三鷹市議会 平成29年第1回定例会 総務委員会1日目 議案審査
3/6総務委員会が開かれました。付託された議案は、議案第1号、2号、3号、4号、7号、13号、14号、15号です。
多くの議案が付託されましたので、賛否の判断材料とすべく、傍聴しました。議案の審査ですが、議案番号順というわけではありません。
審査参考資料はこちらをどうぞ。
議案についてはこちらの紹介をどうぞ。
以下順次説明します。適宜、審査参考資料の該当部分と照らし合わせながら見るとわかりやすいかと思います。
まず2号の三鷹市庁舎等建設基金条例です。市庁舎等の建設を推進することを目的として、まちづくり整備基金とは別に、新たに基金を作るというものです。
まちづくり整備基金は複数の目的から成り立つものであり、市庁舎の部分を別立てにすることはなんらおかしいことではありません。
基金は条例を廃止するならいかようにもなるわけで、その意味では種類を問わず基金総額がいくらかが一番重要です。逆に言えば、この基金を作ろうが作らなかろうがどうでも良いわけで、そう考えると目的をよりはっきりするという意味では、別立てはむしろ必要なことだろうと考えます。
次に補正予算案です。
まず、市庁舎の基金の20億ですが、そもそも15億と5億に分ける必要があります。
質疑の過程で、26年9月補正予算の話がありました。この時法人市民税の大幅増があり(15億)、その際答弁で市庁舎建替え用なんだが一旦まちづくり整備基金にという話だったようです。ですので、15億については問題ありません。
気になったのは残りの5億です。税収が9億増えた分を各基金に振り分けること自体年度末ではよくある話です。ポイントはその配分のあり方なのです。
9億の増収のうち半分以上の5億は多すぎではないか?と考えていました。
質疑の過程で、財政調整基金は市税収入の5%という縛りがあることがわかりました。ならば5億の上積みも理解できるところです。
市庁舎は政治的論争になるでしょう。賛成だの反対だの賑やかになることが想定されます。
私はなぜ建替えをしないとダメなのか?の「物理的要因」を知りたいところです。例えば外壁補強などで済むレベルなのか、それともコンクリート内部に問題があるのかなどです。不毛な議論を避けるためにも、行政と議会とで共通認識を作る必要がありますね。特別委員会設置が望ましいのですが、私もこの共通認識作りに意を用いていきたいと考えているところです。
補正予算の他の部分について。まず学校施設改修についてですが、トイレ改修につきなぜ羽沢小なのか?が気になっていました。他にもトイレの問題はあるからです。個別に調べましたが、羽沢小はそもそも給排水設備の工事が過去にないことがわかりました。それなら優先順位が上というのもわかります。
どんぐり山の空調設備についてですが、簡単に書けば壊れているところとそうでないところをきちんと区別して節減を図ったということでした。これも理解できますね。当初29年度予算で考えていたものが、国の補正の増額があったので28年度中に補正予算でまずは確保しておくというのもなるほどという感じでした。
残るは中仙川改修事業です。これは首をかしげることがありました。
最初の調査でこうなることがなぜわからなかったのか?当然の質問が出ました。これに対し、当初150m離れた公共用地でボーリングデータを取っていたことが判明しました。
確かに、該当地は住宅密集地ですので、その中でのボーリング調査は困難だったのかもしれません。
事情はよくわかるのですが、どうも違和感を拭えません。というのは、その150m離れた位置を指定したのは「誰か?」ということです。
おそらく三鷹市が指定したのでしょう。この点は質疑の過程では判明しませんでしたが、調査をする場所の選定にやはり甘さがあったのではないかと感じます。「最初からしっかりと調査すれば済む」という厳しい指摘も飛んでいました。
次に、1号の三鷹市職員の配偶者同行休業に関する条例です。地方公務員法の規定に基づき、職員の継続的な勤務を促進するため、職員が外国で勤務等をする配偶者と外国において生活を共にするための休業制度を新設するものです。
地方公務員法の改正は既に26年になされており、都では条例は既に作られています。三鷹市は2年遅れで改正ということになります。なぜ法改正にあわせてすぐにやらなかったのかが論点です。
質疑の過程で、組合からの要求云々の話がありましたが、そもそも法で認められたものを条例で制定するかどうかが組合発意の有無に関係すること自体かなり問題でしょう。なぜなら、同じ公務員で片や認められる人、片や認められていない人という差が発生するのはやはりおかしいからです。
次に4号の三鷹市職員定数条例の一部を改正する条例です。
実態が気になっていましたが、学校給食調理業務の民間委託化により職員数が22名減という内容などが明らかになりました。30人減のところを22名分が判明しているので、残り8名分となります。業務見直しなどで十分達成できる数字ですし、8名減でしわ寄せとは考えにくいです。
さらに定数管理でもっと重要なことがあります。それは外部委託のあり方です。業務内容は一定と考えるならば、どの部門を外部委託するか、それとも切り離すかが最大のポイントになるのです。兼職している人が64人ということの是非が質疑の過程でありましたが、私はそのことよりも物件費なり補助費等の金額が増傾向にあることと定数削減とどういう因果関係があるのか?こちらの方が気になるのです。
定数削減すなわち人件費減という簡単な話ではないのです。
実態に合わせるべく定数を変更というのは当然のことで、今後は委託のあり方を含め大きな議論展開になることを期待したいですね。
次に3号の三鷹市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例です。マイナンバー制度におけるいわゆる独自利用事務で子育て関連と市民住宅関連を追加するものです。
そもそも国レベルで情報連携が始まるのに三鷹市だけやらないというわけにはいきません。マイナンバー制度自体私はかなり疑問を持って見ている立場ですが、そもそも一連の条例案はすでに可決されており、ならば可決された状況のもとでの今回の審査となるわけです。機関意思の決定というのはそれだけ重いものなのです。
ですので、政治的に賛成だの反対だのそういったレベルの話ではないのです。こう考えると、庁内連携にしろなんにしろ住民側の利便性を考えたら賛成するのが筋ですね。
ただ、今回追加となる2つの独自利用事務はなぜ以前に追加しなかったのだろうという疑問は残っています。この点はもう少し調査をしてみます。
次に7号の三鷹市非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例です。
施設の改廃に伴うものが中心です。先ほど機関意思決定の重みを書きましたが、これにもそれは該当します。こう考えるとただの名称変更ですねという結論になります。
しかし、嘱託相談員という制度がなくなることには疑問がありました。代替措置がいまいち見えなかったからです。質疑の過程で、実際の勤務形態などがわかり廃止も理解できました。
最後に、13号の三鷹市東部水再生センター監視制御設備等更新工事(第二期)等の委託に関する協定の締結についてです。
26年度に策定した下水道再生計画に基づく東部水再生センター監視制御設備等更新工事(第二期)等を委託する案件です。特命随意契約で概算10億9900万円、協定締結相手方は地方共同法人 日本下水道事業団です。
何よりびっくりしたのは審査参考資料です。上記リンクをご覧頂ければおわかりの通り、何と契約内容の概略しかないのです。
11億弱もの大金を特命随意契約するわけですから、最低限積算根拠はないと話になりません。しかも質疑の過程で、事前に同事業団に設計委託を出していたこともわかりました。ならば積算根拠が出せないわけがありません。
これは要するに、議会側に対し白紙委任しろと言ってるようなもので、これはいくらなんでもひどいですね。
13号については、改めて審査参考資料とは何か?を考えさせられた案件でもありました。
市長与党は賛成でしょうからそれはそれで良いのですが、そうなると醍醐味は反対派をいかに説得させるかという点に尽きると思うのです。
立場を超えて問題点を共有し、「なるほどねー」となることが一番大切なことなのです。積算根拠さえしっかりとした資料が出てきて、それに基づき個別に説明があれば、業務の専門性を考慮した場合賛成でしょうが、このままで賛成となると、これは白紙委任で任せるよ!に等しい意思表示をしたのと同じなのです。これは二元代表制の一翼を担う議会としては、決してあってはならないことなのです。
以上、ずらずらと書きました。議案数も多く、傍聴するだけでも大変な1日でした。
補正予算の中仙川の件、配偶者同行休業条例の組合発意の件、マイナンバーの追加の独自利用事務がなぜ今なのかという件などなど、いくつか疑問点がありますが、反対とまではいかないことですので、これはこれで調査した結果理解できればそれで良いでしょう。
一方、13号の特命随意契約だけは先に書いたような理由で、反対せざるをえませんね。これは、行政が議会をどう見ているか?議会は行政にどう見られているか?という大切な話であり、これは譲れない問題ですね。
さて、議案審査の他にも行政報告があるのですが、これについては明日3/7の13時からとなりました。これはこれで別途報告しますね。
どの議案につき討論をするかは、これから考えることにします。この討論は、本会議最終日の28日に私が本会議場で発言することを指します。