第16話・人間の心

レギュラー番組を頂いた際に、各話もちろん内容は熟読して撮影に備えます。しかしながらその話のタイトルに記憶があるかというと僕の場合そうとは言えません。別段軽視しているわけではないのですが、特に業務内容に支障が起きないことがその理由だと考えます。
自分が脚本家の立場であればこのような話を役者から聞いてしまうと残念な気持ちになるのでしょうが、ここは正直なところ笑
故にこのようなレビューを書く段にあたり、改めて見返してみると色々発見めいたものもあるのです。



ウィキペディアを見て頂いてもわかることなのすが、仮面ライダー555には二種類のタイトルが存在します。

ひとつは「放送題」と言われる、テレビでOAされる際に冒頭に登場するタイトルです。これは番組表などでも使用されるタイトルでしょう。

もうひとつは「シナリオ題」と言われる、出演者ならびにスタッフにだけ配布される'台本'に記載されているタイトルです。見比べてもらうと早いのですが、毎週変わる放送題と違ってファイズの場合は2話あるいは3話で一括りにタイトル付けされています。
僕の立場から真意を勝手申し上げるとマオカラー先生(井上敏樹大先生…)に「馬鹿、違うよ!勝手に決めんな」とお叱りを受けそうなので述べることは出来ませんが笑
何故だかそういった仕組みになっているのです。

逆に放映題が毎回違うのは番組制作上の工夫といいますか、例えば変に'前編、後編'などと記してしまうと後編からだと見る気を失くすから?とか考えてしまいますが、これも勝手に結論付けると白倉首領…あ、いや白倉プロデューサーからお叱りを受け兼ねませんので…笑



まあそんな位置付けにあるのがタイトルで、演じ手としては意外とフワっした存在なのです。少なくとも僕の感覚では。



何故そんな話を今回のレビューの冒頭に書いたのか。
それはこの第16話の放送題『人間の心』がとても大きなテーマのように感じたからであります。
仮面ライダー555における最大の議題とも言える人間の心の定義。この時点ではまだ巧も自身がオルフェノクであることをカミングアウトしておらず、これまでも伏線のようにこの言葉が使われてきました。


オルフェノクとは人間を超越した存在とされていますが、どうなのでしょうか?
能力や体力と言った部分では生身の人間を確かに上回るものがあるのですが、長田結花はこんなセリフを残しています。


「私、人間が怖いんです」


この言葉にはオルフェノクという存在が生まれたヒントが隠されています。



ファイズにおけるオルフェノクは人間を脅かす存在として描かれていますが、そもそもは人間によって極度に脅かされた者がオルフェノクとして覚醒しています。故にオルフェノクが人間を憎み、手に入れた力でもって人間への復讐を目論むのも無理はありません。
しかしその根底にはかつて人間に怯えていた心が根付いているのです。
攻撃は最大の防御という言葉があるように、オルフェノクたちは自分たちの力に酔い、自分たちだけの世界を作り上げることが最終目的ではないのかもしれません。
単に自身の身を守るため、脅威になる存在が淘汰されていくことを望んでいるのでしょう。


この考え方は決してフィクション作品にだけ留まったものでありません。オルフェノクなど実在しない世の中であっても人々は争いを勃発しさせます。人間同士の戦いはきっと人類が誕生した時から繰り返されてきた、いわば'習性'のようなものできっとこれから先も無くなることはないでしょう。
戦いを望んでいるわけではありません。みんながみんな保持したい環境や条件に違いがあるため仕方のないことです。




草加の名台詞であり、ライダー史上最悪ともされているこの台詞。笑


「俺のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ…」


これどうでしょうか?
僕はとてもとても正直な真理だと思います。

誰だって嫌われるより慕われたい。自分を敵視する存在は危険と見なし、願わくば排除したいと考えるの普通です。ただ口に出すか出さないかの問題であって笑

草加さんは性格の悪さをウリにしたようなキャラ設定ではありますが、ある意味馬鹿正直と言いますか、目標に対して一直線に発言し行動するタイプなのでわかりやすい。
巧は真逆ですね。目標もなく(見せない)いつもやせ我慢と廻り道を繰り返して生きているように映ります。
どちらが良い生き方と言えばこれも答えの出ない議論になることでしょうね。

いくら自分の思い通りにする為であっても、四六時中苛立っていてはそれはとても可哀想な人ですよ。指導者と暴君の違いですね。同じ力を持っていても前者は苦労の中にも生き生きしたものを感じますが、後者は単なる傍迷惑です。

立たされている場所によっても答えは変わりますから難しいですねぇ。





…気がつけば全然レビューになってないではないか!笑



じゃあ少しだけ…



えーと、前回に引き続き真理さ~ん

この人は本当に単純というか…草加の三文芝居になんの疑いも持たず目の前で起きていることで善悪を決めつけますね!
きっとネットにありがちな不確かな記事も鵜呑みにしてその人を評価してしまうタイプなんでしょう!…騙すのは簡単ですね。反面、詐欺にも遭いかねないのでお気をつけて。

啓太郎は気が弱いから一瞬はその場の空気に加担する傾向こそありますが、実は一度受け入れてから自分なりに考えてみて答えを出すタイプですね~。まあこの人も詐欺に遭いやすそうですが…絶対押し売りに弱い。




他はですね~…あ、陸橋のシーンで流れてるBGMが何気に好きです!





以上です♪




つづく。






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半田より。