ビジネス実務法務検定の勉強で、企業年金に関する本を読みました。
ちょっと前は、JALの会社更生法において、企業年金の減額が話題になりましたし、
最近では、東電が国から融資を取り付けるに当たり、OBの企業年金の減額が個人的には関心ごとでした。
新聞記事で、類似の訴訟が、熱く繰り広げられていることを知り、関心がありました。
若干まとめてみます。
いわゆる企業年金というのは、厚生年金の上乗せ部分です。
一つ目のポイントは、それが退職者と企業との契約であると捉えることのようです。
契約なので、当事者に拘束力があり、特段の事情が無い限りは、当事者を拘束することになります。
二つ目のポイントは、企業年金の契約の中に減額を許すかどうか、明文の規定があるかどうかです。無ければ、よほどのことが無い限り、企業の一方的な減額は難しくなります。
三つ目のポイントは、企業が一方的に減額ができる場合があるとして、それはどのような場合か。企業と退職者との契約内容が明示されていれば、その要件を満たしたときに減額が必要でしょうが、その規定が不合理であれば、その規定が無効と判断されかねないでしょう。実質的に、経営の悪化、減額がやむをえないこと、受給者の同意(全員同意までは必要ではないですが、ある程度の多数が必要)、事前の十分な説明、が必要なようです。
四つ目のポイントは、2001年に確定給付企業年金法が制定されたこと、また、企業年金と一言で言っても、いくつか種類があることです。純粋に退職者と企業との契約であるいわゆる「私的年金制度」があります。従前からあった「適格年金制度」(確定給付企業年金法により将来廃止されます)、それに代わって登場した「確定拠出給付型制度」。「企業横断型」産業別年金制度。
最後に、主な大きな訴訟になった件。
NTT事件,幸福銀行(破綻)、東邦生命(破綻)、港湾年金訴訟、早稲田年金訴訟、TBS年金訴訟、松下電器年金訴訟、りそなグループの訴訟。
それぞれ、関係当事者が多いこともあり、研究会なり勉強会なりが設立されているのが、この手の紛争の特徴のようです。
それぞれ、ちょっとづつ、特殊性があり、まずが、いずれも、上記ポイントの一つ目、三つ目が争点だったようにおもわれます。
参考にした本
●企業年金減額に立ち向かう法 安部芳郎 本の泉社 (2007年5月)