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まず、その著書やインタビューでファンだったのだけれど、その後地元に来られたとき、幸運にも招待券をいただいて、後にも先にもたった一度、マエストロの姿を拝みました。
大切に残していたチケットから、1986年9月のことでした。
マエストロ50歳。わたしは音楽全般、まったく詳しくないのですが、素人目にも、情熱的、魂のこもったスタイルに引き込まれました。
それから20年近くたって、娘さんの小澤征良さんのエッセイと出会い、(おわらない夏)、そのあまりにも幸福な瑞々しい子供時代の夏の物語に魅力され、何度も読み返しては、同じ空間の仲間に入れてもらったような錯覚を味わってきたのでした。
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そしてますます、小澤征爾さんのファンになり、この世から旅立たれたら本当に寂しく思うお一人だと、友人たちに話したこともあります。
先日のNHKの追悼番組ももちろん録画したのですが、チャーミングな姿に、そして音楽に、あらためて、ありがとうございましたと心から御礼を言わせていただきたい気持ちです。
たった一度、コンサートに行っただけのわたしですらこんなに寂しいのですから、親交のあった方々は、どんなにかお寂しいことでしょう。
でもその温かな笑顔、ユーモア、思い出が、色褪せることなく、むしろ時とともに強く、愛する方々を優しく包み込んでくださる、そんな素晴らしい方だったように思います。
陳腐な表現ではありますが、音楽を、家族を、仲間を、命を愛し、愛された大きな方でした。
心から御冥福をお祈りいたします。