弥生も半ばとなると
大阪の最高気温は20℃を越え
じゃあ、まだ咲いている梅を
見に行けばいいじゃない?
と言う事で、再び奈良へ。
奈良が今、マイブームなのです(笑)
今回は近鉄線に乗り
尺土で乗り換え、御所に。
御所駅で降り立ったのは初めてで
過去には十津川温泉へ行く時に
日本一長い路線バスの乗って
駅前を通り過ぎた事があるだけ。
で、その路線バスの再会。
一体何がしたいのかと言うと
葛城古道を歩きたいのです。
大和平野の東を走っているのが
先日歩いた「山の辺の道」。
それに相対するように
西の葛城連山の麓に走っているのが「葛城古道」です。
道沿いには古代豪族の 鴨(かも)氏や
葛城(かつらぎ)氏ゆかりの古社が散在していて
それらがどうも凄そうなのです。
多くの観光案内では、御所駅を出発して
約10キロ先の高鴨神社がゴールのコースを紹介していますが
それだと「風の森バス停」からバスに乗らないといけません。
上手くバスに乗れたらいいのですが
風の森を通るバスは1日3本程度と
万が一乗り遅れたら
もう帰って来れないレベルの危険度![]()
そんな危険は冒せませんので
御所から風の森までバスで行き、
北へ向かって歩いて帰るコースにしました。
御所駅から路線バスで18分
480円で風の森に到着。
ちょろっと民家のあるのどかな場所で
葛城連山を臨むと、完璧な青空。
梅もまだ咲いています♪
ここからまず『高鴨神社』を目指します。
『風の森』と言うと、寺田屋のお客様は
日本酒を思い浮かべられるかもしれませんが
元々は地名です。
国道から古道を歩いて登って来ると
石標があり、振り返ると・・・
おお~、たたなづく青垣とは
きっとこんな景色。
あ、イタチ↓
景色よりイタチに反応するシェフ^^;;
最初の神社『高鴨神社』までは
割と近く20分くらいで到着。
ちょうど神主さんが鳥居の傍の社で
祈祷前のお祓いをされていました。
終わるのを待ってから
鳥居をくぐりました。
高鴨神社の主祭神は
「阿遅志貴高日子根命(あぢしきたかひこねのみこと)」
またの名を「迦毛之大御神(かものおおみかみ)」。
迦毛之大御神ってあまり馴染みがないんですが
『大御神』と名の付く神様は
「天照大御神」
「伊邪那岐大御神」
と三神しかおられません。
この辺りは、大和の名門の豪族である鴨一族の発祥の地で
本社はその鴨族が祀った社の一つとだけ説明にあるので
創建時期は古過ぎて分からないのでしょうね。
清和天皇の御代には(平安初期)
あの大神神社と並んで従一位に叙せられた
との事で、社格としては最高位の神社です。
お詣りをさせていただくタイミングで
先ほどお祓いをしていた方の
御祈祷が始まってしまいました。
あまりのタイミングで
二礼二拍手した後、動けず。
結果、御祈祷の立ち合いをさせていただくような
形になりましたが、これも巡り合わせです。
「鴨」は「神」に通じており
全国の鴨(加茂、賀茂)系神社の総本宮。
あの京都の上賀茂神社や、下賀茂神社の
上に位置するのがこちら神社です。
凄い場所だったのに
恥ずかしながら今まで
全然知りませんでした。
たまたまグーグルマップで見つけて
気になり過ぎて訪れたのですが
無事お詣りが叶って良かったです。
そしてこの後、この高鴨神社レベルの凄さが
延々続きます。
次に目指すは『高天彦神社』。
緩く山裾を登っていく感じで
この古道からの眺めは最高。
思わず口ずさみたくなる
~大和は国まほろば、
たたなづく青がき、
山ごもれる大和うるわし~
歩いて30分くらいで
高天(高天)と言う所へ到着。
この辺りが神話に出て来る
「高天ヶ原」ではないかと考えられている場所です。
整備された道路を上がっていくと
いきなり山奥へ続く参道。
変わった鳥居に感じますが
鳥居の原型はこうゆう形だったそうです。
そしてこの杉の参道が素晴らしく気持ち良い。
ただし!
めっちゃ登ります。
減量したシェフがサクサク登ってゆく。
坂道を登ると、痩せないといけないなぁ・・・
と実感させられますわ、ほんと。
ゼイゼイ言いながら参林道を抜けると
動物除けの柵があり、
そこを出るといきなり開けています。
あぜ道の向こうに見えるのが
高天彦神社の駐車場。
歩いている人も2、3人いましたが
ほとんでの方が来るまで参られるみたいですね、
こちらの神社は。
近づくと梅かと思っていたピンクの花は山桜でした。
きれー![]()
満開の山桜が見られるとは思ってなくて感動。
こちらの御祭神は「高皇産霊神(タカミムスビノカミ)」。
天地の始まりの時に現れた造化三神の一柱であり
天孫の瓊々杵尊(ニニギノミコト)が
高天原から降臨する際に天孫降臨の命令を下した神です。
また、この高皇産霊神は葛城氏の
始祖とも考えられているそうで
その葛城氏は大和朝廷の前に
「葛城朝廷」を開いていた
古代有力豪族です。
ご神体は、大神神社と同じく御山で
金剛山系の白雲岳。
御朱印などをいただこうと思ったら
ここから徒歩40分かけて
先ほどの高鴨神社へ行かないといけません。
が、素晴らしい佇まいの神社です。
高天彦神社も古過ぎて
創建がいつなのかは分かりません。
境内に神武天皇と、明治天皇の碑。
いやー霊感はありませんが
凄い場所に来た実感があります。
さて、ここからどの道を進もうかと
観光案内地図を見ていると
隣におじさんが来て
「橋本院から極楽寺へ抜けれるようですよ。」
と教えて下さいました。
グーグルマップでは出て来ない道です。
前回の山の辺の道を歩いていた時も思ったんですが
山歩きをする時には
ちゃんと地図を購入した方が良さそう。
でないと、とんでもなく遠回りする事になったり
絶景を見逃すことになったりしかねない。
ワタクシ達は今回、この早咲きの桜や棚田や
橋本院の不思議な庭の花の饗宴を
危うく見逃すところでした。
高天寺は今は少し寂しい感じのするお寺ですが
歴史は古くて、養老2年(718年)
高天山登拝のためにこの地を訪れた
行基菩薩が一精舎を建てた事から始まります。
その後は元正天皇に十一面観音菩薩を刻むことを許され、
聖武天皇の病気平癒祈願をした事により
天皇より「宝有山」の山号をいただき、
さらにはあの鑑真和上が住職を努めます。
葛城修験宗の根本道場として役小角が修業した寺でもあり、
高天千軒と呼ばれる大寺院だったようです。
今はそこまでの面影はありませんが
その代わり!
ふわっとした、不思議なお庭が広がってます。
瞑想のお堂があったりベンチがあったり。
庭の奥がピンクと黄色で染まってます。
山桜と、また違う種類の桜も
咲き始めてますねぇ。
黄色いのは多分サンシュウ?
こんな揺らめく黄色い春は
初めての体験です。
いろいろ調べてみると
本当の所は確認していないので分かりませんが
でも、作為がなくて、ありのままで
優しい癒しオーラが漂う秘密の花園です。
今までの神社とはまた違う凄さ。
めちゃくちゃ雰囲気が良くて
結構な時間休憩をしてました。
さて、ここからは車では行けない道。
ここも動物除けの戸が付いてます。
極楽寺に向かう下りの山道。
ここはグーグルマップでは出て来ません。
完全に山道ですから、ここを歩かれるなら
ちゃんとした登山靴を履いて来た方がいいです。
ホントに急で危険な所には
手すりが付いているので助かる。
出口にも柵が付いていて
出たらきちんと戸締り。
この時点でやっと半分くらい。
結局全行程で17キロ、
6時間近く歩いていましたので。
全部書き切れないので
明日に続きます。




















































