権力者たるトップやNo.2の人間からセクハラ・パワハラを受けたら、どこに被害を訴える? | 半田伸明のブログ

権力者たるトップやNo.2の人間からセクハラ・パワハラを受けたら、どこに被害を訴える?

鹿児島で教諭が自殺した事につき、校長の過失を認める判決がありました。

教諭自殺で県と市に賠償命令=「配慮怠り」と4400万円-鹿児島地裁(時事通信)

パワハラは認められなかったが、校長の過失を認定という案件です。

中間管理職がセクハラ・パワハラをやって、被害者がトップにその被害を訴えるというのは容易に想定できるケースですが、トップやNo.2の人間がセクハラ・パワハラの加害者の場合、被害者はどこに訴えれば良いのか?この点が以前から気になっていました。

大会社のようなとこならともかく、例えば市役所とか、学校とか、中小企業とか、さほど規模が大きくないところで、トップやNo.2がパワハラやセクハラを繰り返していた場合、もし被害者が外部に被害を訴えたら、加害者である権力者が恨みに思って更にエスカレートするのではないか?と思えるからです。

以下は便宜上、市役所・学校を念頭に置いて考えてみます。市庁舎・学校という、狭い「ムラ」の中で被害にあった場合、実際は泣き寝入りになるケースが多いのではないでしょうか?レベルの低い権力者ですと、人事をちらつかせる事すらあり得るでしょうね。こういうのは、その人に従うのではなく、人事でよく評価してもらいたいから我慢しているだけの話ですね。ところが権力者は自分に力があると誤解しているから、様々な悲劇が生まれるのです。この事件の舞台も学校という、狭い「ムラ」内部での出来事なのです。

セクハラについて、具体例を出してみましょう。

区立小副校長、職員室で女性教諭に「大好き」(読売)

これは副校長というNo.2の仕業ですね。救いようがないですね。もし、これがトップだったらと思うとゾッとします。

狭く小さな組織の中で、トップやNo.2がセクハラやパワハラを繰り返している場合の被害者の救済措置は、あるようで実はなかなかないのです。これは早急に手当てすべきですね。権力者にセクハラやパワハラをやられたら、現場の教師のように被害者はもうどうしようもないのです。耐え続けるしかないのです。学校という狭いハコの中で。

現実には、都道府県レベルで人事異動等で何とかなるのかもしれません。しかし、これは根本的な解決ではないですね。

人を管理する立場がセクハラ・パワハラやったら話にならないのです。都道府県レベルで、例えば市町村レベルや学校レベルでの、セクハラやパワハラの被害件数をはっきりさせるべきでしょう。

その為には、被害者の被害申告を受ける場所の設定が必要になります。そこで集まった情報を集計して、一覧性あるものに公表すべきでしょう。

そして、被害を申告されたら、加害者の実名を公表する事すらあっても良いのでは?と個人的には思います。実名報道が良いか悪いかの議論は確かにありますが、狭い「ムラ」の被害を耐え続けるくらいなら、比較するとこのくらいのペナルティは、あっても良いだろうと思います。

この公表が現実化したら、政治レベルでは失脚に繋がるでしょうし、学校レベルでは地域に顔向けできず、移動を自ら願うでしょう。

このくらい苛烈な措置を考えていかないと、今回の鹿児島のような悲しい事案が繰り返されてしまう事になるのです。国会議員センセは、もういい加減この問題から目を背ける事なく、正面から取り組んでなんとか法制化してもらいたいものですね。