、今回は即決議案はなく、すべて付託となりました。1)は文教委員会、2)はまちづくり環境委員会、それ以外は総務委員会です。