ドラマ『鴨川食堂』の再放送にあたり僕と萩原健一さんについて。


僕、半田健人の芸能界デビューは一七歳の時「ジュノンスーパーボーイコンテスト」に出場したことに始まりました。

高校在学中に自ら履歴書を出します。
当時のジュノンの仕組みを簡単に説明しますと、まず書類審査→
地区予選(面接と写真撮影、僕は関西地区)→
五十人までに絞られた上でジュノン誌面で読者投票によりベストテンを決定→
東京に出向き本戦会場でグランプリ他、各賞の決定。


意外と誤解されがちなので説明を加えますと、『ジュノン』という雑誌は芸能界のトレンドやインタビュー、グラビアが掲載されているものであり、雑誌自体がその後の仕事を保証してくれるシステムは賄っていません。
よく'ジュノンボーイ出身'と言うと最初はモデル?言われることもあるのですが、それはもしかしたらメンノンやメンクラと勘違いされているのかもしれませんね。

さらに言えば最終選考に残ったとしても必ずしも芸能事務所に所属できるとは限りません。
本戦会場には審査員の他に各芸能事務所のみなさんもスカウトに来られてはいるのですが、'プロの目'に留まらなければそのまま振り出しです。
僕の場合、当日現場では無冠に終わりスカウトの話もなかったのですが、後日ジュノン編集部を通していくつかの会社からオファーを頂き、再び上京して各社と面談をさせて頂けることになりました。
その中の一社と僕は専属契約を結ぶことになります。

所属に先立ち事務所の方から尋ねられたことがありました。



「半田君は歌をやりたいんだよね?」



僕は地区予選から最終選考会に至るまでパフォーマンスは歌に絞っていました。
その流れを踏まえてのこの質問はごく当たり前であり、むしろ僕の特技を尊重して下さったとても有り難いエクスキューズでした。

しかしこの時僕はとんでもない発言をします。



「いいえ。実は芝居を勉強しに来たんです」



こんなまとまった文言だったかは忘れましたが音楽は当分いい、とにかく俳優というものでスタートを切りたいという意思表示をしました。



演技の経験は皆無。学生時代からバンドや音楽作りをしていたことを考えると、まだこちらの方が脈がありそうなもの。
しかし僕は俳優を希望しました。



そのわけが萩原健一さんへの興味です。



'憧れ'ではなくあえて'興味'と書くのにも理由はあります。
ひとつには、憧れて成れるような人物ではないということ。
もうひとつはたったひとつのドラマがこうも他人の美学を決定づけ、人生のフラグを立てるまで至るのか…という実感です。


余談ですが僕が学生時代から細身の三つ揃いのスーツを好み、髪を常に伸ばしていたはマカロニ刑事時代の萩原さんへの憧れです。こればかりは憧れ。白状します笑



萩原さんのドラマ、映画から楽しみとワクワクをもらえた事が芸能界へ踏み出す勇気と目標になり僕はジュノンに応募したのです。



僕の出世作になった仮面ライダーファイズのオーディションの時、例により長髪のまま行きました。
主演が決定してからプロデューサー、監督から言われたことは



「髪型は作品のイメージ通りだから切らないでくれ」




人が人生の中で自ら選んでいく些細とも言える趣向は、必ず何かの役割を果たす。



そんなことを体験するのでした。







…長くなりましたので、鴨川食堂でのエピソードはまた後日に分けます。





萩原さん、ありがとうございます!





半田より。







ドラマ『鴨川食堂』再放送

出演・萩原健一さん、忽那汐里さん他
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