さてさて、続きです。


SGタイプ メーカー不明
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このギターは謎めいている。おおよその見当はついているのだが何せ塗装は剥がされ(剥いだ後ラッカー再塗装済みで質感は現代のポリ塗装よりよっぽど良い!)ブランドロゴもないので確かな事は言えない。パーツや作り、またSGを模倣するあたりから70年代前半に作られたものだろう。
こう言ったギターは当時OEMで一ヶ所の工場でベーシックな部分までを発注し、ブランドロゴやツマミ、マイクなどだけを各社のオリジナル製品を取り付けて販売していたことがよくあった。
音は本家SGとは似ても似つかないマイルドなものだ。またアームの具合が良く、いわゆるビブラート奏法ではビグスビーより滑らかである。

使い様、出で立ちによってはハマる人もいるだろうか。これで小さなライブハウスなどで渋くブルースを弾いてもらえたら幸いである。

ありがとう、謎のSGギター!

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テスコ MJシリーズ
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僕としたことが正確な型番を忘れてしまったが、これもテスコの代表モデルのひとつ。
このモデルは、映画「エレキの若大将」で加山雄三さんも劇中で弾いていた(白の2マイク)。
写真からもその小ぶりさは見て取れるだろうか、これが実際に持ってみると他にはない'座り'の良さを感じさせてくれる。音も出力が高く非常に太い。使い勝手の良さからライブでも何回か使用した。その際、ボリウムが回らないよう固定したテープがそのまま貼り付けてあるがすぐに剥がせるのでご安心を。シーソースイッチがあるからボリウムツマミを必要としなかったのもビザールらしいエピソードではないだろうか。

全くの余談だがこのモデル、どこかブライアン・メイっぽくもある。イギリスにもテスコは輸出されていたとすればもしやこのギターを目安に作り上げた(ブライアン初号機はお父さんとのお手製
)のでは?と考えるといきなり価値が上がったりもするのだが、いかに…

ありがとう、ブライアン・テスコ!

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グヤトーン LG50T
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なんとも貧相なモズライトモデルだが、それもそのはずグヤトーンのラインナップで一番安価だったのがこのLG50Tだ。だが一番安いからと言ってギターとしての魅力までも最底辺というわけではない。
このモデルの魅力はお手軽さにある。サイズ、重量もモスキート級で気軽に連れて回るには取り回しもよく、万一破損、盗難の被害に遭っても諦めがつくと来たもんだ。僕自身もレギュラー番組の楽屋での待ち時間用によく持ち歩いていた。ライブ、レコーディングには役不足かも知れないが、ちょっとお側に立てかけておくにはピッタリなキャラクターだ。
これも最近のアコギへのシフトと共にまた旅立ってもらおうと思う。

PS.お前ほどコタツが似合うエレキはなかったぜ!アバヨ!

ありがとう、コタツエレキ!

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プリザント SEL220
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まだビザールをあまり知らず集め始めだした頃に買った一本。惹かれたのはこのカラーリングだった。今のように発色のいい塗料がなかったのか下地をサボったせいか、およそギターらしくないのぺっと感に漠然と'昭和'を感じてのことだった。例えるならば郵便ポストや遊園地のゴーカートの、あの赤だ!
プリザント自体はギターメーカーとしては後発組で本機は昭和40年製だと思われるが、イタリアのEKO社のギターを限りなく(当時レベルで…)コピーし、なんとあのエレベータースイッチ機構までもを取り入れている辺りにまさにエレキ戦国時代の勝ち残りへの意気込みを感じる。
このギターは気に入っていて欲をかき、良かれと思いリフレットを施した。…がしかしこれが間違いだった。リフレット処理自体には全く問題はなく、お望みどおり演奏性も向上した。
その結果待っていたのは'ビザールらしさ'の半減であった。そう、自分はビザールギターに端から演奏性などは求めていなかったのだ。言うなれば「昔の人はこんなんで練習していたんだ…昭和って不便だったんだな、でもこの不便さの体感こそが昭和の擬似体験なんだ♪」と言った具合に。

そんな理由で手放すことにしたこのギターだが、一般的な観点でみればむしろリフレットにより'使えるビザール'に生まれ変わっているわけで。
現代の音楽シーンで再び活躍できることを願って、さらば!

ありがとう、プリザントギター!

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ビザール アコースティックギター①
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そもそもビザールギターというジャンルは某出版社が80年代に出した本で定義した言葉が由来とされていて、ビザールという単語そのものの意味とギターとして設計説明とはイコールではない。
主に1960年代に世界的に巻き起こったエレキギターブームの中で、高級ギターを買えない層に向けて形だけを似せて安価で提供されたものをそれと言う。故にその対象は大半がエレキであり、はっきり言えばビザールアコギなんてものは存在しない。
だがその中において僅かではあるが、ビザールの'匂い'がするギターがある。本機はそんなギターだ。
セルロイドをあしらったチープなデザイン、指板までもペンキで塗りつぶしす発想は低予算のカムフラージュの他なにでもない。ここにビザールギターと呼ばれるエレキ群と共通の事業目的を感じることができる。「良いモノ安く!」ではなく「悪いモノだから安く!」である(主観です)。

僕はこいつをネット番組の常備品として何度か付き合った。とにかく軽く、下手すればストラップもかけずに弾けてしまうほどのギターはある意味珍しい。公園など外に持ち出してポロポロ弾く分には気分もいいだろう。

ありがとう、常備品ギター!

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つづく

半田より。