劇場公開日 2016年9月17日
’16 No.22
八王子で起きた凄惨(せいさん)な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、事件から1年が経過しても未解決のままだった。
洋平(渡辺謙)と娘の愛子(宮崎あおい)が暮らす千葉の漁港で田代(松山ケンイチ)と名乗る青年が働き始め、やがて彼は愛子と恋仲になる。
洋平は娘の幸せを願うも前歴不詳の田代の素性に不安を抱いていた折り、ニュースで報じられる八王子の殺人事件の続報に目が留まり……。ーシネマトゥデイよりー
昨年の夏に原作を読み、首を長〜くして待っていた映画。
凄惨な殺人現場から物語は始まるが、“犯人捜し”のサスペンスでもミステリー映画でもない。
房総の漁港で暮らす洋平(渡辺謙)愛子(宮﨑あおい)親子の前に田代(松山ケンイチ)が現われ、
大手企業に勤めるゲイの優馬(妻夫木聡)は新宿のサウナで直人(綾野剛)と出会い、
母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉(広瀬すず)は田中(森山未來)と知り合う。
それぞれに前歴不詳の3人の男…。
それぞれがそれぞれに惹かれて行くのだけれど…
“信じる”ということの大切さ、難しさ、辛さ、裏切られたことへの憎しみ…
“信じられなかった”自分への後悔と言いようのない虚しさと嘆き…
人の心の危うさや脆さ。ほんの些細なことで揺らぎ疑念を抱いてしまう…
その葛藤を見事に表現している映画だった。
原作を読んだ時は、優馬と直人のストーリーに涙が溢れて止まらなかったことを思い出した。
もう一度原作を読み返して、また違った感じ方をしたいと思う。しばらく『怒り』の世界に浸かっていよう…
