めだか屋で奮闘しまっせ (フィクションです)

 

 

第十六話 嵐の夜の巻(1) <=前編はこちら

 

第十六話 嵐の夜の巻(2)

 

 今日も、あかねは温室に行きっぱなしで、召田輔(めだすけ)は、めだかの家で時々訪れる客に応対していた。

「いつも、ご贔屓いただいてありがとさんです。」「何や、今夜、台風直撃らしいで。」「そうらしいでんなあ。こんなええ天気でんのになあ。」「早いこと準備した方が宜しおまっせ。」「おおきに、夕方には全部閉めて帰ることにしまっせ。」

台風が近付いている事など感じさせない空を見上げて、のんきに構えている召田輔だった。

ところが、閉店時間が近付くと急に雲行きが怪しくなり風も吹き始めた。

「こりゃあかん。早仕舞いしよ。」と、永年使い慣れているめだかの家は雨戸を全部閉めて戸締りした後、温室へ上がって行った。

温室では、あかねがめだかの入れ替えをしていた。

「あかねちゃん、早よ帰らんと電車止まるかも知れへんで。」「せやねんけど、販売水槽に補充しとかないと。」と話している時に、パタパタと大きな音を立てて天窓から風が吹き込んできた。召田輔は慌てて天窓を閉めたが、外ではヒューッという音と共に飛ばされてきた木の葉や紙くずが窓に打ち付けられている。「このままやったら、大きな物が飛んで来たらガラス割れるんちゃうの。」と言うあかねに、「ほんまや、どないしょ。」と召田輔がうろたえて言う。「雨戸無いの。」「無いんやろか。」「何言うてんの。聞いてないの。」「考えて無かったでんなあ。ちょっと聞いて来ま。」と言って、召田輔は強風の中、めだかの家へ戻って園芸資材店に電話を掛けていた。

「もしもし、召田輔でおます。」「何やいな、召田輔はんかいな。」「教えて欲しいんやけど。二階の温室に雨戸おまへんのかいな。」「今頃、何言うとりまんねん。この間、説明しとりまっしゃろ。」「せやったっけ。」「せやったっけって、天窓の奥に防風ネットが巻いてあるさかい、それを下まで降ろして、留め金具が十箇所に付いてるさかい、床に取り付けたある輪っかの金具に差し込みまんのや。」「あんな高いとこからネットを降ろさなあかんのかいな。」「ちゃいまんがな、横にクルクル回すハンドルがおまっしゃろ。それ回したら降りて来まんのや。」「そうかいな。分からなんだら、また電話するよって、ちょっと、そこに居とってや。」と伝えて電話を切り、温室へ戻って見ていた。

夕暮れが近付き辺りは暗くなり始めて、風は増々強くなり雨もパラつき始めた。

「これか、ハンドルは。」と、防護用ネットと書かれたハンドルを回すと、巻き付けられて見えなかった丈夫そうなネットが周囲を囲むように降りてきた。ネットが下まで降りた所で、召田輔は、窓を開けてネットに取り付けられている金具を、床に取り付けられた輪っかに引っ掛けて止めていった。

召田輔が窓を開けたため、強風が吹き込み、棚上の物はバラバラに吹き飛んで床に散らばった。

召田輔が慌てて窓を閉めていた時、「キャー。」と、あかねが叫んだ。

(つづく)

 

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