文教委員会質問…体罰と不適切な行為について | 半田伸明のブログ

文教委員会質問…体罰と不適切な行為について

2015年6月議会の文教委員会で、教育委員会から「平成26年度体罰等調査、三鷹市立学校における体罰等の東京都教育委員会への状況報告について」という行政報告があり、それに対し質問しました。

こちらに画像があります。一番最初に東台小学校の事例が載っています。児童にガムテープを貼って引き剥がしたという事案ですが、体罰に該当しないという扱いでした。疑問に思い、質問したわけです。

以下、概略をまとめます。

<半田>
東台小のケースは、明らかに行き過ぎである。まず、体罰とは何かの定義をいま一度聞く。

<指導課長>
東京都教育委員会で規定している。体罰とは、懲戒のうち、教員が児童・生徒の身体に直接的、間接的に肉体的苦痛を与える行為である。

<半田>
体にいきなりガムテープをくっつけられて剥がされるのは、今の体罰の定義に該当しないのか?直接的に有形力の行使をされている。ガムテープを貼られて剥がされることは、有形力の行使に該当しないのか?

<指導課長>
都教委から、これは不適切な指導であると通知が来た。

<半田>
(体罰として)殴る、蹴る、幾つか例示があった。私が問題だなと思うのは、これは誰が見たって有形力の行使なのだが、殴る、蹴るの例示に当たらないから体罰じゃない、というので果たしてそれでいいのかという点である。本来は、この事案につき体罰と言ってもいいのではないかというやりとりを、市教委と都教委の間でやりとりをして、その結果、具体例に追加をされるぐらいのことがあっても良いのではないか。

<指導課長>
わかるが、結論としてそうなったということである。

<教育部長>
児童・生徒の体に直接というか、ガムテープを通じてだが触れたのだから、極めて定義の中ではボーダーな例だと、我々も認識している。当該教員に対しては特に指導課長が中心となった強い指導を行った。

<半田>
体罰及び不適切な行為という分類がある。現状を確認したい。体罰、不適切な行為が発生した学校の公表は、東京都教育委員会でしているのか。

<指導課長>
体罰については都教委で公開している。

<半田>
不適切な行為については公開をしていないということか。学校ごとに件数が出ているのか。

<指導課長>
学校ごとではない。

<半田>
不適切な行為と分類されることと、体罰ということで分類されることとで差があるのか、ないのか大切だ。市民から見た場合に、片や公表されている、片や公表されていないという軸があるのなら、これは困る。


<教育部長>
体罰の事例は、学校ごとにどういう事例があったかということが公表される。不適切な行為であるか、体罰であるかということの扱いの違いは、そこに至っては大変大きな社会的な影響があると認識している。

<半田>

同じ有形力の行使なのに体罰と認定されたら表沙汰になる、不適切な行為と認定されたらそうはならない。これはどうなんだろうか。

<教育部長>
これを体罰に当たらないというような形で上申をした、あるいは公表を控えるがためにそういった何らかの対応をとったということではなくて、むしろ体罰に当たるのではないかという懸念を持って上申をした。
都全体の事例の中で今回は不適切な行為に該当という判断だった。我々はその判断を尊重した。

<半田>
確認したい。体罰のケースと不適切な行為のケースで、当該学校の保護者に対する説明会はあるのか、ないのか。

<指導課長>
規定があるわけではない。体罰となれば当然必ず行う必要がある。不適切な行為だからやらないということではない。今回のケースについては保護者会はしていないと聞いている。

<半田>
かつて大沢台小学校で問題になった事案があった。事件発生から何と半年後に初めて保護者会を開いた。これはおかしいじゃないかとやりとりしたことを覚えている。
不適切な行為という扱いだからこそ、保護者には説明しないっていうのは、これはいかがなものかと思う。

<教育部長>
こういった事実があったということを全体の保護者の方に説明してほしくないというようなケースというのも実際にはある。

<半田>
このケースは保護者が公開してほしくないと言ったケースなのか。

<指導課長>
「しないでほしい」といった意向があったとは聞いていない。

<半田>
人権侵害があったのに、広く公開しないこと自体があり得ない。教育部長と指導課長で、答弁に食い違いがあるじゃないか。
この事案はそういう一般的に公開してもよい事案であるならば、なおさら有形力の行使にほぼ該当する以上は、東台小学校の保護者に早急に説明会をするべき案件なのではないか。

<教育部長>
担当教員も含めて校長が御自宅にまでお伺いをして保護者に謝罪を入れた。その段階で、この件についてはこれでわかりましたというお話をいただいたということで、それより先の保護者説明会は開催をしなかったということである。

<半田>
結局この先生は異動したかどうか、そこまでは聞かないが、ずっと仮に東台小学校に残っているとするならば、こういう有形力の行使を行った先生がいることを、東台小学校の保護者の方が、
それを知らないまま過ごすということが果たして適切なんだろうか。

<教育部長>
指摘内容はわかるが、体罰の方がより罪状としては重いが、不適切な行為の場合はそれよりも手前の内容である。
不適切な行為に該当する行為を1度やったということで、氏名まで発表するというのは、我々は考えていない。

<半田>
ガムテープをつけて、びりっと剥がされて…それは痛い。これはどう見ても体罰である。
体罰には該当しない。なぜなら殴る、蹴るの例示に当たらない、だから、不適切な行為なんだという分類のまま議論を進めていって、都教委に対して、これはちょっとおかしいのではないかということで市教委側から意見を発したとの答弁だったが、これは正しいと思う。
ところが、不適切な行為と結果的には都教委が判断をした。
不適切な行為の場合、公表は問題だという一方、体罰だったら公表するわけであり、つまり、分類の仕方によって大きな差が出てくる。
この事案が体罰にほぼ該当するのに、不適切な行為で済んだから、その先生はずっと名前を公表されないままっていうのは、私はいかがなものかと思う。
せめて、これは体罰に当たる事案だろうということはしっこく今後も言い続けていただきたいし、最低限、校長会、副校長会でこのような例は絶対許すことできないということの問題意識は共有をしていただきたい。
体罰に該当するか、不適切な行為に該当するかの、いわばさじかげんというか分類の仕方で、加害者側の扱いに差がある、出てくるというのは、私はこれは大きな問題だと思う。

以上になります。
都教委が、体罰とするか否かで扱いに差が出てくるのは、大変大きな問題ではないかと考えます。
外形的に見て有形力の行使に該当すると判断されるのなら、体罰の事例を増やせば済む話ですし、そのようにするべきでしょう。

現場では様々な問題がおきているのです。都の教育委員さんは、こういう現実をご存知なのでしょうか。