映画『峠 最後のサムライ』河井継之助にやっと、スポットライトが! | wai blog~日々是安泰~

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夏至って、峠みたいだなと思った。


登りきって、また下っていく。


そんな今にぴったりな映画。


映画「峠 最後のサムライ」

を観てきた。





私にとって、戊辰戦争といえば、会津藩と白虎隊。
そして、長岡藩の河井継之助。

小6の修学旅行は会津だったから
戊辰戦争と会津藩と白虎隊のことを
当時、めちゃくちゃ勉強したのだ。

修学旅行のための事前勉強ってやつ。

河井継之助が平和解決を願って、小千谷の慈眼寺で薩長の岩倉精一郎と話し合いをするが、和平の思い虚しく、決裂。

西洋的な考えを学んできた41歳の継之助と23歳の思い上がった岩村では、話が通じるはずもないさ。

その会談が運命の分かれ道となり、戊辰戦争の悲劇は長岡から、会津へと繋がっていく…


(公式HPよりスクショさせていただきました。)

あの時代に越後の田舎で、今に通じる考え方を通した武士がいた。

幕末に活躍した薩長の人々や、会津の白虎隊の悲劇なんかに埋もれてしまってるけど、
河井継之助の生きざまにいつかスポットライトが当たりますように!

と願っていたのは私だけじゃないはず。


河井継之助の半生については、うまくまとまっている記事を見つけたので、是非読んでほしい。


さてさて、ここからは、映画についてのお話。

※ネタバレも何もないけれど、感じたままを書いたので楽しみにしている方は、ご注意ください。


観る前に、レビューは見るな?


私の悪いところ。

観る前に、レビューをチェックしちゃうところ。


今回も、公開から数日経過していたので、レビューがたくさん出てきた。


正直、評価の低いレビューが多くて、これから観ようとしてるのにテンション下がった。

影響受けやすい人はレビューは観ないほうがよいかも。


・昭和臭すぎる

・古い感じ

・東出昌大のセリフが棒読み…


が目についた。


一方で


・役所広司さん、松たか子さんの演技が素晴らしい


も多数。

そりゃお二人はベテラン。演技力も間違いない!


私的には榎木孝明さんが出ていてよかったわ。

2時間サスペンスでよく拝見するから。


あと、渡辺大さんと東出昌大くんが並んでポスターに映ってるのが皮肉だった…

この撮影がされた頃は杏ちゃんと離婚してなかったのかな。




で、で、で!


そんな中、私の心を鷲掴みした衝撃すぎるレビューを発見。


・役所広司さんの顔のでかさが目立つ!


…?
そうなの?
あんまり、俳優さんの顔のサイズって気にしたことないけど。

それを読んでしまったから、映画中も、
役所さんの顔って大きいかな?
と気になって、気になって!

途中までは、まぁ、そうはいっても、気にもならなかったのだけど

後半!
怪我を負い、弱っていく継之助…
顔色の悪いメイク…
青白い顔は、膨張色…

たしかに、顔が大きかった!

死期を悟り、死体を敵に渡さないために、火葬を選び、火を焚かせるシーン。
自らを焼く火を静かに見つめる継之助…

この感動のシーンでも顔の大きさに心が奪われてしまった未熟者です。

この話を、これから観に行くという山田さんに伝えたら

「予告観て、絶対に行こうと思ってたけど
顔の大きさ確認したいから絶対に行かねば!
と観覧意欲が増していた。

観るとこ違うって!


シンプルで静かな時代劇


伏線も、なにもなく

淡々とした静かな時代劇。


それが率直な感想。


河井継之助の両親が、松たか子演じる妻に「跡継ぎのことも考えてくれ」と言うシーンも

何かの伏線か?と一瞬思うのだが、全く関係なく。


このシーン、いる?


っていうのがいくつかあったかな。


ここまでが面白い気がする。

大政奉還からが映画で描かれている。
(HPよりお借りしました)

映画で語られてるのは、河井継之助最後の一年。

それ以前の生き方にこそ、継之助の魅力があるように思えるのだけど。


2時間の映画で継之助の魅力を伝えるのは無理があるんだなぁと感じた。

無理矢理詰め込んだ感が半端なく、継之助の人となりが薄っぺらく感じてしまった。


映画で語られてることを簡単に言うと


武士の時代は終わる。

若い人は命を大切に、好きなことして生きるんだぞ!

長岡藩をスイスのような独立国にしよう!

でも、もしものために最新の武装はしとくよ。

どんなことしてでも平和解決できるように、話合いしてくるから!

あ、だめだった。

戦えー!



なぜ継之助が長岡藩をスイスのような独立国にしたいのか、それが可能なのか?

勝てば官軍、負ければ賊軍という時代背景の中、なぜ平和解決にこだわったのか?


それらを紐解くことで河井継之助の魅力が見えてくるはずなんだけど、そこはさらっとしか描かれていないのが残念。


それには大河ドラマくらいの尺がないと無理だろうなぁ。


継之助の人間的魅力というより、役所広司さんの演技力が際立って見えた映画だった。


役所さんて、大和ハウスのコミカルなイメージ強いけど、シリアスな役すると、ホントかっこいい!

武士が似合う。




方言「よした、よした」が懐かしい


映画中に2回登場する、盆踊りのシーン。


小千谷の盆踊りとは違うのだけど

歌詞の中に「よした、よした、よした、よした」という言葉が出てくる。


そういえば、曾祖母、祖父母がよく、

「よした、よした」って言ってたなぁ。


優しい響きの方言。


そうかぁ、越後の方言だったんだのね。



よした

子供に対して、「よくやった」と言う時に用いる。必ず「よしたよした」と2回言う。

(Wikipediaより)



この言葉、子供に対する褒め言葉だったのか。



映画と花火で長岡が賑わうといいな


いろいろ好き勝手書いてきたけど、この映画がきっかけとなり、河井継之助という人が広く知られることを願う。


そして、今年は長岡花火が復活!
映画と花火で、長岡が活性化したらうれしいな。


この夏の帰省、絶対に慈眼寺に行こうと思った。
あと、河井継之助記念館も。

長岡駅近くにあるなんて知らなかった!



その前に、映画の原作となった司馬遼太郎の「峠」を読んでおきたいよね。
ってことで、借りてきた。


司馬遼太郎全集19、20巻に『峠』が入っている。
だいたいの図書館にあると思うよ。

残念なことに、19巻は貸出中だった。
映画になってるのは20巻のほうなので、まずはそちらを読もうと思う。


最期に一言


子供を連れていかなくてよかった!


小千谷も出るから、息子も観たいと言っていたのだけど…


ちょっと、子供には理解しにくい部分が多いかな。



最初の大政奉還のシーンとか、書状を読むシーンとか。

私でも言葉がよくわからなかった!


かつての私のような戊辰戦争好き小学生ならオススメだけど。

あんまりいなそうよね。