吐く息が薄白く見える早朝の街。
街路樹の先から『それ』は駆けてきた。
妖とわかっていても、裸の少女の姿をしたものが四つん這いで駆けて来るのは、なんとも奇妙に感じる。
近づいてきたそれは、張りぼての人形のようで、この者が力無き妖であることがわかった。
無邪気にまとわりつくさまは子犬のようで、この者を大切に可愛がっていた人がいたことがわかった。
その可愛がってくれた人を模したのだろうが、手を触れてみると張りぼてのような姿なのは、力無い妖だからだけではなくて、相当の年月を経て姿形を維持することが難しくなっているからだった。
妖とはいえ、はだかの少女の姿をしたものを肩に乗せ、朝日が照らす中を歩くのはなかなか恥ずかしいものである。
触れていると『それ』から映像が流れ込んでくるのだが、欠落していて色も音も無いものがほとんどだった。
時々ほんの一瞬だけ映る人影がその人なのだろうか?
そこだけ他と比べて鮮やかになる。
そして一瞬見える数枚の映像で『それ』とその人の関係が十分伺い知れた。
映像は『それ』の頭に手を置いたその人を、下から見上げたところで終わった。
その人の愛情は、死んだ後も長い年月の間この妖を縛り続けたのだが、それが良い事なのか悪い事なのかは私にはわからない。
自分を可愛がってくれた人を、もう一度感じることができ満足したのだろうか?
力なく滑り落ちる『それ』の頭にそっと手を触れると、10歩も進まぬうちに崩れるように跡形もなく消えた。
自分なら死を前にして、思いをどんな言葉で妖に伝えだろうか?
そんなこと考えながら朝の街を歩いた。
今日の見えない人でした。
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