『告白』編、『めぐり逢う青春』編、『君が美しすぎて』編と三回に渡り書かせて頂いた僕の野口五郎さんへのこだわりと想いについてのシリーズ。

完結させたつもりでしたが、前言撤回!




続けます。




だいたいたかが三回で(しかも短文😌)で五郎さんを語りきれるわけなどないのですから。




僕は野口五郎作品への知識にはもちろん自信があり、特に初期作品は音質や曲調の好みも相まってかなり聴き込んできました。(イントロクイズ出来ます)
しかしそんな僕が、とんだミスをしていたことに気づいたのです!

僕がずっと聴き続けていたのはいわゆる‘スタジオアルバム’ばかりだったのです。
これが何を意味するか…




そう!




‘リサイタル盤’を一回も聴いていなかったぁーー😱




…。言い訳させて下さい✋

実は五郎さんに限らずその他全てのアーティストに対しても言えたことなのですが、僕はいわゆるリサイタル盤やライブ盤といった作品が少々苦手なところがありました。

その理由をはっきり挙げることも出来ます。

・まず音質。スタジオのレコーディング設備に比べるといくらか簡素な録音になるため、楽曲の持つ本来の狙いの再現性が乏しくなりがち。

・次にバンドの編成の違い。会場によりスタジオ録音時とは違う編成を組むことが多くなる為、オリジナル編曲と違ったものになりがち。

・収録曲にオリジナル曲を減らしてまで、洋楽を混ぜがち(五郎さん…すいません…)。

・マイクに息が当たる音が好きではない(五郎さんは声量があるためマイクとの距離がありその心配はありませんが)。

・歌手によっては、びっくりするくらい歌がガッカリする…笑

等々…音マニアである僕からすればライブ盤はデメリットが多い作品という烙印を押してしまっていました。
しかし、先日の五郎さんとの久しぶりの再開(映画ではありませんよ😆)を期に改めて五郎さんの魅力にやられてしまい、未開拓であったリサイタル盤を一気に購入し聴いてみることにしたのです。



したらば…



僕は誤解を長年していたこと気付かされました…



野口五郎というアーティストは、、、ライブアーティストであった!!!



もちろんスタジオワークにおける徹底ぶりも業界随一であるため、そのイメージに引っ張られていたのです。



ちょっと色々書きたいことがあります。着いて来て下さい!まだ半分も書いてませんので笑。



まず最初に聴いてみたのは72年6月25日発売の『野口五郎、日本縦断コンサートより/GORO ON STAGE』です。
感想より先に入ってきた印象としては、冒頭より響き渡るファンの方々の‘黄色い声’!!
しかもミクサー前田劤一郎さんの判断なのか、ポリドールディレクター沢田宣博さんの采配なのか、歓声と音楽のボリュームのバランスがおかしい!笑
早い話が歓声が大き過ぎて音楽が少々聴きにくい…

ところがこれ、不思議なもので聴いているうちにこのバランスの方が自分がまるで‘その会場’に居るような錯覚に陥ってくるんですね!
それだけではありません。これまで五郎さんの楽曲を各パートを分解するまでに詳しく聴き込んではずが、ライブ音源を聞くことで初めて作家の先生方の本当の狙いを知ることが出来るのです。

つまりファンの方々の黄色い声は、楽曲を構成する為の大切なパートの一つ!プロの先生方や演奏家の皆さんだけでは音に変えられない、‘譜面に書けない編曲’なんだと!!

いや〜、目から鱗でした。。

特に『クレイジー・ラブ』とかの盛り上がりは最高ですよ。男の僕でも気持ちがわかります!
キャーーッてなる!言いたい!(´Д` )



そんな‘ライブアーティスト五郎’に魅了されていた真っ最中のこと、とんでもないタイミングで五郎さんからあるお誘いを頂きまして…

ちょうど先日頂いたお花のお礼をお伝えしていた中で、11日の西新井のコンサートに誘って頂きましたぁーー!!🙏


こんなタイミングってありますでしょうか?!!
期待に胸を弾ませ過ぎている僕に五郎さんは

「昔の僕じゃないからね!笑」

と、鎮静剤を打って下さいましたが効くわけありません!
というのも単にタイムリーな体験が出来ることだけに僕は喜んでいるのではなかったのです。

ここ数年僕はいくつかの音楽作品を発表しライブも継続しているのですが、実のところボーカリストという点でひとつの山に差し掛かっている感覚がありました。これは自分にしかわからないものですが、なにかもう一つ向こうの景色が見れないものか…一皮剥いてみたいがその方法がわからない…と言った具合です。
そこで僕の歌の原点である歌手・野口五郎さんから本気で何かを学ばせて頂けないかと考えていたのです。
頑固者な自分ですが、五郎さんの言うことなら自然と理解できる確信もありました。


その事をお伝えしたらなんと五郎さんはリハーサルから見に来て貰ってもいいとおっしゃってくれたのです!

リハーサルで見る五郎さんの歌声はとてもリラックスしておられて、それでいてとんでもないハイトーンを軽々と出されます。これにはどんな秘訣が…
まるで取材班のような目付きで僕は見学をさせて頂きました。自分で言うのもなんですが、見ているだけで何かが身体に吸収されていくような感覚です。下手なレッスンより心から尊敬する方を生で見てみる事の大切さを実感しました。



さていよいよ本番です!
今回のライブタイトルは『Goro Noguchi Concert Tour 2019 Song For You 〜歌達を貴方へ〜 西新井文化ホール』
1971年から2019年というとてつもなく長い時間を歌手として生き、歌い続けておられる事って凄いことです。凄いより上の言葉があればそれを使いたいくらい!


一曲目から『愛の讃歌』です!普通ならラストに持ってきてもおかしくない歌を最初に歌えてしまうレパートリーの余裕にまず感服。

かと思えばMCでは‘五郎師匠’と言わんばかり噺家っぷり…勉強なりますっm(__)m

最近使い始めたというフェンダー製のストラトの音は、ご本人は少し硬いかな?とおっしゃっていましたが客席から聴く分には凄い良い音してましたよ!
リアがハムなので耳にも痛くならず、五郎さんのプレイスタイルに凄くマッチしておられました!
五郎さんギタートーンはやはり中域がミソです。あの粘りは一聴しただけでGOROトーンとわかるもので、歌と会話するよう弾く時にも五郎さんの歌声と合うんですよね🎸


そして!


ライブの中盤になんと僕の夢が叶う瞬間が用意されていたのです!!


まずその‘夢’とやらの説明からしなければなりません。先に書きました通り、五郎さんのライブ音源の魅力のひとつにはあの‘黄色い声’がありました。レコードを繰り返し聴いている内に僕は変な感情を抱くようになってきたのです。



「僕もゴローーーッ!!とかキャーーとか言いたい…言ってみたかった…」



…しかしこれはあくまでアイドル時代の五郎さんのライブスタイルであり、今の五郎さんにその環境を望んではいけないのだ…
と当時現場に立ち会えた人達を羨ましく思って諦めておりました。



ところが!!!



五郎さんの発案で、今一度あの頃を思い出して‘黄色い声’を出してみませんか?のコーナーが!∑(゚Д゚)
しかも歌はあの『クレイジー・ラブ』と来たじゃありませんか!!!

突然の提案に1回目は流石にみなさんにも照れがあったのか少々控えめに…笑

これに対して、もっと出来るよね?と言わんばかりに何度も演奏をリスタートしてボルテージを高めていく‘アイドル五郎’!!

僕もみなさんに混じり負けじと絶叫です👏

「ゴローーッ!😫ゴローーーーッ!!😫」

周りに男子は居ませんでしたが関係ありません!
この体験こそが夢がひとつ叶った瞬間なのですからᕦ(ò_óˇ)ᕤ

4回目にはまるで当時と聴き分けがつかないほどの‘あの悲鳴’に会場は包まれました。


なんと美しい瞬間でしょうか!!


この‘クレイジー・ラブコーナー’は今後の定番にして欲しいです✨



さてさて、興奮ばかりしていてはいけません。
ライブを観ている内にある事に気づかされました。
普通これだけ長くやって来こられた歌手ならば、大抵の場合は初期、中期、今のと言った風にイメージの区切りがついてしまいそうなものなのですが、五郎さんにはそれを感じません。



「ずっと続いている」



これなんです。
アルバム作品に見ても、一作一作が前後作とクロスフェードをするようになだらかに現在に繋がっていて、そこには一回も終止線が引かれた跡が見当たりません。とても長いメドレーのよう!
だから‘昔の五郎さん’とか‘今の五郎’という分け方が存在しないのです。
故にあえて当時の事を堂々と伺えたりする自分がいたりします。

ライブでどの時期の歌を歌ってもそれはあの頃の歌ではなく‘今日だけの歌’として聴かせてくれる五郎さんは本当に不思議な人です。
何者ですか?!




最後に。
コンサートを見終わった自分はなんだか体調に変化を感じました。体が軽く、眉間のあたりが解放されたような…
感動したから?学習出来たから?楽しかったから?
きっと全部の要素がトータルで作用し心身共に浄化されたような、そんな気持ちです。

音楽や人の声にはきっと浄化作用があり、五郎さんの歌声にはその成分が多く含まれているのでは??

あまりこの方向で話をすると、スピリチュアル的になってしまいますが是非とも科学的に検証して貰いたいものですね!




五郎さんがMCで話してくれた話。
「昭和はアナログの時代で、そこには確かに‘匠’がいた。しかし平成を経て令和の時代にはデジタルが社会を構成し、匠に求められるこコンテンツが少なくなっていっている。みんな無意識かもしれないけど愛に飢えている。」



確かにその通りだと思いました。しかしかく言う僕もデジタル機器には随分とお世話になっている今日があります。こうして自分のメッセージを発信出来ているのもデジタルの為せる技術です。
でも最終的に、人間は人間にしか真の感動を得えない生き物でもあると思います。
感謝もまた同じ。感謝とは愛そのものです。

ならば便利な機械たちに感動や感謝、愛の‘お手伝い’をして貰いましょう!
主軸はあくまでも、いつまでも人間です。

それさえ踏まえていればこれからの世の中や人生はもっと豊かになって行きそうです。楽しみですね!



五郎さんは‘歌の匠’。
僕は乾巧(これ説明が必要なボケでした…)。



タクミ同士ご縁を頂けたことに感謝!



これからも色々学ばせて下さいね!



歌を聴かせて頂いてありがとうございました😊🎤






半田より。