【半田は考える】8.どういう姿勢で歳出削減をするべきなのか? | 半田伸明のブログ

【半田は考える】8.どういう姿勢で歳出削減をするべきなのか?

【半田は考える】の過去の分をご覧下さい。
2025年8月に財政破綻が来ると考えている私は、「今のうちから、大胆に支出を減らし、つまり現時点から大きな痛みを感じながら、破綻に備えるべきである。」ということになります。

では、どのような方針で、歳出削減に臨むべきなのでしょうか?

これは、逆の見方をすれば、「税はどういう対象に使われるべきか?」を考えることにもなります。つまり、税支出のあるべき姿、税支出哲学を考えることになるわけです。

そもそも税とは助け合いの原資なのです。権力者から言われずとも、いわゆる自助、すなわち自分のことは自分でしているのが現状なのです。共助もそうですね。

ところが、自分の力ではいかんともし難い現象が発生することもあるのです。医療だったり、介護だったり…。何となくイメージできますよね。

「助け合いの原資」と考えるなら、他人が困っている時に、官を介して助け、助けてもらう…これこそが税の本来的な姿なのです。しかも、景気下降サイクルの最中ですから、何かをやろうとすればその分無駄になりかねないのです。税で投資をして効果を狙う時期ではないのです。

更に言えば、人が本当に困っている時というものは、生存そのものに直結するケースがほとんどでしょう。こういう視点で見ると、生活保護もそうでしょうね。

こう考えると、税とは「民の生きるを守る」に直結する事に「のみ」使われるべきなのです。

しかし、現状はどうでしょうか?ある事業を取りやめてすぐに死者が出るという事業はどれほどあるでしょうか?実は、そういうのは少ないのです。「民の生きるを守る」に直結するような事業とは、実は案外少ないのです。シンポジウムを廃止したとして死者は出ますか?お祭りを廃止したとして死者は出ますか?ある施設を廃止して死者は出ますか?

「民の生きるを守る」に直結しない事業は山ほどあり、それらをどんどん廃止する事こそが歳出削減の王道であることになります。半田が追い求める行財政改革の理想像です。

皆さん、ぜひお住まいの自治体の予算執行実績報告書(つまり決算書)を手に取ってみて下さい。企画費、民生費…様々な多くくりの項目があります。これらをひとつひとつ見て、「民の生きるを守る」に直結する事業はいくつあるでしょうか?

税の支出とは、「民の生きるを守る」に直結する事に「のみ」使われるべきであるという姿勢は、まさに税支出のメルクマールそのものです。そして、こういうメルクマールをはっきりと打ち出す事が、今一番求められている政治主導なのです。事業仕分けだの言う前に、まずは予算編成の時点で、政治主導として姿勢を打ち出す、そして、それを受けて官が予算編成をする、当該姿勢に直結しないと思えるなら、それは修正案を出して、修正可決とする…議員がやらなければならない事は、まさにこの点に尽きるのではないでしょうか。

今回の結論は次のようになります。

税とは、「民の生きるを守る」に直結する事に「のみ」支出されるべきであり、そのことを政治主導の一環として政治家が打ち出す必要がある。官はこれに基づいて予算編成をするが、この姿勢に合致しないのなら、修正をする。このような姿勢で、「民の生きるを守る」に直結しない事業を、大胆に廃止することで、歳出削減をすべきである。