彼女は時々、気になってしかたがないことが発生して、自分だけで処理できなくなったら相談してきます。

 

 

今回、彼女の気になって仕方がないことは、「男性の生殖器がついたままで心は女性の人が、私が公衆浴場を利用している時に入ってきたら、それって有りやと思う?ええと思う?」でした。

 

 

小学生の娘さんから、同じようなことを聞かれ、それがきっかけで彼女もこのことを考えるようになり、今に至っているそうです。

 

 

 

 

コーヒーを飲む間もなく、そんな質問をされた私の第一声は「有りか無いか、良いか悪いかで括りきれん。単純にこうって決めれやん」でしたが、言い終わるのを待たずに帰って来たのが「男の意見やな」という渋い声。

 

 

最後まで話を聞きなさいと思いながら、「そうは言っても社会性、文化教養、宗教観、法的な観点、それから個人の自由や権利や幸せとか、ほんまに色んな視点で見る必要があるし、長い年月、男女で分けてきた自分達が考え、受け入れるには複雑な問題だと思う。だから有りか無いか、良いか悪いかでは括れやん」と伝えた。

 

 

しばらく間が空き、眉間にしわを寄せながら「まだ続きあるなら全部聞かせて」と、テンションもトーンも下がった声が返って来た。

 

 

全部聞かせるほど大量に考えてる訳ではないけどと、そんな独り言を口にしながら頭の中を整理する。

 

 

「公共施設も、自己認識している性に基づいて使用することが望ましいと考える方々。

 

公共施設は、医学的な性別にしたがって利用するのが望ましいと考える方々。

 

自分には関係ないから、この話題について意見もなければ、実感もわかない方々。

 

他にも様々な考えの方々がいると思う。

 

多くの思いや意見を聞き、議論を重ねながら10年とか15年とか年月をかけ、落ち着く先へと向かうのではないか?

 

現状では、生殖器がついたままの体は男性で心は女性の方が、公共施設の女性風呂に入ってきたら、多くの女性は嫌なのではないかと思う。

 

個人が嫌と言うのは、自分の気持ちに従った自然なことやし、生理的に発生する嫌悪感を抑える必要はないと思う」

 

 

言い終わるとすぐさま、「そうやろっ!女やったら嫌って思うよね。そんでいいやんね?」と、言葉と一緒に唾も勢いよく飛んできた。

 

 

「唾!唾!唾めっちゃ飛んできた。あなたが嫌って思うなら、無理に変える必要はないと思う。ただ、これは、どんな性自認の方にも言えることだから、それぞれの好き嫌い、良い悪いがあって、やっぱりコレって一括りにはできないかな・・・

 

お風呂やトイレが関係なければ、本人の性自認にしたがって女性、男性、どちらでもない、様々な在り方を周りの方々も受け入れやすいのでないかと、今はそんなふうに考えてます」

 

 

全部聞き終わった後、「そうやんな。実際はそうじゃないのに、男と女の2つに分けてたとこに無理があってんやんな」と、視点と論点が変わったせいか彼女の眉間のしわが消えていた。

 

 

冷めたコーヒーの酸味を味わいながら、正面に座る人の眉間にしわがない方がコーヒーは美味しい。

 

 

温かかったらもっと美味しかったのになと、そんなことを思うのでした。

 

 

 

 

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