税を投じ啓発事業をしてまで、投票率を上げようという姿勢は間違っている | 半田伸明のブログ

税を投じ啓発事業をしてまで、投票率を上げようという姿勢は間違っている

都知事選の投票率を上げるべく、都選管や各地の商店街がいろいろとしかけているようです。

商店レベルが投票率アップと銘打って、実際は売り上げ増を図るというのは、これはこれでありでしょうね。規制する事ではないし、営業の自由の範囲内です。重要な事は、これらはあくまで商売という事です。

商売である以上、投票率が上がろうが下がろうが実際には関係がないのです(失礼な表現で恐縮ですが)。なので、こういうのは好き勝手にやらせておけばいいのです。

問題なのは、税を使って、投票率を上げようという動きです。そう、啓発と呼ばれるものだったり、有名人使って投票に行こう!と言わせたりとか、よくあるお決まりのやつです。

これはそもそも論の問題だと考えます。私は、官の意向で投票率を「上げる」という発想そのものが間違っていると考えています。

そもそも日本の真の民主主義はありません。税を取り使う官とそれにくっつく官寄り政治家、そして取られ損の税を我慢する納税者とそれに寄り添う「べき」民寄り政治家の構図しかないのです。そして、残念な事に、後者の民寄り政治家の立場を明確にしているところはあまり見かけないですね。

取られ損の税を我慢している納税者のことを考えると、投票率が上がるか否かは、答えは簡単なんです。明確に税を取る側をチェックする姿勢を明らかにすれば良いだけなのです。権力者におかしい事をおかしいと言える政治家が多数になれば、ほっといても政治を見る目は過熱し、投票率は上がるのです。

あの政権交代を思い返すと良くわかりますね。ガソリン値下げ隊を始めとして、だれもが民主党に民寄り政治家性を見いだし、それが過熱化されて、あの現象が起こったのです。しかし、残念ながら民主党は増税政党に堕ちました。もはや納税者にとって、民寄り政治家性を見いだせる政党は皆無に等しいのです。

このように民寄り政治家性がクローズアップされて来ない限り、投票率アップは見込めないと私はみています。ネット選挙運動が解禁されても、国政選挙で投票率が上がったかと言えば、答は明らかですね。はっきり書けば、納税者はもう冷めきっているのです。ただでさえ、民主主義があるとは到底思えないこの国、日本。こんな状況で投票率が上がるわけがないのです。

私はこのように考えるからこそ、投票に行こう!的な運動を私は積極的にする気がないのです。入れたいところがないなら選挙に行かなければいいじゃないですか。それだって立派な意思表示ですよ。選択肢が無いに等しいのに選択しろというのは、むごいとさえ思いますね。せいぜい投票に行って白票を叩き付けるくらいでしょうね。

このように考えると、税を投じてまで投票に行こうと啓発する事自体が、実に馬鹿げている事が良くわかりますね。
AKB使って投票率が上がりましたか?
AKBにいくら払ったのですか?
費用対効果さえ明らかにならないのが現状なのです。

はっきり書けばムダなのです。投票率を上げる為に税を投じて啓発事業をするという発想が私には全く理解できません。

投票率は上げようとして上がるものではありません。上がる時には上がるものなのです。ここを冷静に考えると、選挙に関係する啓発関連費用はただただムダでしかないという結論になります。税を投じてまで投票率を「上げる」という発想に終止符を打たなければなりません。

今回は、都知事選という大きな選挙なのですが、身近な基礎自治体レベルの選挙でも、啓発事業は現にあります。予算執行実績報告書(要は決算書)に載っているはずなので、一度ご覧になってみて下さい。目が点になるような事があるのかもしれませんよ。

都選管は、この手の啓発絡みの費用を、過去数回にわたり明らかにすべきですね。これだけ費用がかかったのか!んで投票率は?え、下がっとるやん!となって、廃止しろとなっていくのが関の山でしょうが。