九州に降り立ったその日の夜、ある方々と会食の約束をしていました。
その中のひとりに「九州の大仏マスター」と言っても過言ではない、
オガワカオリさんがいらっしゃいました。
このブログでも過去にふれたことがあったと思いますが、
オガワさんは「九州の巨人!巨木!!と巨大仏!!!」という本を書いていらっしゃいます。
この本を読んだとき
「なんてシュミの合いすぎる女性だろう…!」
と思いました。
恐ろしいぐらいに、この本の中で彼女のグッとくるものは、
ほぼそのまま私のグッとくるものなのです。
この本は私のバイブルになりました。
ご縁があって、そんなオガワさんにお会いすることができ、
その日は子供同伴であることも忘れるぐらいに話しに話してしまった、
とても楽しい夜だったのでした。
このとき話しに話した中で、
「半田さんは大きい大仏が優先なんですよね?
ならここに行けば、だいたい大きいのは制覇です!」
と、オガワさんが教えてくださった観音さまが、
今回ここで書く、山の中にたたずむ黄金の観音像です。
なんと「え、あなたが観音さまですか?」というぐらい親切に、
初めてお会いした翌日、オガワさんが直接案内してくださいました。
しかも翌日の早朝8時集合です。
リアル菩薩かもしれません。
前日聞いていた話しでは、
「◯◯寺の少し奥の山の中」みたいな感じだったのですが、
実際には◯◯寺から、かるく山越えする感じで、
ご案内いただかなければ、自分ではおよそ辿り着けなかったでしょう。
最初にその観音さまが見えたときの光景がこちらです。
大仏を参拝する上でのツボも私と同じ部分があるのでしょう、
やはり解っていらっしゃいます。
オガワさん、ここで車を停めてくださいました。
そうなんです、
このファーストインプレッションが大事!
初めて見えた瞬間の衝撃!
そして「うぉぉ」ってなる、この感激!!
震えます。
この震撼する感じ、解っていただけるでしょうか?
30メートル以上あると思われる巨大な観音さまが、
神々しいまでに朝日を浴びて、キラキラと輝いていました。
しかも山の中でひっそりとです。
この神々しい輝きを他の誰も見ていない感じ…
私たちだけが見ているという、独り占め感にシビレます。
正直言いますと、ここに書くことも少し気がとがめるくらいな感じです。
知ってほしいけれど、知らないでほしいみたいな…
ファン心理みたいなものかもしれません。
でも書いちゃいましたけど。
(ただブログには一番気に入ってる写真は出さない、
という心ばかりの抵抗はしています)
さて、
大きい道から初めて見えたポイントでは、胸から上がチラッと見えるぐらい。
そこから少し先に進んで、この上の写真の腰から上ぐらいまで。
さらに進むと、右手に小道が出現し、観音さまの間近まで歩いていくことができます。
この歩道から入り、観音さまの正面をまわって右手に進むと、
仏像がずらりと並んだ、観音さまへとつづく参道が現れます。
ただこの参道も現在はあまり手入れがされていない様子で…
ところどころ台座部分しかなかったり、
緑に浸食されかかっているような仏像も見られました。
観音さま自体も継目部分に腐食といいますか…
色が剥げてきているのが見て取れます。
なんとも痛々しいお姿です。
ごくごく少数であろう、巨大仏に詳しい方はもうお気づきだろうと思いますが、
この観音さまはその昔、某宗教テーマパークにいらっしゃった観音像です。
その時は七ツ釜聖観音と呼ばれていました。
当時の資料などを見ると高さは40メートルだそうです。
その施設は2007年に大変惜しまれながら閉館してしまいます。
その後この巨大な観音さまがどういった経緯をたどられたのか…
私には想像が及びませんが、
この継目部分の色の落ちている様子などを見れば、
それはきっと大変な道のりだったのではないでしょうか。
この場所も少し前までは管理する方がいたのだそうですが、
現在はどなたもいらっしゃらないそうです。
分からないことだらけですので、全体的にホワッとした情報で申し訳ありません。
承諾などもいただくことができないままですので、
例のごとく詳しい場所は明かすことができません。
もろもろ、どうぞご了承ください。
流転の道を歩まれている観音さま…
観音さまの今後がとても気がかりです。
これはこの観音さまだけの話しではありません。
特にバブルの頃に作られた、宗教テーマパークなどの施設は、
その後経営が立ち行かなくなり、閉鎖されたところも多くあります。
それらの場所にあった巨大な観音像や仏像は、
運良く心あるお寺さんなどに再就職し、安息の場所を得ているものもあれば、
このように点々としているものもあります。
巨大仏を愛してやまない私としては、
そういった悲しい運命をたどる大仏さまが減っていってくれればいいな…
と願わずにはいられません。
今後こういった大きな仏像が国内で作られることは稀だと思います。
せめて今あるものは大切に保存されていって欲しい…それが私の願いです。
最後に、今回のオガワさんとの出会いは、愛するものが同じ友ができた、
(しかも同性で!)というような気持ちで、
大仏さまにお会いできたのと同じくらい私にとって嬉しいものでした。
こんな素敵な観音さまに会わせてくださった、
観音さまのごときオガワさんに心より感謝します。
ありがとうございました。