9月28日、29日と岩手県は大船渡市で開催された第一回『気仙空想文化祭』。

沢山のお客様、沢山の先輩方に囲まれたとても暖かいライブイベントになりました。
その模様をいつものように‘短文’で記しておきたいと思います。

《左から、半田、水木さん、うちやえさん、高取さん》


本イベントの出演オファーの話は夏前に遡ります。この時はまだざっくりとした概要しか伺っておりませんでしたが、出演者の中にあのアニソンの‘帝王’水木一郎アニキの名前があった事と、旧友の村上幸平さんとの揃ってのオファーであったことで二つ返事で引き受けさせて頂きました。

このところ村上さんと一緒になる事が本当に多くファイズ以来の縁が16年間継続している事に喜びを感じます。



岩手県は初めてだったかな?仕事で経由したことくらいはあっても現地の方々と交流を持つのは今回が初!
狭い日本だけどまだまだ全然制覇していないもんだなぁ…



前日27日にリハーサルの為に前乗り。
新幹線と車を使った約4時間の移動でした。旅行気分で身支度をしていた為、道中は快適♪
買い込んだCDをカバンに数枚つめて(僕は未だポータブルCDプレイヤー。理由はMP3化してしまうと盤を買った実感も記憶も薄れてしまうため)まるで義務感のように順番に聴きあさります。長距離移動がある前に新譜(音源は古い物だが…)をまとめ買いするのは昔からの事で、この習慣が今日の自分の知識の蓄えになっています。

んなことはいいのだ。


現場に到着!



想像以上に広い会場とフカフカの天然芝には驚かされました!
芝を踏むと元サッカー少年の血が騒ぐね〜



リハーサルはまず水木一郎アニキからスタート。


歌手歴50年以上のボーカルを真近で見学出来る事はこの上なく贅沢であります。
リハーサルだからワンコーラスずつくらいかな?と思っていたらなんと全曲フルコーラス歌唱!
こんな事を先輩にされてしまったら自分だけペロっとワンコーラスだけなんて許されません…

と言うわけで僕も三曲をフルで歌おうと決めてステージへ。
すると目の前でアニキがこちらを見ているではありませんか!





変な話ですが数百のお客様より一人の先輩に見られる方が緊張はするもんなんですよ笑

おっかなびっくりでリハーサルをスタート。
一曲目に村上さんとのデュエットで恒例の「ジャスティ・ファイズ」を歌唱。しかし今回はゼットキさんよる生演奏なので俄然テンションは上がります!
実は都内で一回やった音合わせの時はキー変更の話がゼットキさんに伝わっておらず、原キーでイントロが鳴り始めたんです。違和感を感じつつもこの時も高取ヒデアキさんがいらしたので、いいとこ見せようと思い頑張ってみたら、原キー出た!笑



先輩パワーって偉大だわ…



アニキに見守られながらもリハーサルは順調に進んで行きました。すると終わる頃アニキが声をかけて下さって、なんでも僕の作る歌がとても良いと!
歌った歌は『危ない橋を渡るな』『明日にはわからない』『ライダーの朝』の三曲。


で、面白いのがこんな事をアニキに言われたんです。



「半田くんはさ、野口五郎クンとかどうなの?」



「!」



アニキ…僕のパンドラの箱を開けてしまいましたね😏
何も話していなかったのに歌い方や風貌から五郎さんへのリスペクトを嗅ぎつけられたようで…笑

そこで僕は「五郎さんだけは僕の中でちょっと別格で、神的存在なんです…歌から何から何まで…」とお答えしたところ、アニキも



「そう言った存在が自分の中で有る方が伸びるんだよ。良い事だゼェーーート‼️」(ゼェートは言ってない)



と仰って頂けました🙏🙏




高取ヒデアキさんとゼットキさんのリハーサルもまた見ものでした!
もちろん全曲フルコーラスな上、ワイヤレスマイクを利点を生かし高取さんは客席に降りて‘外音’を確認。



その時の様子がコチラ笑
アニキはしゃぎ過ぎ:(;゙゚'ω゚'):



ピクニック気分で(途中プレッシャー有り)リハーサルを全て終えてその日は皆さん一同で食事会に。
僕はアニキに質問責めをし、その様に高取さんがつっ込む構図が完成していました。




さて明けて、いよいよ本番🎤

今回の出演者を攫っておきましょう。
・テウチライブ(樹元オリエ、榎本温子、五條真由美、うちやえゆか)
・DJシーザー
・純烈(29日のみ)
・半田&村上
・高取ヒデアキ
・ZETKI
and
・水木一郎




僕らのステージは初日をメインに展開しました。


村上さんも新曲を出されたということで高取さんとコラボしつつ楽しそうに歌っておられました☺️
村上さんもかなり音楽好きですからね!詳しいし、視点がシビアなので話していると逆にハッとさせられたり。村上さんにオリジナル曲書いて差し上げたいわ🎼🖋



僕はと言うと例の如く発売してない歌を歌唱。商売っ気のなさは昔からなのです。というか全て自作なので良くも悪くも各歌に対して義務感があまりなく、これは歌っておかなきゃ!がない。
全部そのライブ毎の会場、お客様の層に合わせることに重点を置いた選曲をしています。


でも『ライダーの朝』は結構笑いが出てくれて嬉しかったです。最近お気に入りの歌謡verは以前のフォークverより実はシュールなのです。
音源化は予定していませんが、今後これはライブの定番にしてみようかな。以前は少しきつめだったキーも五郎さんからアドバイスを受けて以来出るようになりましたし!!

また聴きに来て下さい👋

爽やかな秋空の下で歌うというのもまた新鮮でしたね。あの開放感は箱では味わえません!






二日目は純烈さんの登場でより賑やかな雰囲気になりましたね!


純烈さんの歌は漠然とラテンムード歌謡のイメージだったのですが、今回ステージで聴かせてもらったラインナップはポップス寄りのものが多く印象が変わりました。全員を特撮経験者で固めた新しい歌謡曲にはこれからも期待です。
人気者が歌うことで初めて歌謡曲は成立します。これからももっともっとビッグになって歌謡界に君臨していって欲しいです!
僕は楽曲提供で力になれればと(意外と真剣に考えておりますのよ)




水木一郎アニキのオンステージはまさに圧巻。
歌手としての力量は言わずもがなですが、そのラインナップは日本の宝物です。
人は大人になってから好きになるものより、幼少期に憧れたもので礎を作ります。よって特撮ヒーローソングやアニソンは日常では聴かなくなったとしても、ひとたび耳にすればたちまち‘あの頃’の夢や憧れが蘇る魔法です。
その魔法の使者、それが水木一郎という歌手です。



この度知ったアニキの歌でとてもとてもいい詞がありましたので、その一部をここにご紹介させて頂きますね。

『東北合神ミライガー』
詞・高橋大
立ち上がるなら 手を貸そう
歩き出すなら 背を押そう
正義の味方である前に
キミの味方であるために



‘正義の味方である前に キミの味方であるために’


正義の定義については以前も少しブログで書きましたが、これは答えの出ない議題なんですね。
立場によって変化していくのが正義の基準。

ならばどうだろうか?

そんな難しい言葉の元、英雄を気取ることより、まず目の前に愛する人がいるならば、守りたい人がいるならば例え世界中が敵に回ろうが最後まで味方でいること。

大衆の顔色を伺いながら立ち回ってしまうのが人間です。それは人間が知識を知恵に変えることが出来る能力を得た時から脈々と引き継がれた生きる術なのかもしれません。
故に否定し難い性分ではありますが、もし自分の身近に本気で味方でありたい人が現れた時、何をしてあげれるかではなく味方であり続けることが一番尊いことなのだと、この歌は語っているように僕には響きました。




二日目のフィナーレには出演者全員がステージへ!
最後にみんなでメドレー大曲『懐かしくってヒーロー』を合唱!

僕らは仮面ライダーとガッチャマンとウルトマンのパートを頂きました✌️




とにかく出演者全員も笑顔が絶えないライブとなり、ステージから見えるお客様の中にも沢山の笑顔を見つけることの出来たハートフルなイベントとなりました!
座長であったアニキの士気の高め方もさすがで、改めて素敵な会に参加させて頂いた実感とともに『気仙空想文化祭』は幕を下ろしました。







最後に。
東日本大地震から8年。十年ひと昔と言われるまであと2年というところまで時間が流れました。
僕は小学生の時に阪神淡路大震災を経験し、この大船渡市同様に復興とは何かというものを肌で感じてきた記憶があります。
その中で、忘れてはいけないことと忘れてしまった方が楽だという記憶の整理が難しく、これもまた正解のない議題になると思います。

高くそびえ立った真新しいコンクリート堤防に囲まれた港町。海の見えない港町。
同情という言葉は使うつもりはありません。そこにいなかった僕らには到底分かり得ない事なのですから。
新しい時を歩み始めた町で僕らができること、僕らにしか出来ないことをさせて頂く他はありません。


この度は大船渡市の皆様に呼んで頂けたことに心より感謝致します。







半田より。