第26話・デルタ登場

全50話の仮面ライダーファイズもいよいよ折り返しです。

人の記憶というのは実にいい加減に出来ていて、情報の断片と時系列が一致していないことがままあります。
デルタの登場は僕の中では後半三分の一あたりからの印象だったので、このタイトルを見てクリビツです。



撮影を開始して間もない頃、アクション監督の宮崎さんがこんな言葉をかけてくれました。



「一年間て途方もなく長いと今は思ってるでしょ?でもね、三カ月過ぎた辺りから加速がついて半年過ぎたら、残りはホントにあっと言う間にだからね!
頑張りましょう^_^」



振り返ってみると監督の仰ったことは本当で、まさにこの辺りから時は‘アクセスモード’で過ぎて行きました。

だからデルタの登場時期も、ざっくり後半…という記憶に変えられていたのでしょうね笑。




さて、そんな折り返しはファイズ恒例の食事のシーンから始まります。
井上敏樹先生の中で食事というものは、非常に重要な人生のパーツらしいのです。ご自身も料理にはこだわりがお有りですし、


(井上語録)
「金はメシに使うのが一番贅沢なんだよ。食べたら無くなるものに使うって所な。
お前もギターばっかり溜め込んでんじゃねーぞ笑」




…と一喝されてしまいましたΣ(゚д゚lll)




まぁ贅沢の基準は人それぞれで良いの!



のび太くんは眠たい時に寝ることが贅沢だと言っていました!



話は啓太郎の仲間外されっぷりから展開して行きます。
‘黙って梅干しでも食え’という巧の台詞は巧なりの啓太郎への最大限の配慮なのでしょう。
無視が一番いかんですからな。

その流れでいじめられっ子だった過去を爽やかに告白。吹っ切れているようで良かったです!



いじめ問題については持論もいくつかありますが、デリケートなところですから言及は避けた方がいいのかな。

でもひとつ思う事は、いじめを仕掛ける人ってたぶん自分が一番愛されたかった人からの愛を何らかの理由で受けられなかった人に多い気がします。
でないとあえて人を傷つけようという発想に人はならないんじゃないかと。




この回で初登場の‘沢田’は、今をときめく綾野剛さんが演じています。
年上ですが僕は‘剛くん’と呼ばせてもらっていたので、その呼び名のままここには記させてもらいますね。



剛くんの印象は真面目で物腰の柔らかい人といった感じでした。沢田のポーズである片手でマッチをつける練習をずっとして指を焼いていたり笑
ファッションに詳しかったのでよく服の話をしていましたね。オフの日に一緒に買い物に出かけたのはファイズキャストで剛くんだけでした〜

途中参加でありながら最大限にファイズという作品を理解しようという気持ちが現場でも現れていて、沢田もまた剛くんでなければ成立しなかったと言えましょう。



これ書いたら怒られるかなぁ〜…でも印象上がると思うのでタレコミますね!



番組も終盤になったある日、出演者数人で芳賀さんの自宅(ご実家)に伺う機会がありました。
その道中、剛くんがコンビ二に寄り買ってきた物はなんと‘T字カミソリ’!!


何をまた??と思った途端、おもむろにその場で封を切り、そこに停めてあったスクーターのバックミラーを覗き見て髭を剃り始めたではありませんか!!( ゚д゚)
もちろんシェイビングフォームなど無しで直に刈り込みに入ったため、地肌からは軽い流血…

何故そんなワイルドな行為に及んだのかその時は理解不能だったのですが、聞いてみるとこんな回答が返ってきました。



(剛くん談)
「いやさ、優里亜が髭生やした男は好きじゃないって言ってたから…」



…ほぉ〜〜_φ(・_・…



いやはや、その気遣いの方向性だけなら僕にもない事はないですが、場所場所っ!笑笑

しかも血まで流して…

誤解の無いように補足しておきますが、この一連の行動の目的は剛くんのジェントルな精神がもたらせたものであり、決して‘良く思われたい’とかではないということを断言しておきます!



以上、女性に優しい綾野剛エピソードでした。👏




本編の話を全然書いてないな。

沢田もですが。もう一人の初登場を書いておかねばなりません。

啓太郎のバイト募集広告で訪ねてきた、木村沙耶さん!



巧の言う通り、経営がカツカツの状態でなおバイト募集をするあたりに啓太郎の経営ビジョンの見通しの甘さを感じざるを得ません。

しかしこの木村さんはあらぬところで巧のハートを掴んでしまいます。それは…




‘猫舌同盟!’



他人に興味がなく、まして女性に見向きもしない巧が木村さんが猫舌と知るやいなや今までに見せた事のない表情で自己紹介をしちゃってます!
意外とまあまあなコンプレックスだったのでしょうか、、
猫舌設定もまた井上脚本の拘りポイントで、巧から猫舌をとってしまうと‘可愛げ’の要素が一気に欠乏してしまうため必須項目だったとか。

当の半田自身はというと、冷めたコーヒーが出てくるとぶんムクれてしたまうような体質のため、お芝居していても本当の猫舌の気持ちは最後まで分からず終いだったんですね〜。
ちなみに猫舌のアクションも宮崎さんに指導して頂きました。



「あんなもんじゃね…冷めないんだよ!」



ってね笑





沢田はオルフェノクとしてラッキークローバーの目にとまるほどの優秀な活動を展開していきます。

ローカル路線バス大量虐殺に始まり、ディスコテロと一体何人を殺害したのか…

この二件は現実なら間違いなく‘平成の大虐殺劇’として語り継がれるような事件。警察は何をしている!
しかしそんな沢田ですらまだ完全に人間の心を捨てきれていない様子です。



人間の心とはなんなのか。



デルタベルトを巡る争いは友情を崩壊させ、人を変えてしまった。
これも一方では人間の心を無くした人たちの姿なのです。



そこに気付いている巧と草加はある意味真っ当な心を持っている表し。さすがストーリーを引っ張ってるだけあるな笑




26話のラストシーン、露わになったデルタの姿。



改めて見るとファイズに比べると明らかに‘ワル’な顔をしています!






つづく。





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