何と恐ろしい名前なの、マムシグサとは…⁉ | 季節の花と短歌と共に

季節の花と短歌と共に

 このブログでは、私の住む横浜市旭区にある「こども自然公園」で、散策をしながら見つけた季節の草木に目を向け、紹介していきたいと思います。さらに、植物に対して感動、感謝や感情を込めて、拙い自作の短歌を共に載たいと思います。

  三寒四温ではなく、三冷四暑かな…⁉

  五月も半ばを過ぎました。あとひと月もしないうちに、梅雨を迎える頃となります。皆様もご存じだとは思いますが、梅雨には、”梅”の字が入っています。そうですね。梅の実が大きくなり熟すころに降る雨だからです。公園の梅園の木々にも、まだ緑色で目立ちませんが、梅の実が付いているものがあります。それが黄色になり赤になり実が熟します。公園では、それらの実をどうするのでしょうね…? かなりの数になると思いますけど。そんなことを考えながら公園内を散歩していました。普段あまり通らない教育水田(田んぼ)と森に挟まれた畦道の方も歩いてみました。あずま屋の方から森の奥の方へ向かって歩いて行きました。すろと、途中のアジサイの木も大きくなりつつありました。先端には、たくさんの小さな花の蕾がつき始めていました。まるで花の帽子を被ったように見えました。梅雨に間に合わせるように、準備しているかのようでした。更に先に進んでいくと、ちょっと薄暗い、そして湿り気の多そうな場所に、何本か見馴れないものが見られました。花の形が、ちょっとカラーのような、水芭蕉の花のような、しかし形が変…⁉ また茎の色もちょっと変わっていました。「何かあまり見たことない植物だな?」と思い、写真を撮って後で調べてみました。今日紹介するのは、マムシグサです。生き物の名前が付いた草はたくさんあります。例えば、ホタルブクロ、キンギョソウ、オオイヌノフグリ、カラスウリ、サギ草、サルスベリ等々、たくさんあります。特に、小さいものに対しては、イヌ○○とか、ヒメ○○など付くことが多いです。またブタ、キツネ、ネズミ、トラなどもよく出てきます。どれも「なんでその名前?」という思いはあります。しかし、今回の”マムシ”草は、「何で⁉」を通り越して、さかなクンではないですが、「ぎょぎょぎょ‼」ですね。全く驚きの名前が付けられています。これは誰がつけたのでしょうね。牧野富太郎先生でしょうかね⁉

 

  なるほど、マムシカラーだ…‼

 マムシグサは、サトイモ科の多年草です。「名は体を表す」という言葉がありますが、これもそうで、有毒植物です。北海道から九州にかけて分布する山地や原野等の湿った林床に生えるということです。形状に変異種が多い多年草で、成長すると高さは50 - 60センチメートルになります。何と言ってもこの植物の名前の由来になっているのがまっすぐに伸びた太い茎です。紫褐色のまだらな模様があります。そこの模様がマムシに似ているとにちなんでいます。見た目にも濃い茶色のまだら模様で、また、マムシが好きそうな場所に生えていました。秋田県では「ヘビノバッコ」、岩手県では「ヘビデバチ」とも呼ばれているそうです。更に、花の部分も変わっています。雌雄異株で、晩春に、花茎を直立させて開花し、その先端は苞状になります。それは仏炎苞とも言い、紫色に近いものもで、筋状の白線があります。なかには苞が緑色のものもあり、アオマムシグサまたはカントウマムシグサとも呼ばれます。今回の写真は、緑色ぽいので、これかもしれません。花は、苞の中にまっすぐ立っています。花期は、4月から6月で、ちょうど今頃がよく見られます。そして秋になると、果実は橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た球状の果実を付けるということです。特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こします。誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほど痛くなるということです。また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、重篤な場合には死亡することもあるそうです。例えば、園外保育で来ていた子供が、生えていたマムシグサの若い果実を口にして、舌が痛いと訴えた例もあります。 1 時間もしないうちに、口唇が軽度の腫れが見られただけで済んだそうですが…。しかし、毒性の強い物は、薬草としても利用されます。水分代謝を正常にする作用があり,脳卒中による意識障害,顔面神経麻痺,ひきつけなどに用いる事があります。天南星として漢方薬としても使われます。民間療法としては腫れ物、肩こり、リウマチなどに粉末を酢で溶き患部に塗布することもあるそうですが、素人は扱わない方がいいでしょうね!その一角には、数本のマムシグサが直立していました!いずれにしても、水芭蕉のように葉が、仏炎苞になり、それが蓋のようになっているので、珍しく、面白く、しばし見とれてしましました。食虫植物のウツボカズラを逆さにしたような形ですね‼

 

<一首> 人呼んで マムシグサとは これい 

     かに 咲きたる花も 悲しからずや

 

 

  頃