めだか屋で奮闘しまっせ (フィクションです)
第二十二話 愛の証しの巻(1) <==以前はこちら
第二十二話 愛の証しの巻(2) <==前編はこちら
第二十二話 愛の証しの巻(3)
5月の半ばのある日、一件の注文が入っているのを見たあかねは、「来たよ。来ましたよ。」と召田輔(めだすけ)を呼ぶと、たった1ペアの注文に二人は飛び上がって喜んだ。
それから、月に数件ではあったが注文が来るようになり、「あかねちゃんの新聞のおかげやな。」と、少し安堵した召田輔だった。
やがて盛夏が訪れ、毎日の暑さに人出は少なく、めだかの家の客足も減り始めていた。
発売から熱心に宣伝する召田輔だったが、めだかの家で、あいのあかしは全く売れなかった。
それでも、召田輔は脈々とあいのあかしを殖やし続けていた。
「そろそろ値下げしてもええんとちゃうの。」と言うあかねに、「今値下げしたら買うて貰ろた客に申し訳ないやろ。」と、やはり聞こうとしない。
「このままやったら、また去年と同じことになってしまうやん。」
「御免やで、どうしても値下げは来年までしとう無いんや。」
二人の間に険悪な空気が流れたまま一週間が経ったある日、あかねがパソコンを開いて「何、これ。」と大声を上げたのだった。
あかねの大声に、召田輔が「どないしたん。」と駆け寄ると、「注文がいっぱい来てるねんって言うか、100件以上有るみたい。全部、あいのあかしの注文やし、システムのバグかなあ。」
「ウイルスでっか。」
「どうやろ、あいのあかしだけ全部売り切れになってしもてるし、追加の予約もいっぱい入ってんねんけど。」と騒いでいる。
「ええこっちゃがな。」と気楽な召田輔に、
「本物の注文かどうか分からへんのよ。システムって怖いとこがあるんやから。」
「やっぱし、ウイルスちゃいまっか。」
「けど、注文は皆違う人からやし、ほとんど入金済みになってるし。」
「ほなら、ウイルスちゃうんとちゃいまっか。と言うことは、もう先にお金貰ってるっちゅうことかいな。」
「とにかく今日発送せなあかん分の梱包せなあかんよって、召田輔さん、めだかと箱の準備お願いね。」
「よっしゃ。久々に頑張りまっせ。」
その日は、「ちょっと急いでましてな。」と、来客をよそに、朝から夜中まで発送に追われた二人だった。
「こりゃあかんで。こんないっぺんに発送せんならんのが続いたら倒れまっせ。」と言う召田輔に、「明日は伝票の準備も出来てるし、今日の半分くらいやから頑張りましょ。その後は纏まって来やんように予約追加は少しずつ出すようにするよって、今日みたいな事には成れへんと思うわ。」と言いながら、あかねはまだパソコンに向かっていた。
発送に追われる日々は一週間続いたが、あかねが在庫調整して少しずつ販売するようにしたことで、注文も落ち着き、正気を取り戻した召田輔だった。
(つづく)
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