相撲の話。

無冠の大器、把瑠都が14勝1負という素晴らしい成積でついに優勝を飾りました。勝っても負けてもヘラヘラと花道で笑みを浮かべるその態度に、本当にやる気があるのかな?と思う時もあった把瑠都。だからこそ、千秋楽での優勝インタビューで、会場に来ていたお母さんに「産んでくれてありがとう!」と涙を流しながら叫んだ把瑠都をTV観ていて、すごく感動しワンワンと泣いてしまいました。その俺の姿を11歳の長男が見ていて、目が点になって完全にひいていました・・。
しかし、遙か遠くのエストニアという国から18の時にやってきた把瑠都。女手一つで育ててくれた母親を経済的に助けたいと、右も左もわからない日本へやってきたのです。よく考えると本当にすごい事です。もしも自分が18歳の時に、エストニアに移住することになったら、前日に怖くて逃げ出すかも。当時、佐賀県から東京に上京しただけで、毎日地下鉄の複雑さにホームシックになっていたのに・・。
今、相撲界には把瑠都と同じように世界各国からたくさんの力士が入門しています。モンゴルはもちろん、チェコやブルガリア、ロシアにグルジア・・・。幕内だけをみてもなんと15人もいるんです。という事は3分の1は外国人力士なんです。これで国技って言うんだからおもしろい。しかもみんなすごく強いんです。
きっと強さの秘訣はただ単に「体が大きいから」だけじゃないと思うんです。「こんな遠くの国まで来たんだから絶対に祖国に錦を飾るんだ!」というハングリー精神の問題だと思うんです。僕もたくさんの外国人力士の方々とお話をさせて頂いた事があるのですが、共通して言えるのは、みんなまじめで努力家で祖国をすごく愛しているんです。「ハングリー精神」つまり強くなるには「気持ち」が一番大事なのかもしれません。そして、そんな外国人力士に負けてたまるかと妙義龍や松鳳山など日本人の活きのいい若手力士がたくさんでてきました。これがまた相乗効果で観ていて手に汗握る気持ちいい相撲を取るんです。さらには、野球賭博や八百長問題で完全に失ってしまった信頼を取り戻すために、鬼のように気合の入った大関・横綱陣がいます。雨降って地固まるじゃないですが、いま相撲が本当におもしろい!もしかしたら来場所、再来場所あたりには当時の若貴時代のように15日間毎日「満員御礼」の垂れ幕がさがる日が来るかも。あ~こんなことをしてる場合じゃない。ひそかに息子を各界入りさせてやろうと企んでいる俺。早く相撲に興味を持たせねば。そしていつか一緒に泣きたいものです。
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