【半田は考える】4.アベノミクスで景気回復するのか? | 半田伸明のブログ

【半田は考える】4.アベノミクスで景気回復するのか?

過去の【半田は考える】のまとめは次のようになります。

「景気対策に有効性がないのは、政策レベルで悪いのではなく、日本が景気下降サイクルの中にあるからであり、この時期には政策で景気を変動させる事はできない。
1989年のバブル崩壊以降、日本は景気下降サイクル内にあり、2025年~2026年まで続き、2030年から再度上昇サイクルに入る。
景気下降サイクル内では、一直線に下げて行くのではなく、下げて、軽く戻して、また下げて、また軽く戻して、というように、うねるような波を描く。」

景気下降サイクルがまだまだ続く以上、戻しはあくまで戻しでしかありません。戻しでしかない時期なのに景気回復したと勘違いしない事が重要になってきます。ITバブルを思い返してみましょう。あれだけ騒がれたのに、いとも簡単に崩れ去ってしまいました。

では、アベノミクスをどう考えれば良いのでしょうか?
三本の矢という言葉があるように、様々な政策が施されています。金融緩和も大胆に行っていますね。2013年年末の株価を見ても、もう大丈夫だろうと思いたくもなります。
しかし、先ほど書いた景気下降サイクルの考え方をとるなら、アベノミクスも戻しレベルでしかないと考える事になります。半田は、市議会の質問で「アベノミクスとは錯覚に過ぎない」と述べました。

思い返しますと、アベノミクスで盛り上がる数年前には、あのリーマンショックがあったのです。リーマンショックが一旦落ち着いた後、現状は戻しの時期であると考える方が自然です。つまり、長い目で見て、リーマンショックも、ユーロ危機も、そして現状のアベノミクスも、大きな景気下降サイクル内の中で、下げたり、戻してみせたりという、サイクル内の出来事に過ぎないわけです。
このように考えると、アベノミクスで景気回復すると考える方がどうかしているのです。戻しでしかない時期に景気回復したと考える事は、「錯覚に過ぎない」ことになるわけです。

錯覚に過ぎない現象なのに、景気回復していると勘違いしてしまったら、どういう事態になるでしょうか?
言うまでもなく、大混乱するでしょう。そして、あれだけ騒がれたアベノミクスでさえダメなのなら、もう政治に期待することはできないとなるでしょう。
そうなって初めて、「政治は何をするべきなのか?」を納税者が考えることになるのでしょう。税をどういう対象に使うべきかのメルクマールに関する議論が、政治家ではなく納税者サイドから出てくることを期待したいのですが。

過去のエントリーで、【2014予測】と称して、かなり大胆ではありましたが、現状の通説と言えるものに逆行する検証を試みてきました。

まず、アメリカ経済につき、最後の宴状態と書きました。
【2014予測】アメリカは、早ければ3/10の週以降に景気下降トレンドに入る

そして、日本については既に戻し終了は終わっているとも書きました。
【2014予測】日本では昨年12月で景気回復は終了している可能性がある

さらに、4月頃にリーマンショックに匹敵するショックが来るだろうと予測しました。
【2014予測】近々リーマンショックに匹敵するドル高ショックが発生する可能性がある

最後に、ドル円は4月から円高が再開されると書きました。
【2014予測】円安は3月で終了し、4月から円高路線再開となる

これらの予測は、いわゆるファンダメンタル分析は完全に無視して、チャートを眺めるだけで出した結論です。所詮ファンダメンタル分析は後付けの理屈であり、過去のチャートから未来を予測するのが一番適確ではないかとの考えがあるからです。

これらの予測のうち1つでも当たるなら、それはそれでかなりの混乱になるでしょうが、その時に半田が主張する「アベノミクスは、戻しでしかない時期に景気回復したと錯覚させるだけの要因でしかない」という考えを思い出して頂ければ、こんなに嬉しいことはありません。

アベノミクスは景気回復に向かう起爆剤でしょうか?
それとも、錯覚を巻き起こすだけの害悪でしかないのでしょうか?

答は、春に判明するでしょう。

今回の結論は次のようになります。
「アベノミクスは、戻しでしかない時期に景気回復したと錯覚させるだけの要因でしかない」