近況雑感~終戦の日に寄せて~ | 作詞家 花咲ひみこのブログ

近況雑感~終戦の日に寄せて~

今日は「終戦の日」、今年で79年になるとの事。

私は戦後の生まれですが、かの戦争では父方の叔父が戦死しています。

そして、父は戦争の爆撃に逢い、足を負傷し、心身の不調に長年苦しんだ末に、1955年の8月27日に亡くなりました。

 

 

父への鎮魂の想いを込めた、作詞作品を二編、終戦の日の今日、アップしたいと思います。

 

父の忌に寄せて

           花咲ひみこ

遠い記憶の 海原から

満ちてくる波

砂浜に 打ち上げられた

貝殻に 耳を寄せれば

私の名を呼ぶ 父の声

聞こえるようで 立ち尽くす

戦を越えて 残されたものは

父の死と 妻と幼子の人生

 

遠い記憶の 夕空から

流れくる雲

茜色 染められながら

夜空へと やがて変わりて

私を見守る 一つ星

やさしくそっと またたくよ

戦が無くば 平凡に生きて

年老いて 孫を膝に抱く人生

 

遠い記憶の 草原から

吹いてくる風

青々と 吹き抜けてゆく

この身ごと  風にさらせば

私をあやした 父の腕

感じるようで 身をまかす

平和を願い 新しき未来

生き抜くと 父の忌に誓う人生 

<JASRAC権利者コード 0554954712>

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父子草

        花咲ひみこ

写真は花図鑑などから拝借しました。

昭和レトロな 細路地の

荒地にひとむら 咲いていた

愛しき花は 父子草

しゃがんでそっと 呼びかける

あぁ お父さん お父さん

都会の喧騒 遠のいて

遠い記憶の 父恋し

戦なんとか 生き延びて

それでも身体は 傷ついて

妻子を残し 世を去りぬ

胡坐の温み よみがえる

あぁ お父さん お父さん

ふるさと後にし 三十年

父の齢(よわい)の 倍を超す

路地に一陣 春あらし

なびいて傾げど 凛として

また立ち上がる 父子草

負けずに生きろ 言うように

あぁ お父さん お父さん

訊きたきことなど 多々ありて

年を経るごと 父恋し

<JASRAC権利者コード 0554954712>

  無断転載、無断使用はダメよ

 

今も戦火の止まない地域がある昨今、平和を祈らずにはおれません。