さあ年末です。

30日です。30日と言えば日本レコード大賞!

…という人が今の世の中どのくらいいるのかはさておき、

先程終了した本家レコード大賞を傍目に、個人的なレコード大賞すなわち『オレ(俺)コード大賞』なるものをここに書き記しておきましょう!



選定基準は、
・作品はシングルではなくアルバム単位で選定。
・MP3を使わず未だポータブルCDプレイヤー持ち歩き派の半田のSONY製のプレイヤーで、いかに多く回転した盤であるか。
・2018年度、最も半田個人に'貢献'した作品であること。
・半田の'ハートのケア'をしてくれた作品であること。
・半田の音楽性に影響を与えた作品であること。
・'笑顔'をもたらした作品であること。
・来年の音楽制作に影響しそうな作品であること。
・その盤が生まれたことに感謝したくなるような作品であること。



などが挙げられまして、2018年度作品に限らず選んでみることにしましょう。


各部門別に賞を作り最後に大賞を決定しようじゃありませんか!


ノミネート作品は以下の10作品です。



では参りましょう!





《部門賞各賞》


・『感謝賞』

町をすぐる風/なぎら健壱


なぎら健壱さんが今年2018年にリリースされた3年ぶりのニューアルバム。

なぎら健壱さんと言えば昨年末よりギターを教えて頂き、11月にはライブのゲストに呼んで頂いたりと今年はお世話になりっぱなしでした!
音楽以外ではファッションにまで影響されてしまい、僕が今年からライブでハットを被り始めたのはそのためであります。

このアルバムはなぎらさんの原点回帰とも取れるような作風が蘇っており、「やはりなぎら健壱というミュージシャンは'現存する真のフォークシンガー'なんだ」と再認識させられるようなもの。
フォークと言っても色々なジャンルがあり、とかくニューミュージックと混同されてしまっているのが現状の中、なぎらさんフォークこそ本来の土壌の匂いがしっかりと染み付いた本物のフォークです!

ちなみ僕はこのアルバムの初回限定特典としてなぎらさんとの対談CDで参加させて頂きました。

僕のギターをステップアップして頂き、色々と気に留めて下さったなぎらさん。感謝です!ありがとうございます!
来年も宜しくお願い致しますm(__)m





・『影響賞』

石/高田渡


高田渡さんが1973年に発表した通算5枚目となるアルバム。

なぎら健壱さんの師匠格にあたる高田渡さんを聴かない訳にはいかないと手を伸ばしたのが昨年末の話。
聴いてみて衝撃が走りました。というのも僕が今まで耳を凝らして聴いていた同年代の歌謡曲のアプローチとは何から何まで真逆だったからです。歌謡曲がプロのメイキャップを施した言わばよそ行きの装いの音楽だとすれば、高田渡さんの音楽はまさにスッピン。しかも手抜き由来のスッピンではなく自信に満ち溢れたスッピンです。
エコー成分をつけないボーカル処理、明らかに一発録りだと思わせるスリリングな録音、編曲より'歌'が飛び込んでくるような編成。
これらは歌謡曲が武器としていた要素を全てとり払った環境とも言えます。この世界を知り、今まで自分が煮詰めていた部分の見直しに気づかされることになります。
そしてその影響が僕が今年6月にリリースしたアルバム『生活』に繋がった種明かしをここでしておきましょう。
この『石』の再生回数は間違いなく今年上半期のトップでありました。





・『どハマり賞』

71椛ノ湖全日本フォークジャンボリー実況/加川良・斉藤哲夫・三上寛


第三回フォークジャンボリーのステージを収めたオムニバス実況録音アルバム。

高田渡さんからはじまり僕が今年どハマりしたレコード'レーベル'が『URCレコード』でありました。URCとは'アングラ、レコード、クラブ'の頭文字で日本最初のインディーズレーベルと言っても過言ではないでしょう。また初期は会員制の配布のみで販売していたあたり、今で言うところのクラウドファンディングに通ずる先進性もありました。インディーズの良いところは作品性をメーカーに舵取りをされることなくにあくまで本人が作りたい物を世に出せるところ。代償として低予算だったりもしますが、逆にそれが型にはまらない独創性を含んだものを数多く世に送り出しました。
この71椛ノ湖実況盤は聞きどころ満載です。三者三様のパフォーマンス、とくに三上寛さんはデビューしたてだと言うのにかなりたくましいステージ演出です!伝説の'ステージ痰吐き'もそのまま録音されていたり、長谷川きよしさんの鞄を誰かが間違えて持ち帰ったことへのアナウンスまでが耳を澄ませば集音されていたりと臨場感たっぷり笑。
URCレコードの再発モノは網羅しましたがこの盤はなぜか繰り返し聴きたくなるのです。





・『思えば此処から始まったで賞』

バニラビーンズⅡ/バニラビーンズ


女性二人組ユニット、バニラビーンズのセカンドアルバム。2011年発売。

URCレコードからの振り幅が広いのですが、本家レコ大だって大概だからいいの!
今年の自分の三大事件に含まれたバニラビーンズの解散…
ことの始まりはこのバニラビーンズⅡのジャケ買い。アイドルコーナーに陳列されながら異色を放っていた本作。帰って聴いてみるとこれがしっかりしているではありませんか!打ち込み&四つ打ち全盛のアイドルポップスが当たり前になりつつあった中、ヨーロピアン風情で生を主体とした編曲にラストはツェッペリンのカバーだと?!しかもウクレレによる伴奏でジーミーペイジのあの名フレーズも可愛らしく仕上がっている…イカすぜ!ナイスですよ!バニラビーンズ!!となりこの翌日にファーストアルバムも購入。
昨年メンバーのリサ子さんに番組でお会い出来た時に「やっと会えた!」とこの想いをお伝えしましたが、たぶん舞い上がっていて挙動不振だったことでしょう…汗
その後、今年はやついフェスで別会場出演だったはずが偶然廊下で!うひゃー!この時は解散するとはまだ知らず…
そして10月6日の解散ライブに足を運んだのでありました。
今年10月以降本作を含めて全て聴き返しておりますと様々な想いが満ちてきます。
収録曲『エルスカディ』の様な'再会'を夢に…





・『伊集院光賞』

おバ歌謡/伊集院光選曲


伊集院光さんの深夜ラジオで紹介された'おバカな歌謡曲'を集めたオムニバスアルバム。ここでしか手に入りづらい貴重な音源を集めた大変賢明な作品集。
何を隠そう今年の僕の一日は伊集院光さんの声に始まり、伊集院光さんの声で終わっていたような気がします。レギュラーの深夜放送はもちろん、過去のアーカイブス音源までをも暇さえあれば垂れ流しているのが僕の'癒し'なのです。一般的なヒーリングとは少々傾向の違う癒され方ですが笑。笑うことがいかに心身に良いかと言うのを実感させられますね。朝眠くてもヒゲを剃りながらひと笑い、夜歯を磨きながらひと笑いと、一日のチャプターのように伊集院さんのトークを聞くことで気持ちが明るくなります!元々暗くはないですが。
そんな僕にとってのスーパーエンターテイナー伊集院光先生が自信を持ってご推薦下さった作品集は音楽的な見地から分析してみても楽しめるものばかり。改めて気付かされたのは収録曲『剣の舞』に見る尾藤イサオさんの歌唱力!説明するより一聴してもらう他はないのですが、どんな歌でも真面目に取り組むプロ魂を垣間見れること受け合い!真面目に作った物は美しい。





・『洋楽も聴いてみま賞』

ジェイク・バグ/ジェイク・バグ


イギリスのシンガーソングライター、ジェイク・バグさんが2012年に発表したファーストアルバム。
歌謡曲純粋培養の僕が何故洋楽なのか?自分でも少々違和感があるのですが、今年は上半期にフォークへの傾倒から一応ルーツとなるウディ・ガスリーやボブ・ディランあたりは聴いておかねばと漁っておりました。そんな時、では現代においてそういった'匂い'のするシンガーで挙げるとするならば誰なのか?と言った具合でたどり着いたのが彼。
プロフィールもろくに読まず聴いてみたところ面白い。なんと言いますか妙なベテラン臭を醸し出して笑
録音も本人のこだわりなのかはわかりませんが、明らかにあえてのローファイを狙っていたり一発録りを多様していたりといい意味でイージーさが魅力的な方ですね。訳詞に目を通すとこれまたなかなか達観されているようで、世界的に評価されている理由の一つかもしれません。
本作から学んだことは'やはり音は綺麗すぎてはダメ'ということでしょうか。あえて汚す必要はありませんがテクノロジーを駆使し過ぎず、録りっぱなしの生々しさでその人の人間性を記録していくことの方が実は大事な作業だったりして。
スタジオライブアルバムとかを作ってみたい欲にかられました!





・『レファレンスCD賞』

パーティ/朱里エイコ


1973年に発表された朱里エイコさんのオリジナルアルバム。音楽、冨田勲。
'レファレンス'とは参照と言った意味ですが、ここで言うレファレンスCDとは機材のチェックに相応しい作品という扱いで本作を挙げさせて頂きました。
僕は年に少なくとも3、4本ヘッドホンを買ってしまうヘッドホン好きでして、その際の試聴用音源にこのアルバムを使っておりました。
アルバムとしても大変魅力的な作りになっておりますが、録音も素晴らしい!
参考までにデータを記載しておきます。
【演奏】
ワーナー・ビートニクス&ストリングス
【録音日】
1973年3月〜4月
【スタジオ】
モーリススタジオ、アオイスタジオ
【ディレクター】
大野良治、塩崎喬
【ミクサーエンジニア】
島雄一

この時代の音はどうしてこんなに魅力的なのか…個人の好みの偏りはあれどちゃんと'楽器の本来の音'がするのはこの時期までのように思います。1975年を過ぎると機材の発達に伴い、どうしても音を加工できるポイントが増えたことによりあれやこれやと音作りが加速していく傾向に。80年代に入りゲートリバーブなどが入ってくるともうあれはドラムの音ではない笑
まあ流行りに応えていくのもエンジニアの業務でありましょうから批判する意味ではありませんよ。
とにかくこのアルバムの音が自分は好きなので、本作がいかに魅力的に再生されるかで今年のヘッドホンは選んでいました。





・『頑張っていきま賞!』

VaniBest/バニラビーンズ


バニラビーンズの初のベストアルバム。新曲も収録されているナイスな盤!
今年は十数年ぶりに舞台(朗読劇)をやらせて頂きました。舞台上でする仕事といっても歌の仕事とは全く別物ですので感覚を取り戻すのにも一苦労いたしました。
俳優業であっても映像作品と違い舞台には稽古期間があります。この'稽古'という業務…正直僕は苦手なんですね笑
もちろん真面目にやりますよ!やらないと自分に返ってくるだけですから鍛えて頂きます。
業務内容に苦手意識があるわけじゃないんですね…実はこれまでやって来た仕事の特性上、決まった時間に決まった場所に通い、決まった内容をこなす、ということに免疫がなくて笑
その期間はどうしても不慣れから弱気になるなんて時も…そんな時にはぁ〜…!
出しちゃいます。ダブルノミネートでバニラビーンズ。
こういった気分の時には朝から小難しい分析など無意味!ミュージシャンとしての参考音源より'男子としてテンションが上がる'作品!
これに尽きます。
バニビありがとう!お陰で稽古頑張れた!





・『優秀作品賞』

689/坂本九


坂本九さんの代表作を生み出した、永六輔先生、中村八大先生、そして九さんの'689'トリオが当時12年ぶりに集結し1979年に発表したオリジナルアルバム。
きっかけは東芝の録音技師、行方洋一さんの本を読み今一度東芝時代の九さんの音をしっかり聴いてみたくてベスト盤を探していました。こちらのCDは二枚組となっており、一枚がベスト盤仕様だったのでそちらを目的に購入。
ところが…メインであるアルバムこの『689』が凄く良い!
良いと思う要素はいくつもありまして、まず当たり前のことなのですが坂本九さんのボーカリストとしての力量…単なる歌唱力という言葉では表せない魅力がたっぷりと味わえます。本当に表情があるんですよね、九さんの歌って…目の前で自分の為だけに歌ってくれているような錯覚すら感じます。これは天性なんでしょうかね…録音が幾分後年の作品であるため音質が60年代の作品より良いのも魅力の増幅に一役買っていますね。
そして中村八大先生の作曲センス。これも言ってみれば当たり前のことなのですが、中村先生はポピュラリティーな部分と隠し味の配分が絶妙なんだということ気付かされます。これがどちらかに偏り過ぎるとスタンダード性を失いますからまさにセンス!これも天性なのか…
いい歌だとか優れた作品と感じる歌は絶対的に歌詞の'テーマ'が頭一つ抜けている印象があります。歌詞の言い回しや言葉選びではなく、テーマなんです。ここでズキューン!と来るものがあれば意外とシンプルな言葉が並んでいても惹きつけられる歌に感じてしまうように思います。本作でも永六輔先生はその職人技をいかんなく発揮されております!
今まで知らなかった事が悔やまれる、そんな名盤です!





・『最多回転数記録賞』

バニラビーンズⅢ/バニラビーンズ


2012年に発表されたバニラビーンズのサードアルバム。初回盤と通常盤では収録内容が異なる。
もうね、ここまで来たら出しちゃいますよ。トリプルノミネートと行きましょう!バニビ !
このアルバムは今年ほんとよく聴いたな…今年というか10月以降下手したら回さなかった日がないくらい?!
よく言う◯◯ロスと表現するいわゆる喪失感でこんなにもヘビロテしていたわけではないんですよね。寂しさはありますがむしろ11年間も活動を続けて沢山の作品や楽しみを提供してくれたことへの感謝の意が大きいのです。
自分も芸能をやっている身、ファン心理と言うものを理解する意味でも自分自身が誰かのファンになることで勉強させて頂きました。
解散には必ず理由がありますでしょうし、それを一方的に'残念'と表現してしまうことは相応しい感情ではありません。
ここに感謝の思いを込めてリサ子さん、レナさんに申し上げます!
「11年間お疲れ様でした!そして、ありがとうございました!」









ふぅ〜、沢山書きましたね…







では、大賞発表に参りましょうか!







ダラダラダラダラダラダラダラダラ〜(ドラムロール)













ダンッ!








「発表です!」






「2018年度、半田オレコード大賞最優秀オレコード大賞作品は…」








「バニラビーンズⅢ/バニラビーンズのお二人でーす!」


パンパカパーン♬🎶







…まあ半田組織票しかありませんからぁ、、こうなりますわな笑





でもね、今年も新しく沢山の音楽に出会えて本当に楽しかったです!
音楽は本当に僕の栄養であり、モチベーションの源です。
世の中のミュージシャンの皆様、またレコード会社、販売店の皆様、音楽業界全ての関係者の皆様!ありがとうございましたm(__)m


来年もいい音楽を沢山作って、一枚でも多く世に送り出して行きましょう!!!









あれ、、自分のCDの話何も書いてない。。







半田より。