一人ではま寿司に食事に行った。
今はどこの店舗も同じなのかな?入口に受付機があって、ネット予約していない人はそこで順番待ちの券を発行するようになってる。
順番が来たら横の機械に受付番号を読ませると席の番号が出て来るので自分で席へ行ってお寿司を食べる。
タッチパネルで注文して、食べ終えたら会計をタッチして、レジに行ってお金を払って(ここは半セルフ)帰る。
という流れなんだけど…
一人で来たお婆さん(推定85歳以上)、全く初めてのようでまず入口のドアを開けられず(自動ドアかと思って前に立っていたがスライドドアだった)、見かねた若い女性がドアを開けて入れてあげる。
受付機の前に立ってもやり方がわからず、店員さんが呼ばれて丁寧に教えてあげて発券。
(その直後私は順番が来てカウンター席へ)
お婆さんも順番が来てたまたま私の隣のカウンター席に着席。
座ったはいいものの固まっているので声をかけてあげたらタッチパネルの使い方を全く知らない。
画面を見れば「まずタッチして」と書いてあるのだけどそこからわからない。
「画面をポンと押すんですよ」と教えると、「ぎゅう」と押した。
これ、うちの母も同じだけど、「スマホをタップして」と言うと「ぎゅう」と押す。
軽く触れれば反応するというがなかなか理解できないらしい。
ともあれ画面が切り替わったら、食べたいものを押すと注文できると教えてあげる。
カウンター席は醤油やガリは卓上にあるけど箸やおしぼりは引き出しに入っていたのでそれも教えてあげる。
無事、マグロを注文して食べ始めたので安心したのだが、しばらくしてまたちらちらとこっちを見たので「どうしました?」と言うと、
注文画面からコマーシャル画面に切り替わっていてお寿司のメニューが見られなくなっている。
これも「画面を触ると切り替わりますよ」と言って押す動作を見せたら「ぎゅう」と押した。
そして「飲み物はどうしたら…?」と訊かれたので、卓上にある湯呑と粉茶の入れ物を指して「これでお茶を淹れられます。お湯はその蛇口をひねると出て来ますけどとても熱いから気を付けて」と言うとおっかなびっくり何とかお茶を作って飲んでいた。
その後、心配で時々見ていたらまた画面がCMになってしまって「これは…」と言われたので「押すと戻ります」と言ったら「ぎゅう」
一度言って覚えないところも母と同じだなぁ…とか思いながら見守っていたらまた、にぎりのメニューがどこにあるかもわからなくなっていたので「その、一番上に書いてある『握り』を押して」と言ったら「字が見えないんですよ」とのこと。
「その青いところです」と教えたりとかしているうちに私が満腹になったので
「私はもう帰りますけど、何かわからなくなったら画面の左下、その赤いところを押すと店員さんが来てくれますからね」
と言って席を立った。
大変感謝されて良い事をしたと悦に入りながら帰ってきたのだが、
よく考えたら画面がまたCMに切り替わってタップしなかったら店員さん呼び出しボタンも押せなくて詰むじゃん、と後で気づいた。
その女性と母を比べて、うちの母の方が少しだけ若い(多分)し、はま寿司は好きでよく行くから受付方法も注文方法もわかるので心配ないけど、
全く初めての店や場所に行った時に何がどうなっているのかわからなくて困ることがこれからどんどん増えてくるんだろうなと感じた。
そしてそれが嫌で外出しなくなったり新しいことに挑戦しなくなったりして、そこから老いて認知症になったりもするんだ。
世間一般的に見て親がそうなるのは非常に困るので新しいことを教えたり挑戦させたり外に出したりするんだけど
何をやっても上手くいかなくなったら人間て何もしたくなくなるから、そうならないよう気を付けたいと思っても本人にその気持ちが無くなってしまったらお終いじゃないか。
母の事もそうだけど、自分だっていつそうなるかわからなくて怖い。
最近、母と出かけると母が何もかもを私にやらせようとして、私も母がやるより自分でやった方が早いし確実だからそれで良いと思っていたけど、
やっぱり母が出来ることは何もかもやらせてとにかく老いるのを遅らせないといけない、と、今日は痛切に感じた。