三鷹市議会 平成29年第1回定例会 本会議5日目 半田伸明の討論内容 | 半田伸明のブログ

三鷹市議会 平成29年第1回定例会 本会議5日目 半田伸明の討論内容

本日は本会議。長い長い定例会も今日が最後です。
全体の流れは、後日動画URLとともに別途紹介します。
その前に、今日の私の発言を別エントリーでアップすることにしました。

議案などはこちらをどうぞ。
議案紹介
補正予算案紹介
29年度予算について

 

<議案第2号 三鷹市庁舎等建設基金条例>
基金は、条例を廃止するならいかようにもなるわけで、新たな基金の設置が資金を拘束することにはなりません。その意味では、種類を問わず総額がいくらかが一番重要です。
逆に言えば、この基金を作ろうが作らなかろうがどうでも良いわけで、そう考えると目的をよりはっきりさせる意味では、庁舎建設部分をまちづくり施設整備基金と別立てにすることは、むしろ必要なことだろうと考え賛成します。

 

<議案第14号 平成28年度三鷹市一般会計補正予算(第5号)>
教育費の部分で、長寿命化改修があれば、空調設備整備もあれば、給排水設備整備もあれば、と実に様々です。
学校の改修はいわば地域ごとの目線が注がれやすい案件でもあります。あそこは先にやったのに、なぜうちは遅いのか、といった議論になりがちです。特に給排水設備につきなぜ羽沢小なのかが不思議で調査しましたら、過去に給排水関連の工事の有無の問題であることがわかりました。要するに客観的に見て優先度合いが高かったわけです。
長寿命化、空調、給排水それぞれ案件が異なるわけです。それぞれ市内に22ある小中学校のうちどこまで終了しているのかなど、わかりやすく説明できることが必要だと思います。どの事業につき手付かずはどこか、終了はどこか、手付かずでも優先順位をどのような基準で考えるのか、このあたりを整理していただき、公表するべきである、この旨指摘をし賛成します。

 

<議案第15号 平成28年度三鷹市介護サービス事業特別会計補正予算(第2号)>
どんぐり山につき必要な工事内容を精査した結果の減額ということですが、これは傍聴してなるほどと考えていました。
ところがこの後に厚生委員会があり、どんぐり山廃止の検討の行政報告があったわけです。補正予算は重い案件です。本来ならどんぐり山廃止検討の件も本議案の説明で述べるべきだったと考えます。客観的に見て、施設の廃止予定と、必要なものだけの空調設備改修というのは、因果関係があると見て当たり前です。
いわば不十分な説明により、審議が十分でない状況が生み出されてしまったといえます。私は何より議会はどうあるべきかを重要視しています。審議が十分でない状況が生み出されてしまったことを大変残念に思います。内容面は理解できますが、このようなプロセスを踏まえてもなお賛成かと問われれば、これはかなり厳しいです。残念ですが、プロセスを重要視する立場から反対します。

 

<議案第13号 三鷹市東部水再生センター監視制御設備等更新工事(第二期)等の委託に関する協定の締結について>
26年度に策定した下水道再生計画に基づく東部水再生センター監視制御設備等更新工事(第二期)等を委託する案件で、特命随意契約で概算10億9900万円の議案です。
審査参考資料は、契約内容の概略しかないという状況でした。
約11億円もの大金を特命随意契約するわけですから、最低限積算根拠はないと話になりません。しかも質疑の過程で、事前に同事業団に設計委託を出していたこともわかりました。ならば積算根拠が出せないわけがありません。
にもかかわらず先に述べたような審査参考資料の有様です。要するに、議会側に対し白紙委任しろと言ってるようなものです。
議案の審査とは、ただ賛成か反対かを表明するのではないのです。大切なことは、議案の審査に当たりいかに議会側に対し説得性を持たせるかという点にあるのです。政治的な立場を超えて問題点を共有し、共通認識の土台を作ることが一番大切なことなのです。この審査参考資料ではその姿勢は伺えません。
積算根拠さえしっかりとした資料が出てきて、それに基づき個別に説明があれば、業務の専門性を考慮した場合賛成でしょうが、このままで賛成となると、これは白紙委任で良いと議会側が意思表示をしたのと同じなのです。これは二元代表制の一翼を担う議会としては、決してあってはならないことなのです。
私は何より議会はどうあるべきかを重要視しています。審査参考資料が不十分なままだったことを大変残念に思います。業務の専門性含め内容面は理解できますが、議会側の一員として、白紙委任を認めるわけにはいきませんので、残念ですが反対します。

 

<議案第17号 平成29年度三鷹市一般会計予算>
予算審査の際に私が一番重視していることは、返済した借金の元金以上に新規の借金をしないということです。本予算案はそれを満たしています。
市債を除いて予算額を見ますと、28年度が約666億、今回は約663億とほぼ同レベルです。利子割交付金を始めとして都の収入見込みが減となる影響があり、市税収入は増も結局は2億6000万円台の自由度がなくなる中、約半分基金取り崩しで対応、なんとか予算編成できたというのが実情と考えます。ご苦労が多かったのだろうなと推測しているところです。
国民健康保険を始め特別会計のいくつかについては、いわば必要支出量の見積もりが鍵で、一旦決まれば後は自動的に入りの分担を決めるといういわば機械的なものもあるわけですが、これを踏まえて各特別会計への繰り出し金が決まってくるのであり、その意味で各特別会計への繰り出しのあり方も理解をしているところです。
問題だと思った点及び今後の展望を見据えての問題提起など、数点申し上げておきます。
まず、庁用自動車等関係費です。この中に中途補償金107万とあります。予算審査特別委員会の質疑で、市長車のリースを残り期間があるにもかかわらず中途でやめ、新たにスバルの車を市長車にということでした。ネーミングライツの件を含め、今後のお付き合いを考えると気持ちはわかりますが、リース期間満了後に変えますねで済む話であり、わざわざ107万も補償金を支払ってまでスバルの車に変えるのは、私は問題だと考えます。
次に、庁舎建替えです。なぜ建替えなければならないのか、建替えをしないとどういう弊害があるのかにつき、現実的な話をもう少し議会に提供いただきたい。いわば致命傷とでもいいますか、こういう理由があって建替えせざるを得ない、他に選択肢はないという説得材料を議会側に出していただきたいのです。
庁舎建替えともなると、高額の出費が予想され、政治的に賛成だの反対だのそういう議論になってしまいがちで、私はこの点を憂慮しています。例えば外壁について、排水についてなど、個別具体的に建替えしなければならないのか、建替えせずにすむのかを明示してください。大切なことは、行政と議会で共通認識を醸成することにあるのです。「なるほど、そういう細かな事情がつみあがっているのか」と議会側も行政と認識を共有するか否かで今後ずいぶんと変わってきます。次に、新たな施設ができたことにより物件費をはじめとして負担が増えています。今後の維持管理費用を考える上で、先に東村山市で話題になりました、公共施設管理の包括委託をご検討いただきたい。
そして、不交付団体の悲劇をどう考えるかです。障がい者自立支援や予防接種など言い出したらきりがありませんが、法の動き次第で三鷹市の財政が大きな影響を受ける事態は、今後ますます深刻になっていくでしょう。今までと同様、国への働きかけを強力に進めていただきたい。合わせて、一般質問でも申し上げましたが、ナショナルミニマムだのセーフティネットだの、そういう大切なことを東京都が国に変わり代替機能を果たさざるをえない時代になりつつあるわけで、合わせて東京都への働きかけも、今までと同様強力に推し進めていただきたい。
最後になりますが、法人住民税一部召し上げ現象やふるさと納税による減収を考えると、安定基盤が実は安定ではないという時代に自治体は突入せざるを得ない事態になっています。さらに、今年の春から夏にかけてのどこかで米国株のバブル崩壊が始まり、あのリーマンショックをも超える経済危機に見舞われると私自身は危機感を感じています。また市長が施政方針で述べられた社会保障2018年度問題もあります。
ますます基礎自治体としての自由度がなくなっていく時代のもと、私たちはどうしのいでいくかを考えていかなければなりません。本予算の執行に当たって、「本当にこの事業は民の生きるを守るために必要不可欠なことなんだろうか?」という問題提起を各職員みなさんにぜひお願いしたい。以上申し上げて賛成とします。

 

<議案第20号 平成29年度三鷹市介護サービス事業特別会計予算>
どんぐり山廃止の行政報告があり、今回の予算は次につながるものとして待機者数などを考慮した場合、やはりここで一言述べるべきだと考え申し上げます。
予算審査特別委員会で一定の議論がありました。まず大切なことはこの施設は公共施設であるという点です。楽山会がやらないから廃止というのでは通用しません。指定管理者から撤退の申し出があったというだけの話しです。別の指定管理者を探せばよいのです。
待機者数が思ったより減らないなら、社会福祉事業団でやるべきだろうと問題提起をしておきます。
次に、待機者数が予想並みに減ったのであれば、その時点で初めてこの施設の費用対効果の側面を考えるべきでしょう。なぜ廃止という結論になるのかについては、楽山会云々ではなく、あくまで三鷹市がこの施設をどう捉えているか、ここに尽きるのです。待機者数の減を予想するのは大変難しいです。私はこの施設はその側面から考えると残すべきと見ています。
にもかかわらず廃止とするのであれば、存続させる場合の損益分岐点や費用対効果など客観的な資料を議会側にお示しください。何度か申し上げましたが、共通認識の土台を作ることが大切なのです。多角的に見た結果廃止を決定したという論拠を出していただき、今後議会側を説得していただきたい、その旨問題提起をして賛成します。

 

以上が、市長提出議案についての発言です。
私は与党野党関係ないただの無所属ですので、賛成もあれば反対もあればという感じですね。
今回の反対は、13号と15号となりました。プロセス面を重視していることがお分かりいただけるかと思います。

 

次に意見書や決議です。
内容はこちらをどうぞ。
意見書案・決議案

 

<1号>
地方自治法99条は「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」と規定しています。三鷹市の公益に関する事件について、三鷹市議会は意見書を提出できるわけです。判例は、公益概念につき「行政庁の判断に裁量性を与える趣旨である」ことを前提としており、要するに三鷹市の公益に関する事件とは、三鷹市という行政にとっての公益という理解をしているところです。
本意見書案は共謀罪法案と批評されている法案の国会提出に反対するという内容のものですが、先に述べた地方自治法99条の規定から外れるものであり、意見書案の体をなしていませんので、反対します。
なお、以降の各意見書案でも同様の判断基準で賛否を表明する旨申し添えます。

 

<2号>
地方自治法99条に関することについては、先の1号とまったく同じです。さらに追加して述べておきます。
本意見書案は、三鷹市民の負担感の側面に着目したものですが、実は三鷹市行政からすると財政の負担減につながるものであり、気持ちとしては賛成であり、決議案という形態ならなんら問題ないのですが、意見書という形態をとっている以上は先に述べた理屈からすると、むしろ三鷹市行政の負担が減ることなんだから自己負担引き上げは喜ばしいことなのです。このように内容に理解を示し、賛同し、決議案なら賛成なのに、意見書という形態をとっているがために反対せざるを得ないのは大変残念である旨述べておきます。
なお、以降の各意見書案でも同様の判断基準で賛否を表明する旨申し添えます。

 

<3号>
本意見書案は地方自治法99条の形式面を満たしていますので、中身の議論となります。
本意見書案は、本来のふるさとを応援するという趣旨の制度となるよう改善を求めるものですが、そもそもふるさと納税制度の議論の出発点は、当初から寄付と税額控除の組み合わせであったことは、総務省の報告を読めば明らかです。
つまり、本意見書案は、税額控除のあり方を否定するものではないことになります。
そもそも、この制度は、行政サービスを受ける住民が税を負担する「受益者負担の原則」の観点から逸脱しており、廃止しかありえません。以上の考えから反対します。

 

<4号>
本意見書案は一見地方自治法99条の要件を満たしているようにも見えます。
しかし、実際のお金の流れを考えると、不利益を被った方に返還するのは広域連合です。三鷹市の特別会計を経由しますが、あくまで連合と不利益を被った方の二当事者間の関係なのです。
つまり、先に述べたような三鷹市の公益に関する事件とは言いがたい側面が出てきてしまうのです。しかも、厚生労働省の謝罪だの、再発防止策を全国に公開だの、決議案として出すべき内容も含まれています。
以上より、決議案として出すべきものを意見書という形態をとっている点は看過できないことから反対します。

 

<5号>
本意見書案は上水道のあり方を問うものですが、そもそも三鷹市は上水道事業につき都に移管しています。
意見書の体をなしていないことから反対します。

以上になります。
意見書制度は地方自治法99条で認められているものであり、99条の文理解釈を重視している姿勢がお分かりいただけるかと思います。

 

最終日はとにかく内容が盛りだくさんです。まとめてのエントリーだと膨大な量になるので、私の発言だけ別立てにしたほうが見やすいかなと考え、今回のエントリーとしました。

最終日の詳細については後日改めてアップしますね。