めだか屋で奮闘しまっせ (フィクションです)
第十六話 嵐の夜の巻(1)
数日後、あかねが温室へ来て、小さな台を水槽の横に置き、台の上に皿を乗せて菓子をパラパラと入れていた。
「あかねちゃん、何してんの。」と聞く召田輔(めだすけ)に、あかねは「内緒。このまま動かさんといてね。」と言って、帰って行った。
土曜日と日曜日は、あかねがめだかの家へ来て召田輔を手伝い、来客時には温室へ案内する役をしてくれていたが、めだか泥棒の件があってからは来客中以外も温室にいることが多くなった。
ある日、召田輔は、余りにあかねが降りてこないので「お茶でもしまっせ。」と休憩を口実に温室へ上がっていくと、あかねは何かとしゃべっている様子だった。「おなかすいてるでしょ。いっぱいおあがり。けど、何処から来たんって言うても分からへんよねえ。」
召田輔は少しの間、隠れて聞いていたが、話が途切れた所で「誰かおるんかいな。」と声を掛けた。
驚いて振り向いたあかねの手から緑色の小鳥が飛び立ち、台の上に止まった。
召田輔は、「こいつ、まだおったんかいな。」と追い掛けようとしたが、「やめて、その子はめだかは食べへんし人懐っこいんやから。」とあかねが止めた。
召田輔は「ウー。」と横目で台の上を睨みながら、あかねの横に座った。あかねは「セキセイインコやね。人に慣れてるみたいやし誰かが飼っていたんやろね。この間から、こうやって手のひらにエサ乗せてずっと待ってたんよ。やっと、手に乗ってくれる様になったのに。」と手のひらを広げた。
召田輔は「そうでっか。」と言いながら台の上を睨み続けていた。
それからというもの、その鳥は召田輔が一人の時は姿を現さず、あかねが来ると近寄って来るのだった。
あかねが ピー子 と名付けて可愛がるので、召田輔は目の敵の様にしていた。あかねの口から鳥の話題が出るたびに「わいと鳥と、どっちが大事やねん。」「ウーん、ピー子かな。」「何やてェ。」「冗談やん。鳥に焼き餅焼いてからに。」と笑っていた。
鳥を毛嫌いする召田輔に、あかねは「ちょっとくらい可愛がってあげたらええのに。」と言いながら、益々、ピー子と仲良くなっていくのを見て、召田輔は気になって仕方無かった。
めだかの家は順調な滑り出しであったが、夏が近付くといつもと同じように来客は減り始め、販売する事よりも、飼育に費やす事が主になり、作業に追われる日々が続いていた。
そうして、季節は流れ、夏も終わりに近付いていた。
(つづく)
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