【都知事選】宇都宮氏が言う、脱原発政策という言葉の意味がわからない | 半田伸明のブログ

【都知事選】宇都宮氏が言う、脱原発政策という言葉の意味がわからない

共産、社民が推薦という形で、前回も都知事選に出馬なされた宇都宮さんが再度都知事選に挑戦なされるようです。

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さて、彼の言う、脱原発政策という言葉の意味が私には全く分かりません。もちろん私も脱原発には賛成です。ですが、わからないものはわからないのです。

我々電力消費者たる東京都民は、わずかなPPSはさておき、普通なら東電と契約ですね。脱原発を都民に「求める」という趣旨ならば、東京都が電力供給主体になると言うべきでしょう。これならまだわかります。

一方、東京「都庁」の姿勢という趣旨ならどうでしょうか?この場合は、都庁の電力供給契約のあり方の問題となってきて、これは様々な取り組みが考えられるでしょうね。都庁の分だけ電力を自前で用意というのなら、そういう政策はありかもなという気はしないでもないです。

このように、「脱原発政策」という言葉は、様々な意味合いが考えられるわけです。記者会見だから致し方ないのかもしれませんね。これから詳細に出てくるのかもしれません。

個別に何をするのかが曖昧なまま、ただ「脱原発政策」と言われても、正直ポカーンとしてしまうんですよ。何をしたいのかが全くわからないわけですから。

問題はここから先です。
上記のような、脱原発政策の意味がわからないと表明すると、すぐに「ご熱心」な方々が、「半田は脱原発に反対なのか?」とこうなってしまうんですね。かつてTwitterで原発絡みの発言で嫌な思いをしたので、それ以降はなるだけ封印しているのです。

私事で恐縮ですが、私の実家も妻の実家も、それぞれ原発の影響をそれなりに受けている地域であり、私は人一倍、脱原発に熱意を感じているという自負があります。その私が、脱原発関係の発言を控えるようになってしまったのです。

こういう思いをした方、他にもいらっしゃるんじゃないでしょうか?脱原発の論点を深めたいのに、一方的に何かしら言われ、もういいかと諦め、口を閉じてしまう…そして、選挙があれば、一部の人だけが「脱原発政策」という「曖昧不明確」な言葉に酔いしれて、内輪向けの運動を展開し、それで自己満足する…負けたら相手をおかしいと言う…もしくは内ゲバが始まってしまう…

舛添さんについての前回のエントリーで書いたように、所詮首長選は相対得票率が全てですから、いくら相手を悪く言おうが、内輪もめしようが、結果は既に見えているのです。
にもかかわらず、先ほど書いたような状況が発生してしまう…こんなことで世の中が動くわけがないと考えます。

都は越境売電路線始めある程度のことはやっています。こういう現実を踏まえて、さらに「脱原発」の姿勢を深めるという姿勢ならまだわかるのですが、ただ「脱原発」というだけなら、逆に論戦で負けてしまうのではないか?という気がしますね。現状を踏まえた上での議論にならないと、どうしようもありません。

宇都宮さんにおかれましては、ぜひ具体的な脱原発政策の各論を示して頂きたいものです。これは期待したいですね。原発というだけで、妙な言い争いに巻き込まれるのは嫌だという層も、個別具体的な脱原発政策の各論が出て来たら、それはそれできちんと検証するのではないでしょうか。
言うまでもありませんが、宇都宮さんの良い悪いを言う気は毛頭ありません。とある論点の政策を、政策として、きとんと比較したい…ただそれだけなのです。

今から具体的に発表に値する論点集を練り上げるのでしょうか。イメージで終わってしまう脱原発という言葉は、実は各論はこれだけあって、そのうち都はこれは済んでいるが、これは手つかず…といった具体的な論をぜひ期待したいと思います。