今年は、待たされたね、サクラさんに…! | 季節の花と短歌と共に

季節の花と短歌と共に

 このブログでは、私の住む横浜市旭区にある「こども自然公園」で、散策をしながら見つけた季節の草木に目を向け、紹介していきたいと思います。さらに、植物に対して感動、感謝や感情を込めて、拙い自作の短歌を共に載たいと思います。

  一年間のご無沙汰でした…!

 ようやっと、来ましたね、さくらさんが!他の花はいくら咲いても、この公園一杯になるほど人は観に来ません。しかし、桜だけは違います。やはり、春には不可欠の、女王様です。昨年のこども自然公園で撮った写真を見ますと、3月24日には既に満開でした。今年は、4月1日でもまだ1~2分咲きの状態でした。そして、今回アップした写真は、4月7日の日曜日の写真です。ですから、10日以上昨年より遅かったと言えます。この日は、前日から降り続け朝方まで残った雨が上がり、午前中から気温がグングンと上がりました。湿度も高く、歩くだけで汗ばむような天気でした。しかし、みんなが待ちに待っていたのでしょう⁉公園内は、どこに行っても人だかりでした。特に、桜山は下から上までびっしりでした。下の方にはバーベキューができるサイトが30ほどありますが、満席の札が出ていました。今は、インターネットで予約ができるので、当日にバーベキューサイトを利用しようと朝早くから押し掛けても無理でしょうね。次の週まで予約で一杯かもしれませんね⁉ところで、公園の桜は、病気が発生し、平成30年頃から樹を伐採したり、剪定したりして、整備を続けているところです。そのためか、大分樹勢の回復してきていて、咲き具合も良くなってきたと思います。まさに公園管理者の、日ごろのそして長期的な展望に立っての、手入れの賜物だと思います。桜の木にも寿命はあります。病気もあります。一度植えれば、放っておいても大丈夫というわけにはいきません。桜山などは、人が多く入り、歩きまわり、根元を踏み固められと、サクラにとっては、厳しい環境でしょう。また、桜の木もたくさんあるので、一度病気が入ると、人間と同じで、次から次へと伝染していきます。桜を切るのは、辛く悲しいけれど、長く桜を楽しむためには、心を鬼にすることも必要なんですね。

 

  でも、サクラも病気になるの…⁉

 実は、サクラに限らず、植物も動物のように”病気”かかります。その原因はいろいろあるでしょう。例えば、気温が高すぎたり低すぎたり、雨が降り過ぎたり降らなかったり、湿度が高すぎたり、虫にとりつかれたり、細菌に侵されたり、根が傷んだり、風通しが悪かったり等々原因は様々です。どれをとっても、植物には厳しい環境でしょう。植物は、自分から痛いとは言いません。自分でマスクをして予防はできません。ですから、人間がこまめに観察・監視して、必要に応じて手入れをしていく必要があります。時には大胆な処置も必要とします。では、サクラに多い病気は何でしょう。それは、「てんぐ巣病」です。「日本花の会」の資料を参考にしますと…サクラてんぐ巣病はかびの一種(タフリナ菌)が原因でおこる伝染病です。全国に植えられ、お花見を楽しませてくれる ‛ 染井吉野 ’ はこの病気にとても罹りやすく、罹った枝を放置しておくと花が咲かなくなり、やがて樹全体に広がり枯れてしまいます。 ‛ 染井吉野 ’ は病気に弱く、寿命が短いといわれますが、その大きな原因がこの病気です。多くの地域で、この病気に罹った桜がそのまま放置されているため、これらが伝染源となって日本各地に被害が拡大しています。未来に向けて、 ‛ 染井吉野 ’ の花を楽しむためにも、蔓延しているサクラ類てんぐ巣病から ‛ 染井吉野 ’ を守って行きましょう。…ということです。ではその病気の特徴はとは?それは、てんぐ巣病に罹った枝には花が咲かないため、健全な部分が開花している時に小さな緑の葉が開いてくるので、花時の見映えが非常に悪くなることです。また、病気の枝は年々、多数の枝を発生しながら大きなかたまりとなり、病気が樹全体に広がると著しく衰弱し、数年後には枯れてしまいます。 伝染源となる胞子は、病気になった枝についた小さな葉の裏側につくられ、花が散り終わった頃から飛散し始めます。 胞子は、雨水や霧に混ざって広がるといわれています。この病気は、川沿いや湖の周辺、霧のかかりやすい場所など、空中湿度の高い場所、日当たりや風通しの悪い場所で多く発生しています。 また、植栽間隔が狭い場合、成育に伴って過密な条件になると発生が目立ってくる様です。てんぐ巣病に罹ったまま放置しておくと、病原菌の密度が高まるため、樹全体に被害が広がるとともに、周辺の桜にも伝染してゆきます。このような桜を放置したまま近くに植栽すると、その苗木も感染し被害が拡大、蔓延してしまいます。そのための、対策として現在最も効果的な防除方法は、病気に罹った枝を切除して伝染源を無くすことです。切除の時期は、病気の枝が見分け易いこと、胞子が飛散する前であること、剪定の適期であることなどから落葉期が適しています。切り口には保護剤を塗布します。また、見落としやその後の発病などがあるので、2~3年は継続して行う必要があります。こうした努力が、今この大池公園でもなされています。時に樹形がいびつに見える樹もありますが、それは、手術を受けた後の人間のようなものです。懸命にリハビリすれば、また素晴らしい姿に戻ることでしょう。管理している公園の関係者、造園業の方々に感謝するとともに、桜が美しい姿を取り戻すことを期待しています。

 

<一首> この山の 桜観る人 喜びて

     守る人また 心安らぐ