議長交際費の実態…三鷹市議会の例を参照しながら | 半田伸明のブログ

議長交際費の実態…三鷹市議会の例を参照しながら

議長ともなると、いろんな式典に顔を出す機会が増えます。その際、議長交際費から会費他支出されるケースが良くあります。三鷹市民の市税から出される議長交際費。その実態を見てみましょう。


2010年度について4月から2月の11か月分で見てみます。63件の支出で456,450円。慶祝5件3万円、弔慰11件156,500円、接遇3件34,450円、会費44件235,500円となっています。


では個別に見ていきましょう。
まず慶祝の実態です。


・三鷹武道館創立四十周年記念式典・祝賀会祝金5千円
・旭日小綬章受章記念祝賀会祝金1万円
・ほたるの里三鷹村収穫祭祝金5千円
・三鷹市ちびっ子農園秋の収穫祭祝金5千円
・三鷹防犯協会新年会祝金5千円


となっています。受賞記念祝賀の祝いに税を支出していることは疑問を感じます。また、防犯協会については、 新年会につき会費扱いではなく祝金扱いになっているという違いがありますね。議長が個人として祝うのに現金を出したら公職選挙法など様々な論点が出てきますが、議長交際費だと問題なしというのはおかしな話ですね。


次に接遇の実態です。


・被爆65周年原水爆禁止世界大会賛助金1万円
・原水爆禁止2010年世界大会賛助金1万円
・消防団歳末特別警戒巡ら激励品代14,450円

となっています。消防団の方々の歳末警戒については敬意を表しますが、とはいえ、激励と証する支出を税で賄

うことには疑問を感じます。どんな「激励」を受けたのでしょうか。言い換えればどんな品で激励をしたのでしょうか。このように見ると不思議な感じがしますね。


次に会費の実態です。金額は2千円から1万円と様々ですので、個別には割愛します。懇親会、新年会でほとんどのようです。せっかくなので全部実態を書くことにします。ここにも議長は顔を出していたのか!とか、ここには市の補助金がいっているのではなかったかな?とか、そのような観点で見ると、不思議なことの連続です。


・JA東京むさし三鷹地区青壮年部定期総会懇親会会費
・北多摩東地区保護司会定期総会懇親会会費
・社団法人 東京都宅地建物取引業協会武蔵野三鷹支部懇親会会費
・NPO法人なかよし会記念式典祝賀会会費
・三鷹危険物安全会・三鷹防火防災協会・三鷹防火管理研究会三会合同懇親会会費
・三鷹商工会創立50周年記念式典祝賀会会費
・三鷹市教育委員会・三鷹市公立小中学校校長会・三鷹市公立小中学校副校長会三者合同歓送迎会会費
・みたか都市観光協会通常総会懇親会会費
・三鷹交通安全協会定期総会懇親会会費
・三鷹防犯協会定期総会懇親会会費
・三鷹市商店会連合会通常総会懇親会会費
・第86回警視庁警察署対抗剣道大会祝勝会会費
・三鷹市建設業協会設立50周年記念式典会費
・三鷹市市民文化祭レセプション会費
・社団法人 東京都三鷹市歯科医師会忘年会会費
・特定非営利活動法人 みたかハンディキャブ懇親会会費

ここまでが4月~12月です。

圧巻は年明け1月以降です。新年会の嵐です。これも全部実態を書きます。

・三鷹市老人クラブ連合会新年会会費
・三鷹市体育協会新春懇親会会費
・三鷹市飲食業連合組合新年賀詞交歓会会費
・三鷹駅前地区連合商店会新年会会費
・NPO法人三鷹はなの会新年会会費
・三鷹警察署武道始式・懇親会会費
・東京土建一般労働組合三鷹支部年旗びらき会費
・三鷹市芸術文化協会新年会会費
・三鷹青年会議所賀詞交歓会会費
・四会合同賀詞交歓会会費
・三鷹市遺族会新年会会費
・三鷹商工会新年会会費
・シルバー人材センター新春交流会会費
・三鷹市管工事業協働組合賀詞交歓会会費
・三鷹市商店会連合会・三鷹商工会商業部会幹事合同新年会会費
・三鷹市消防団新年初顔合わせの懇親会会費
・三鷹南銀座商店会新年賀詞交歓会会費
・三鷹市立幼稚園協会園長会新年会会費
・三鷹市身体障がい者福祉協会新春懇親会会費
・三師会新年賀詞交歓会会費
・東麺協武蔵野三鷹連合会新春祝賀会会費
・三鷹交通安全協会新年会会費
・三鷹の森通り東栄会新年会会費
・三鷹市農業団体連絡協議会定期総会合同懇親会会費
・東三鷹商店会総会・親睦会会費
・三鷹阿波踊り振興会定時総会懇親会会費。


補助金交付先の新年会に顔を出すという発想が半田的には信じられません。さらに、こういう出席に伴う費用が税金から出されているという現実を納税者はどう見るでしょうか?議会改革と口で言うのは簡単だが、真の議会改革は議長交際費にメスを入れられるか否かで決まると考えます。


しかも、議長交際費にメスを入れることができるのは誰でしょうか。これは議長そして副議長に他ならないと思うのです。なぜなら予算があっても、使わなければすむ話だからです。議長は田中順子氏(自民系、政新クラブ)、副議長は高谷真一朗氏(民主党)でした。


半田が見る限り、議長交際費は弔慰以外は不要です。少なくとも補助金交付先から新年会や懇親会の案内が来ても、丁重にお断りをするなどのセンスが重要です。議長交際費は、まぎれもない血税の支出に当たることを絶対に忘れてはいけません。


更に言うと、弔慰についても、必ずしも香典や生花を出さなければいけないということはないはずです。これもセンスの問題です。「わが市議会では、税支出につき取り決めをしておりまして、絵葉書で失礼いたします」というのもありだと思うのです。


それにしても、そもそも、これだけ多くの団体の行事に顔を出すことが、議長の仕事なのでしょうか?皆さんはどう思いますか?