めだか屋で奮闘しまっせ(フィクションです。)
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第二十三話 愛のめだかの巻(1) <== 前編はこちら
第二十三話 愛のめだかの巻(2)
召田輔(めだすけ)は「黒い体にくっきりと月の輝きが乗っとるやろ、こいつは最高のあかねづきやで。」と言いながら、暫くあかねと二人で眺めていた。
「あかねちゃん、こいつに決めたで。こいつで勝負して見まっさ。」と言って、小さな水槽を躍らせながらあかねの周りを回っていた。
次の日から召田輔は店の仕事もそこそこに、あかねづきとの交配に熱中していた。
めだかの家では、あいのあかしの効果もあって来客が増えていたが、あかねが切り盛りして走り回ることになり、召田輔はいつも温室に居て時々上がって来る客の応対だけをする逆転の立場になっていた。
たまに温室に上がって来る常連客からは「久し振りやのう。」と言われ、
「お客さんが上がって来やへんだけでっしゃろ、わいは毎日居とりまっせ。」と召田輔が答えると、
「あかねちゃんしか見やへんさかい、あんたが居とんの忘れとったわ。」
「そんなこと言わんと上がって来てくだはらんと寂しおまっせ。」
「あんたは、めだかと遊んどるさかい寂しないやろが。」
「そんなことおまへんで、温室の中シーンとしとりまっしゃろ。」
「ほんまやな、わしかってあかねちゃんにしか用無いさかい、あかねちゃんがおらへんのやったら上がって来ようと思わんがな。」と言われて、急にめだかの家が心配になった召田輔は、階段を降りて来ては隠れてめだかの家を覗き込み、勝手に「大丈夫やな。」と安心して上がっては、また、直ぐに降りて来てめだかの家を覗き込む事を繰り返す日々が暫く続いた。
ある日、何時もの様に階段の角からめだかの家を覗き込むとあかねの姿が無かった。気になった召田輔は「どないしたんやろ。」と、差し足忍び足でめだかの家へ近付き窓に顔を突っ込んだ所へ、「何してんの。」と、あかねが声を掛けたので、驚いて腰を抜かし窓の下へ座り込んだ。
「そんな暇あんのやったら、めだかの家手伝うて。」と、あかねに叱られ、結局、元の様に店番をさせられるはめになるのだった。
そうこうして三カ月が経ち、召田輔はあかねを温室へ呼んで、目の前へ水槽を置き、交配して大きく育っためだかを全て放った。
二人で水槽を眺めては、
「あれは。」
「ウーン、あかねづきっぽいけど、細長いしヒラヒラしとらんしなあ。」
「じゃあ、こっちのは。丸くて可愛いやん。」
「けど、普通に茶色っぽおまっせ。」
「そうやねェ。」
「まあ、そう簡単に上手い事行くもんやおまへんな。もう一回、良さそうなんを選んで引っ付けまっせ。」
そして、また三カ月が過ぎ、「やっぱし出まへんか。」
そして、また三カ月、「今年はこれで最後でんなあ。」と言いながら、期待して探す二人だったが、やはりヒラヒラしたあかねづきの様なめだかは見つからなかった。
あっと言う間に一年が過ぎ、また、春の訪れを迎えていた。
あいのあかしも、すっかり普通のめだかの仲間入りをしてしまって、特に求めて来る客もいなく、めだかの家は相変わらず半分冷やかしの常連客のたまり場になっていた。
そして、召田輔は四代目の交配を進めていた。
あかねは「きっと、相性が良くないんよ。諦めた方がええんと違う、他のもやってみたらええのに。」と言っても、頑固な召田輔は諦める気など微塵も無い様で、いつも通りに同じ交配を続けているのを見て呆れていた。
「このまま新しいのを出せなんだら、また、先細りになってしまうのに。」と、聞こえる様に呟くあかねの声にも耳を傾け様としない召田輔に、二人の仲はギクシャクし始めていた。
(つづく)
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