第二話 旅の始まり・後編

この第二話では様々な初物が出てきますね。巧名物'フーフー芸'もここで初登場!そして'自主変身'。細かいところでは真理が初めて「巧!」と呼んだのも二話からです。
改めて観ると…鞄、なんぼなんでも間違え過ぎですよね笑。不注意の極み!衣類(ほとんどパンツ)とファイズギアでは質量や形状から持ち上げた途端判別がつきそうなものですが…
しかし、このように不自然なまでの偶然が連なり、結果然るべき運命のレール上へと導かれて行くことは現実世界にも実はあるような気がします。実際僕は仮面ライダー555の出演を「学校があるから。」と一度お断りしたことは前回の記事で書きました。にも関わらず東映さん、所属事務所、学校の三者の異例の協力の元、こうして巧役を演じる道が敷かれて行きました。そして今日の半田はそのレールの延長上に居るのです。
何かの目標を、あるいは夢を達成する手段として努力や勉強の他に'偶然'を期待することは決して馬鹿げた計画ではない事をここに書き記しておきたいと思います。それはこれまでの僕の生きてきた道において、いくつもそんな実感があったためです。数多くの出会いが自分を助け、応援してくれました。まるで「お前はこの道で歩いて行け」と周りから背中を押されているように。

さて、内容についてですが振り返って観ていると印象的なシーンがありました。海辺で真理が美容師になる事が夢だと巧に打ち明けるこの下り。これが僕の初カットだったような気もします。と言いますのも監督であった田崎竜太さんが「半田くん、余計なことするな。そういうのを小芝居って言うんだけど!」と一喝されたからであります。後にも先にも田崎監督が僕に檄を飛ばしたのこの時だけでした。
初'フーフー'のシーンもいいですね。九州ロケを決行したからには九州らしさを出さなきゃいかん!とばかりに雄大な阿蘇山がバックに広がります。そしてこの年の夏にイベントでもお世話になることになる三井グリーンランドでの撮影。余談ですが現在僕が仮面ライダー関連の時に使用しているサインはここで生まれました。撮影を覗きに来ていた地元の方にサインをお願いされ、言われるままに書いた構図がその後のレギュラーサインになってしまいました…。'デザインド・バイ・グリーンランドに偶然居た近所のおじさん'です笑。
宮崎剛アクション監督と変身ポーズの打ち合わせをしたのもこの二話でした。打ち合わせと言っても撮影所を出る時にバスの中で「着くまでに考えといてね~」といった程度でしたが笑。この変身ポーズについてはいくつか考えも持っていました。それが以下になります。

・巧という人物の性格を考えると本来はポージングを決めてまで変身しそうにないこと。
・「変身!」と声に出すことは作品上決められた事案であること。
・変身が完了するまでの時間をなるべく短いものにすること。(これは決まりはありませんでしたが、個人的にサッと変身したほうが巧らしく思ったので。あと合成処理も楽?)
・難しい動きは取り入れず、誰でも真似がしやすいものであること。(なんなら上半身の動きだけでも真似をしていることが伝わるようなポーズ)
・巧の記憶の中に真理の変身ポーズが記憶に残っていたのではないか、という推測。

以上を踏まえた上で決定したのが'あの'ポーズであります。

まだ第二話でありながら仮面ライダー555の、およそ子供向けだけではない「暗さ」や「哲学」といった匂いがもう既に始まっていますね。



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