私の人生
私の怒りはなかなか収まらなかった。元の生活に戻るには、何かしら理由が必要だった。【経済的に、状況的に別れられない】というのは理由にならなかった。・子供の為に我慢する・家庭の為に我慢するいろいろ理由を探したけれど、【我慢】という言葉を使うと、人に責任をなすり付けているような気がして嫌だった。これは私の人生なのだ。誰の為でもない。私が【飛猿との結婚生活を続ける】という選択したのだと、これは自分で選んだ道なのだと、そう思えないとこの先ダメになると思った。だから、自分の気が済むまで時間を置くことにした。ここ数年は仕事が忙しかったり家庭優先でいたため、1人で出かけることがほとんどなかったが、この期間は積極的に出かけた。子供達は手がかからなかったし、飛猿も何も言わなかった。友人と会ったり、買い物したり、1人で自由に過ごす時間はいい気晴らしになった。飛猿の話は一番仲良しの友人にだけ話した。その頃にはだいぶ時間が経ち、私の中の怒りもだいぶ落ち着いてきた頃だったので、「今は子供もいるし、現状維持がベストだよね。子供が独立した時に今後どうするか考えて、その時に別れたいと思ったら別れればいいんじゃない」そう言った彼女の言葉が、すんなり自分の中に入ってきた。そうだ。ここで元さやに戻っても、ずっとこの先一緒にいると約束するわけじゃない。だから、いつまたこういうことが起きてもドシっと構えていられるように、これからの期間は一人で生きていく準備をする時間だと思うことにしよう。貯金をして、年金もどのくらい貰えるのかしっかり計算して、資産運用もして、地盤を固めよう。子供達が独立して二人になった時、まだ一緒にいようと思ったらそれらは老後資金にあてればいいし、ダメだと思ったらそれを基にして一人で生きていけばいい。そう思ったら、気持ちがスカッと晴れた。そして、その翌日。「とりあえず、今はその時期ではないと思うので元の生活に戻ります。子供達を一人前にするという点で、私達の目標は同じなので。ただ、子供達が独立したその先に、一緒にいるかはわからないということは覚えておいて」そのままの気持ちを話すと「わかりました。すみませんでした」と、飛猿。こうしてこの一件は完結し、私達は今まで通りに生活をしている。