〜野口五郎さんご本人との出会いの話〜

あれは僕がこの世界に入り6、7年目くらいだったでしょうか?
日本テレビのお昼の帯番組のコーナーで僕がレポーターとして往年のスター歌手の方々と思い出の地を巡るというものがありました。毎週一人のゲストがお越しくださり、ほんの10分強のコーナーではありますが生放送でしたので現場はなかなかにしてスリリング。
そこに五郎さんがキャスティングされたのです!

と、言いますのも実は番組が始まる前に行われたスタッフミーティングの場で、僕は予め野口五郎さんの名前をゲストリクエストとして挙げさせてもらっておりました。それを踏まえて下さった日本テレビスタッフの皆さんが割と早い段階で五郎さんにオファーをかけてくれたそうです!
願い叶い当日。普段であれば構成台本に目を通して進行を間違えないことに意識を集中させるのですが、この日ばかりはソワソワが止まらない…片手には私物の五郎さんのLPを抱えて現場入りしました笑

ロケ地に到着し、五郎さんが控えておられる喫茶店に向かいます。薄暗い店内の奥の席に居る…いらっしゃる!(ここはまさか『参番館』なのか?!)
ご挨拶をして打ち合わせが終わると早速レコードを出し、サイン…じゃないんですよ、目的は。
持参したLPとは『GORO IN ROOK』
【五郎さん初のロックアルバム!…と言いながら編曲が全曲馬飼野俊一先生のためか、切り離せない歌謡臭がなんとも魅力の作品。「霧の少女」は名曲!それにしてもこの時期の前田劤一郎さん(ミクサーエンジニア)の録られた音は本当にカッコいいです。今あのドラムの音はどうしたら再現できるのか…】
見開くとそこにはギターを抱えた五郎さんが現れるアレです!


ここで抱えているギブソン・レスポールカスタムが五郎さんの私物なのか小道具であったのかを知りたかったのです笑

答えは私物!

事務所にご褒美で買ってもらったギターだと知ることが出来ました!
そしてちゃっかりサインも頂きましたm(__)m



なぜレスポールカスタムにしたのかを今度伺わなければいけませんね🤔
あとベースはある時期まではプレシジョンベース一本しかお持ちでなかったみたいなんですが、なぜジャズベースじゃなくプレシジョンだったのか…
あ、ウィル・リーさんがプレシジョンだったからかな??


〔余談ですが僕はジャズベース党なのですがそれはスタジオミュージシャンの寺川正興さんの影響です。五郎さんの歌では『オレンジの雨』が寺川さんですね!〕



この時は現場もバタバタで初対面でしたのでご連絡を伺うなんて発想は到底浮かばず、ただただ羨望の眼差しで五郎さんを眺めておりましたm(__)m




それから数年が経ち、予想外の機会が訪れました!
僕がMCを勤めていた深夜帯の音楽番組『ミュージック・バース』という番組で途中からなんと五郎さんがレギュラーコメンテーターとしてご参加下さることになったのです!

毎週会えるじゃないか!!!

これでギャラまで頂けるなんて芸能界ってやはり最高だわ…もちろんMC業は真面目にやりましたが🙄


こんなことがありました。
その日の収録はライブハウスを借り切っての収録であったため楽屋が足らず、レギュラー陣は近くのカラオケボックスを楽屋代わりにしていました。

僕は思いついてしまったのです。

五郎さんの部屋に伺って僕の歌を査定して頂こう…と。ニヤリ

手始めに『青い日曜日』、『めぐり逢う青春』と馬飼野先生ナンバーを!
そこで五郎さんから頂いた感想を僕は今でも鮮明に覚えています。


半田
「ど、どうでしょうかね…?」

五郎さん
「…うん。そうゆう歌だよね…合ってます。」


???


これは良い風に捉えてもいいものか?!!



真意を確かめるべく懲りずに続けて『君が美しすぎて』をスクランブル発進。



そしたらなんとサビで五郎さんが上でハモり出したではありませんか!!😱
しかも僕はマイクで五郎さんは地声!

レコードで聴く五郎さんの歌声は繊細なイメージでしたが実は凄い声量です。こんな贅沢な思いを本番前にさせて頂けるなんて、またしても芸能界って凄い…と半ば素人に戻ってしまうような体験でした。


この番組の収録日は僕にとっては半分五郎さんへの取材日!
毎回質問に次ぐ質問で色々なことを教わりました。
マイクはノイマンu67であるとかコンプレッサーはureiを使っていたなど、ほとんど制作環境についての質問だったのですが笑
このやりとりが前稿で書いた‘誤解’を生んでいたのかもしれませんね…

違うんですよ、五郎さん!

このような話をして的確に答えて下さるミュージシャンは日本広しといえど野口五郎さんくらいしかいないんです!
(それを証拠に秀樹さんや郷さんとご一緒した現場ではこういった話はしていません笑)
しかも僕のドストライクのジャンルを歩んでこられたわけですから、僕のやりたい音楽を遂行するためには五郎さんのアドバイスなくして成し得ないと言うわけです。




ちょっと個人的な話になるのですが、現在僕が所属しているプロダクションはこの時の番組制作を担っていた会社なのです。

僕は二十代半ばになり方向性や考え方の相違から、それまで僕を育てて下さった事務所から退社する決意をしました。
一時は宙ぶらりんになってしまいましたが、そんな時の僕を気にかけて下さったのが『ミュージック・バース』を制作していたウッドオフィスと言う会社でした。
番組内における五郎さんと僕のやり取りを評価して下さっていたようです。

以上のことから五郎さんにはそんなつもりはなかったとしても、僕からすればこの番組がご縁となり今日の半田健人が在る。

つまり野口五郎さんは僕の恩人でもあるのです。

あまり言うと逆に気を使わせてしまいそうなので程々にさせて頂きますが、まわりまって本当に感謝しております。
もちろん五郎さんの他、力を貸して頂き動いて下さったスタッフの方々にも!!




人生は全てが繋がって一本の道になっています。良いことも悪いことも。




めぐり逢いが人生を作っていくものだと僕は信じています。





つづく。




( ゚д゚)え!?まだ書き足りないの?!




  〜インフォメーション〜

8月6日、渋谷LIVING ROOM CAFE&DININGさんでライブ『健人の部屋Ⅱ』を開催します。
↓↓↓
(千家先生、馬飼野先生による五郎さんの‘あの名曲’も歌わせて頂きます!)

感謝を込めて歌いますp(^_^)q





半田より。