私は専門卒だったので、大学生の就活がどんな形で進んでいくのか知らなかった。
一般的に何社くらい受けるものなのか
そしてどのらいの割合で選考を通過するものなのか
内々定は複数社からもらっておくことは可能なのか
わからないことが多々あるのでタケに聞いてみたけれど、当の本人もよく分かっていないようだった。
「そんなアバウトでいいの?一生のことなのに」
「とりあえずいくつかの企業から内々定をもらっておいて、どこに行くかは後から考えようと思ってる」
「よく知らないけど、そんな簡単に内々定って断れるものなの?
断るにしても期限とかあるでしょ、普通。
いろんな会社受けるのはいいけど、返事の期限とかそういうのを計算しながら受けないとダメなんじゃない?
そういうこと考えてる??」
「。。。。」←都合が悪くなると黙る
「ところで、去年インターンに行ったA社に行きたいって言ってたけど、あそこはもういいの?」
「いや、諦めてはいないけど、やっぱり考古学関係は競争率が高いし受かる確率が低いと思うから、ほかの会社(教育関係)も受けておこうと思って」
「ま、他に目を向けるのは別にいいんだけど、、内々定を貰うことだけに執着して手当たり次第にエントリーしてない?
早くもらえばいいってものじゃないし、さっき話した通り承諾の期限もあるだろうから、エントリーする会社はよく考えて選んだ方がいいと思う」
「わかった」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「わかった」
と言いつつも、行動をほぼ変えないのがタケの特徴だったりする。
相変わらず手当たり次第にエントリーしまくっているようだったが、私の予想通りことごとく選考に落ちているようでいい報告は全く聞けなかった。
大学生の就活ってこんなに決まらないものなんだろうか。。。
まぁ、、数が少なくて競争率の高い埋蔵文化財関係の会社と、向いていないであろう教育関係の会社を中心にエントリーしているので、早々決まらなくて当然といえばそうなんだけれども、それにしても決まらなすぎる。
今まで何度となく求職活動をしてきた私には、数十社受けて一つも受からないなんてことがあるのかと疑問で仕方なかった。
もしかしてタケだからなかなか決まらないのか?
そう思うのには理由があった。
・履歴書に修正液を使う
(絶対NGです)
・職歴にアルバイト経験を記入
(まだ学生なんだから【なし】だっつーの)
・PCで作成した履歴書は文字が中央揃え
(変だと気づかないのが不思議)
・「Web面接は平服でOK」という言葉を額面通りに受け止め1次面接をパーカー姿で受ける
(そういわれてもスーツを着るのが常識)
・大学帰りに面接の予約を入れ、そこで着るためのスーツを丸めてリュックに入れて持っていく
(シワだらけになるだろーが)
・就活用カバンがゴミでいっぱい
(整理整頓しろ)
等々、、、就活中、私が気づいただけでもこれだけの間違い&非常識があった。
その都度注意して直させてきたけれど、、私の知らないところでもっともっとやらかしているような気がしてならなかった。
そしてこんなことをやらかしていては、受かるものも受からないだろうと思った。
誰に教わるでもなく自然に身につくであろうこと
ごくごく当たり前の常識
しょーもない事に気づくたびに私は、タケにはこれが大きく欠落していることを痛感するのだった。