大富豪家の祖父と僕

※この記事は、

2014年4月に公開したものを編集しています。

今日は趣を変えて、

 

今まで人に話したことが殆どない
僕の祖父のことを書こうと思います。




既に他界していますが、

僕の祖父は庭に大きな池が二つもあるような豪邸に住んでいる、
いわゆる大富豪家でした。

母は車の運転免許を取得する際、この庭で運転練習をしていたそうです(^^;;






祖父は宝飾と眼鏡の仕事で富を築き上げて来ましたが、

母から聞いた話では、

今では日本人の誰もが知っているある有名な眼鏡の会社の創業者を指導していたそうです。






財界では祖父の名前は良くも悪くも知名度があり、

ある一面では恐れられていた、

なんてこともずっと前に聞かされたことがあります。







何だかドラマのような話ですが、
そんな人がすぐ身近にいたのです(苦笑)



でも僕は、
そんな祖父をずっと嫌っていました。

☆
 

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何故かというと・・・



僕が小学生の時、
祖父は一週間に一度は僕と兄に宛てて電話をしてきました。

そして必ずこう言うのです。



「お前は絶対に父親みたいにはなるな！」と。

僕の親父はその頃は

真っ当なサラリーマンでした。

別に人様から後ろ指を刺されるような生き方はしていない、

部下からも慕われて人望のある人でした。




そんな父親のようには成るな

という祖父の真意は、

孫に対する愛情から出たものではあったのですが、

小学生の僕には受け入れられませんでした。






祖父は僕たち孫を、
サラリーマンではなく、

自分と同じ実業家に育てたかったのです。
 

そして、

サラリーマンとして組織の中で人に遣われて生きるという生き方を

孫にはして欲しくなかったのです。




子供心にも傷ついて、

祖父からの電話が掛かってくる度に
ビクビクしていたのを覚えています。








祖父とは最期まですれ違いが続きました。
 

でも、そんな僕が
個人経営者として独り立ちするようになった動機を顧みると、

実は僕自身、

サラリーマンとして生きることに

心の奥で抵抗を感じていて、

独立することしか頭の中にはなかったのです。





だから中学生の頃から
自分の会社を作ることを夢見て

頭の中で架空の会社を作り上げ、

手作りのパンフレットやハンコまで作って友人に見せたりしていました。






結局、僕が今の仕事に就いたのは28歳の時ですが、


独立心だけは旺盛なクセに経営のいろはも知らないまま、

試行錯誤しながら今までやってきて思うことは、

祖父の話を聞いて、

経営のいろはを教わればよかったということです。

祖父の他界後、

祖父に興味を持った僕は
母に祖父のことを色々と聞いたことがあります。

そのとき母から聞かされた祖父の姿は、
僕が想像だにしなかった全く別の姿でした。







祖父は長崎に原爆が落とされた時、

ピカドンを見たらしいです。

そして避難の途中で更に広島の原爆にも遭遇し、

その時広島の街に転がっていた自転車を漕いで
自宅のある大阪まで一人で帰ってきたそうです。




祖父の全身にある斑点は
原爆によるものだろうと周囲の人が言っても、

祖父は何故だか断固としてそれを否定したそうです。






大阪に帰る道すがら、

これから大変なことになると

予想した祖父は、

自分の事業を拡大させる決意をしたらしいです。






そんな経験をしていた祖父は、

事業に成功を治めて以降、
かなりの財産を投じて

困っている人を助けてきたらしいのです。



先に書いた眼鏡会社の創業者に対しても
そういう姿勢だったのかも知れません。




でも、そんな祖父を裏切る人も
沢山いたようです。

だから財界での祖父の噂には両側面があるのでしょう。







祖父が幼い僕達にしたことは決して良いとは思いませんが、

しかし、祖父の歩みを知ってみると、

そんなこと以上に
祖父の偉大さが感じられ、

祖父の成功マインドを知りたい

という気持ちでいっぱいになります。







僕の役者名には、
この祖父の名前の一部が使われています。

僕の叔母は、僕の役者名を知ってこう言いました。



「私の一番嫌いな人の名前を使ったのね」




この叔母は、

祖父のネガティブな側面しか見えていないのです。



でも僕は、

この名前に誇りを持っています。








いま僕は、

祖父がそうであったであろう成功マインドを学んでいます。

サラリーマンを嫌い、


独立することに憧れていながらも、
ビジネスという世界から

一歩も二歩も引いて見ていた僕が

いま目にしているビジネスという世界は、

他人を蹴落として
自分が這い上がろうという
汚れた世界ではなく、





他人のために
自分が持っているものを提供し、

その代価を自分が手にするという、

極々真っ当な世界です。





それは恐らく、
祖父が生きてきた道だろうと思います。




そこにお金というものが絡むとき、

きな臭いネガティブなイメージを抱いていた僕の見方は、

単なる偏見だったということでしょう。








ビジネスという言葉は、

相当誤解して捉えられていると思います。

これからのビジネスは



利己心ではなく、

他人を思う愛によって成り立つもの。




そうならなくてはいけないと思います。






祖父のビジネスにかけた魂を、
少しでも引き継げられるようになりたいと、

そんな風に思います。




身の上話を最後まで読んで下さり、

ありがとうございました^ ^

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