長野県北部の主に大仏をめぐる旅の記録、つづけてまいります。
前回の世界平和大観音の記事は下のリンクからどうぞ。
山ノ内町の世界平和大観音を参拝後、
すぐ隣の中野市にある谷厳寺さんに向かいました。
谷厳寺さんは山あいにある、まさに古刹という雰囲気のお寺です。
手入れの行き届いた広い境内に立派な本堂。
春は樹齢250年の枝垂桜、初夏には紫陽花の名所として知られます。
私はここに大仏さまに会いに来たのですが、
広い境内を見回しても大仏さまの姿はありません。
実際ネット検索しても、出てくるのは桜や紫陽花の画像ばかり。
実は巨大な仏像があるのはお寺の裏山なんです。
しかも8体!
黄金の八体佛が自然に溶け込むようにひっそりと、
しかし確実にオーラを放ちながら山の中にいらっしゃるのです。
この八体佛にはじめてお会いしたのは14年前のことです。
私にとってこの光景は本当に衝撃的で‥
この衝撃を言葉でどう表現したら人に伝えられるのか解りません。
この八体佛は掲載させていただいています。
谷厳寺に再度参拝した後、読み返してみたのですが、
その中で私はこう書いていました。
「山の中で感じたあの鳥肌の立つような感覚をなんと表現すればいいのか、
いまだに言葉が見つかりません」
いや、まったく成長してないな!!
あの時も表現できず、結局いまも表現できないんかーい。
15年もほぼおんなじことやり続けている。
自分の成長しなさ、語彙力のなさに改めてガッカリします。
そんな表現できない感情を引き起こす八体佛。
どこにもあまり出てない参拝ルートですが、
本堂に向かって右手に進んだ奥に参拝路入口があります。
お寺の方に八体佛を参拝させていただきたい旨お伝えし、ご挨拶するのがベストですが、
観光のお寺ではないためお寺の方にお会いできない場合もあります。
その場合でも八体佛は自由に参拝して良いようです。
というのも、
そもそも谷厳寺は高社山(たかやしろやま)の麓にあります。
高社山は山ノ内町、中野市、木島平村にまたがっていて、
複数ある登山ルートのひとつが谷厳寺ルート。
谷厳寺ルートの登山道入口から少し登ったところに八体佛があるので、
このルートで登山する方は八体佛を拝みつつ登山することになるわけです。
お寺の奥の参拝路入口からほんの数分進んでいくと
緑の木々の隙間に金色がチラリと見えてきます。
最初に現れるのは阿弥陀如来さま。
その奥に不動明王さまも見えています。
阿弥陀如来像の傍にある碑に刻まれた文言よると、
これら黄金の大仏群は『十二支の守本尊八体佛』、
平成15(2003)年に地元の方が寄進されたことがわかります。
十二支の守本尊とは生まれ年に応じて私たちを守護してくれる仏さまのこと。
十二支ですから12の仏さまであるように思いますが、
8体のうち4体は二支を兼務しているため、全部で8体となっています。
阿弥陀如来は戌、亥年生まれの守本尊。
不動明王は酉年生まれの守本尊です。
そのさらにその奥に大日如来(未年、申年)、
勢至菩薩(午年)、賢菩菩薩(辰年、巳年)、
文殊菩薩(卯年)、虚空蔵菩薩(丑年、寅年)、
最後、大トリに千手観音(子年)と、
一定の間隔をあけて金色の仏像が森の奥へ奥へとつづいています。
特筆すべきはなんと言ってもその大きさです。
写真では伝わりづらいのですが、八体佛はそれぞれ像高が8メートルほどあります。
8メートルが実際どのくらいの高さかというと、
建物の1階の高さが3メートルとすると2.6階ぐらいの高さ。
実際には8メートルはないかもなぁ‥とも思いますが、
差異はあれど、迫力は変わらないかと思われます。
そんな大きさの仏像が、しかも金色の仏像が、
森の中から次々と現れるのです。
これは正直、現実感がない。
私はかなりの数の神社仏閣をめぐっていますが、
こんな光景は他で見たことがありません。
森の中に小さな石仏が点々とつづいている、というのはあります。
これはけっこうよく見る。
しかし巨大な仏像がとなると‥思い当たりません。
感覚として近いのは奈良の壺阪寺でしょうか、いや、違うな。
やっぱり唯一無二だと思います。
14年前に参拝した際はもっと金ピカで、違和感を醸し出していました。
ところが今回は長らく屋外で風雨にさらされていることで、
少し黒ずんだりと輝きが以前より失われている感じがしました。
ですがそれが自然に還っていくようで、またいい。
美しさと身震いするような怖さ、畏敬の念というんでしょうか、
そんなようなものが相まって襲ってきます。
とにかく言葉では表し難い独特の雰囲気、
としか私には書きようがないんです、すみません。
この不思議な空間はもっと知られてもいいと思うのですが、
お寺さまが望んでいないのかもしれません。
このブログを読んで行ってみたいと思った方は、
観光のお寺とは異なりますので、
敬意を持ってご参拝くださいますようお願いいたします。









