前回のブログで奈良の壷阪寺の紅葉ライトアップの、
この世のものとは思えぬ異世界的魅力をお伝えしました。
今回も同じ壷阪寺なのですが、奥の院と呼ばれる場所にある磨崖仏、
五百羅漢をご紹介したいと思います。
紅葉ライトアップに比べると絵的には地味かもしれませんが、
(あの光景に比べたら、たいがいのものは地味な気もします)
圧倒的な数の力には、また違った迫力があります。
とても素晴らしいにもかかわらず、そこまで知られていないと思うので、
参拝して日も浅い、私の熱量の高いうちに、書いておきます。
壷阪寺奥の院 五百羅漢は、壷阪寺境内ではなく、
お寺の先にある高取城跡へとつづく高取城登山道の途中にあります。
古くから壷阪寺の境内は広く、元々はこの奥の院も境内だったそうです。
壷阪寺から車で登山道を少し登ると、3台ほど停められる駐車スペースがあり、
「壷阪寺奥の院 五百羅漢」という大きな看板が立っています。
そこからは山道を徒歩で登っていきます。
有り難いことに、私はお寺の方にわざわざご案内いただきました。
本当にありがとうございました!
「夏場は虫が多いので、この時期はとても良いですよ」
とのことでしたので、参拝の季節にはご注意ください。
進んで行くとすぐに現代的なお地蔵さまが並ぶゾーンが現れます。
これらはそもそも、土砂崩れ防止のためもあって設置されたとのことで、
物理的な意味でも山を守っていらっしゃるお地蔵さまなんですね。
お地蔵さまゾーンを越えてしばらくすると、
無数の仏さまの彫られた大きな岩が見えてくるのです。
5メートル×3メートルくらいの大きな岩。
その岩肌に刻まれたおびただしい数の仏たち!!
これが香高山五百羅漢と呼ばれる羅漢さんです。
クローズアップするとこんな感じ。
長年の風雨にさらされ摩耗しているものもあれば、
なんとなくお顔が残っているものもあります。
お話によれば、つくられた年代などは定かでないとのことですが、
江戸〜室町時代に高取城の石垣をつくった石工さんたちが、
腕試しか、あるいは願掛けでつくったのではないかと言われているそうです。
大変に貴重なものだと思うのですが、文化財指定などされているわけでもなく、
岩は自然の中で徐々に朽ちていっているように見えました。