空腹だった私は黙々と赤飯を食べているとき、

「今日は何の日ですか?」と妻が聞いてきた。

どう返事をすればいいのか困って黙ってしまった。

結婚記念日ですと言う。

 

55年前のこと、 結婚式の最後に司会役をした友人から 「新郎 最後に何か言ってください」 というので とっさに述べた言葉

 「お互いに助け合い仲良くすることだ。祖国の栄光も個人の幸福も、愛と努力を忘れてはならないからな.あーー」と。

これは、小学校の卒業記念文集に父親が書いてくれた文章だったが この年齢になっても忘れもしないで思い出した。

ささやかな結婚記念日のは、自家製のお赤飯と やや遅くに娘が買ってきてくれた記念日のケーキで祝うことができた。

年に数度しか頂くことがないが、ケーキは甘党の私にも美味しいくいくらでも食べられる気がしてしまう。

 

 

今日が何の日か口に出せないのに、70年前の父の書いてくれた言葉は不思議とはっきりと覚えている。父の名句である。

最近の物忘れの症状から考えると これからどんな不思議なことが出てくるのだろうか。

 

午後、庭に出た。

二階の部屋の近くまで伸びたユーカリ・ポポラスの枝を切ることにした。

3メートルの脚立を出し、用心しながら一仕事を終えたところで、3メートルの高枝切鋏があったことを思い出した、私にはこんなことまで起きているのか。ボケなのか認知症なのか。

 

剪定後のポポラスとエゴの木